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転職コラム転職市場の明日をよめ
アクシアム代表/エグゼクティブ・コンサルタントの渡邊光章が、日々感じる転職市場の潮流を独自の視点で分析しお伝えします。(※不定期更新)
2005年 1月~3月 2005.01.10
2010年に市場からより求められる人材とは?
前回、前々回のジョブマーケット情報で求人が活発になってきたことは述べた通りですが、アクシアムでも、2003~2004年の通年比で53%もの受諾求人数の増加が見られました。
こういった背景には、外資系やベンチャーにとどまらず、日系大手、中堅企業からの求人が活発になったことが最大の要因であると考えられます。これまで20代の採用を手控えていた日系企業が、もう一度経営に活力を与えるために、30代を急遽充足するといった事情が拍車をかけ、まさに求人市場にとっての失われた10年を取り戻すかのような勢いで、求人件数が増加しているのです。
このような流れの中で、今、市場では現場を支えるリーダーの必要性が急務となっています。単なる補充、将来のマネジメント候補の求人というだけではなく、トップマネジメントを改革するためのコア人材の求人も出てくるようになりました。2~3年後に執行役員を狙える能力と経験、そして何よりもマネジメントとしての責任を執行する意欲的な人材が求められています。これからマーケットインするであろう30代前後の方々は、くれぐれも(その求人が採用企業にとって)単なる補充であるのか、それとも責任あるポジションであるのかを、見極める必要があります。
バブル期には、海外投資という美名のもとに数多くの人材が採用されました。しかしながら、実際にはそれらの大半が海外要員であったことを考えれば、キャリア採用と中途採用は、まだまだ異なるものであると考えられます。キャリア採用とは、採用後のキャリアについて、個人がしっかりと考えているべきものであり、会社側の都合ではありません。中途採用は、極めて短期的な需要を元に会社側が用意、設計したもので、まだまだその本質は、中途採用=中途半端な採用といえるでしょう。このことは採用側である企業だけの問題ではなく、採用される側である個人の多くが、入社後のキャリアトラックは会社が用意するものであると未だに意識していることも問題なのです。
現在の求人市場の動向を業態毎にみると、外資系、日系を問わず求人が活発になっています。一方、ベンチャー企業ではCFO、COOなどの求人が引き続きあります。特にMBO後の企業再生のためのCEO、CFO、COOの求人が増加しています。
また、製造メーカーの求人も増えてはいますが、「社内数千名、数万名の中に見当たらない」「社内では育てられなかった」あるいは「戦略の変更に伴い、急遽外部から人を採用する必要がある」といった事情から、これらの条件を満たすことができるタイプのマネジャーやマネジメント人材を補強するためのものが主です。その数は決して多くないですし、より高度な人材が求められています。
日本企業の経営者像や求められる次世代リーダー像は大きく変わってきています。その為、求人市場は「タフな決心」や「行動を自らの意志で起した」人材を求めているのです。
これからの5年間で、市場からより求められる人材というのはどういう人材なのでしょうか?「年齢、性別、業種、職種にかかわらず、現実を直視して、自分なりの目論見をしっかりと持ち、自らの意志で行動できる」そんな人材なのではないでしょうか。
大学を卒業して外資系からキャリアを始めた人。海外から日本に留学し、日本でキャリアを積んだ人。10回転職しても、大手企業の部長職を歴任できる人。20代で公開企業の社長になる人。ベンチャー経験を買われて外資系に転職する人。ベンチャー企業から大手日系企業に転職する人。様々な人々が市場に出てくるようになりました。
2010年のご自身の年齢を考えてみて、一人一人が、今からの5年間で何をなすべきかをもう一度考えてみてください。アクシアムでは、スタッフ一同、みなさんと一緒にしっかりとマーケットの現実や変化を見極めていきたいと思います。
関連情報
コンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)