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「AXIOM 20s Career Talk Live」第6回開催レポート(新村 徳志 氏)2012.10.01
「私が取締役COOを務めるアスタミューゼ株式会社は、この度5億円の資金調達を完了し、今後、知財情報のプラットフォームを構築することを目標とし、数百万社にも及ぶ世界中全ての企業が持つ知財や技術者情報を集積し、それを必要とする企業や人達をマッチングさせることを実現化させていきます。世界を変えたい、日本発のビジネスを発展させたいと願っています。今日は、私のお話が皆さんのキャリアを考える上でお役に立つことができるのであればと思い、登壇させていただきました。」と気さくに始まりました。
今回のライブトークは、新村さんの14年間に渡る、海外勤務のお話、転職時に考えたこと、何故、そのようなキャリアを選択したのか、詳細かつ包み隠さずお話いただきました。内容はまさに新村さんが大事にされている「自分自身に正直であること」という一言に集約されます。国境、業界、職種、大企業とベンチャー企業、それらの壁を何度も超えようと挑戦し、壁を越えたことでさらに力をつけることができたその理由について、当時を振り返りながらお話いただくことができました。転々とするのではなく、自らリスクを取る時に必要なことは、何よりも自分の心に正直であることが大切だと教えていただきました。
ただ、それらのキャリアを丁寧に紐解いていくと、大学時代のスペインへの1年間の留学時代にその核となる考えが芽生えたことがわかります。当時から、「いつかは世界で仕事ができるようになろう。」という漠とした考えが芽生え、今もその核は変わっていないように思われました。しかもその真珠の核も正しく育たないといびつになるのですが、正しく大きく育ってきたという印象をもちました。単に、海外で働くことということではなく、常にビジネスへの関心がその核に積み重なり寄り添っていることが分かります。欧州にこだわることなく、アジアなど新興国の成長に関心が高まったとおっしゃるあたりに、そのことが伺えます。これからグローバルなキャリアを考えている人は地域にこだわらず、世界を俯瞰するような視点が不可欠であることを示しています。
ルノー本社では1997年当時、意外にもフランス語が経営人の基本でまだ英語ではなかったことや、MBA取得後、日産自動車の戦略にも大きく関わる大事な職にあったものの、最初は工場での組み立て研修があったことなどや、シンガポールのトランスキューでIPOに成功したお話にあわせて、同時にパームの農場を開拓、精製工場をアジアで展開するに当たり、ヘラクレスカブトムシが飛び交うスマトラの奥地に渡り開墾していたようなお話は、ビジネスキャリアのお話を聞いているというよりも世界で仕事をする冒険話のