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「AXIOM 20s Career Talk Live」第10回開催レポート(谷本 忠駿 氏)2014.02.08
40数年ぶりの積雪にもかかわらず、熱心な参加者の皆さんをお迎えして、少人数ながら、熱気溢れるあっという間の2時間のトークライブでした。参加者からの質問に、的確かつ真摯に回答していただいた谷本さんにまずは感謝の辞を述べたいと思います。
慶応ビジネススクールから戦略コンサルタントに。そしてシリコンバレーにわたりベンチャー企業向けのコンサルティングで経験を積んだ後、帰国し自らベンチャー企業、リアルコムを起業した谷本さんから、体験に基づいたお話を伺うことができました。参加者の皆さんも、おのずと谷本さんのご経歴に近い人たちが集まったことが印象的でした。MBAホルダー、戦略コンサルティングファーム在籍中の人、起業を考えている人、シリコンバレーと日本の違いに関心のある人、自己啓発の機会としたい人、そんな方々でした。
印象的だった谷本さんのお話を備忘録として残しておきたいと思います。( )は私の感想部分です。
サッカー少年と逆の発想
サッカー少年から文学部、文学部から採用通知をもらった大手企業に就職せず、慶応ビジネススクールに進学。MBA卒業後、大きな戦略コンサルティングではなく、同じ外資系戦略コンサルティングでも、当時まだコンパクトサイズであったブーズ・アレン・ハミルトンを選びました。大学卒の時にも大手企業の内定をもらっていましたが、それを避けました。MBA取得時にも、小さな会社こそ、自分の力を伸ばし、プレゼンスを高められると考えた選択でした。
(新卒時の就職では、日本では多くの人が最初は大きな組織のほうがキャリアとしてプラスになると考え小規模企業を避けるが、谷本さんはこの最初のキャリアの選択ですら、逆張り、小さな組織を選ばれています。リスクをとっているにもかかわらず、ご本人はまったくリスクをとったと考えておられませんでした。谷本さんの、この「多くの人が選びがちな選択とは逆を選択する」という傾向は、以後のキャリアの選択でも、起業の決心の際にも、常に変わらないポイントであったように思いました。大学、大学院時代から、決して起業を考えていたわけではないものの、アントレプレナーの萌芽はこの段階で芽生えていた事が読み取れます。)
ドーハの悲劇と夢
ドーハの悲劇は、1993年10月末でした。若い人はサッカーワールドカップのドーハの悲劇を知らないと思いますが、どうしてもドーハに応援に行きたくて、戦略コンサルティング会社で9日間休暇をとって、応援団として同行しました。日韓ワールドカップにも休暇をとって参加しました。私は名古屋の高校時代の夢は本気でプロのサッカー選手になることでした。 勉強よりもサッカーの練習に明け暮れました。今も根っからのサッカー好きです。実は、この夢を持つということはとても大事な事だと思います。どこかの調査結果で数字ははっきり覚えていませんが、「夢がある人は、将来、夢が実現化していなくても幸せだと思う人が8割にも上る。逆に、夢を持っていなかった人が、将来、幸せだと思うのは2割程度にしかならない。」という調査結果があります。若い時こそ、夢や打ち込めるものがあれば、それが行動につながり、それが自分の力になるからです。
(確かに、成功した人に見られる傾向の一つとして、若い時にサッカーでも野球でも、何か打ち込んでいると言う事を思い出しました。)
シリコンバレー
シリコンバレーは本当に、ベンチャーや、ベンチャーキャピタルにとって特別な地域です。日本がシリコンバレーモデルを作ろうとしても真似できない点は同地域には沢山のベンチャー成功者や挑戦者が住んでいることです。成功者に直接、自発的にアポイントメントを申し出れば、会ってくれる人も多いこと、そしてそのネットワークに入っていくには、自発性、実績、レピュテーション、信用をしっかり保てるような人間関係を大事にすることが何より重要であるということです。日本のネットワークと異なるのは、成功者のネットワークはマフィアのようにつながっており、その中に入るには、まず、自分自身が、プロとして個として自立、自律していることが大事です。そしてシリコンバレーで学んだことは、「成功者は皆、本気でやっている。成功を信じることができる人が、起業家として成功する。」という事でした。
高所恐怖症、下がることが怖い
高報酬を得ることができる戦略コンサルタントから、賃金が必ず下がることができる事業会社への転職や、ましてや賃金がなくなり、起業という選択は、なかなか選択しにくいものであるため、できるだけ高い年収となる前に、賃金の現職率が低いところで転職するほうが良いと思います。高くなれば高くなるほど、高所恐怖症のように、飛び込めなくなるものです。
起業のきっかけ
日本に存在しなかったネットワーク型の組織の会社を生み出したいと強く思ったことです。 シリコンバレーの仕事の進め方は、会社組織ではなく、プロジェクト、プロフェショナルな役割分担のネットワーク型のものでした。そのような構造のベンチャー企業を日本に打ち出したいと思ったからです。そして何より、コミットメントできるもの、自分のミッションを見つけることができたことからです。やりたいからというよりも、やるべきだと思えた事だったと言えます。
リーダーシップとマネジメント
リーダーとは誰よりも信じていることだと言う事に尽きると思います。京大アメフトの名監督だった、水野弥一氏の言葉ですが、「リーダーはこれだと決めたら、それを成し遂げるまで信じて、何が起きても動じることなく信じることだ。」ということです。シリコンバレーの成功者、リーダーもその点は同じだと思います。マネジメントとは異なります。マネジメントはいろいろ意見や企画を議論して最適解を見つけることですが、リーダーはその異なる意見を、一つの方向に導いていくことです。方法論ではありません。だからこそメンバーの誰よりも、方向の先に成功があることを信じる力が強い者であるべきと言えます。
シリアルアントレプレナー
リアルコムを退任後、次の事業、TENEXを立ち上げるべく準備をしています。まだフォーカスすべきプランまで煮詰めていない。コンサルをしながら、いろいろ行動しながら、いくつかの事業コアの実現可能性を走りながら、練り上げているところです。 (谷本さんは、次の夢に向かってすでに行動を始めておられました。楽しみです)。
QUICK Question
人生最後の食事は何を食べたいですか?
(答) 何を食べるかは問わないが、家族と一緒であれば何でも構わない。誰と食べるかが大事だと思う。
未来を明るくするにはどうすれば良いと思いますか?
(答) 政治と経済を良くする事だと思う。
20代に戻ったらMBAにもう一度行きたいと思いますか?
(答) 数学を本気でやってみたい、コンサル、シリコンバレー、ベンチャー企業経営と経験してきたが、やはり数学はもっとやっていたら、そういった人たちと面白いことができたように思う。
尊敬する経営者は?
(答) ソニーCEOであった故盛田昭夫氏とアマゾンの創業者のジェフ・ベゾス氏。この二人は、タイプは違うが、リーダー、経営者として理想的だと思う。
推薦図書を教えてください。(※下記URLは外部サイトに移動します)
(答) ビジョナリーカンパニーの第一巻、第四巻がお勧め。第一巻はセンセーショナルであり、ビジョナリーカンパニーの定義がしっかり描かれていて重要だが、第四巻は。各社について定量的な分析が付されていてさらに興味深く、参考になる
「ビジョナリー・カンパニー」日経BP社:ジム・コリンズ (著), ジェリー・I. ポラス (著), 山岡 洋一 (翻訳)|amazon|楽天ブックス|
「ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる」日経BP社:ジム・コリンズ (著), モートン・ハンセン共著 (その他), 牧野洋 (翻訳)|amazon|楽天ブックス|
開催概要
東京メトロ千代田線「乃木坂」駅 徒歩約3分
講演者/パネリスト 略歴
株式会社アクシアム 代表取締役社長
コーネル大学 Human Resource Executive Development Program修了。
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事。1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長。
お問い合わせ
本イベントについてのお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。
株式会社アクシアム イベント事務局
Email:event@axiom.co.jp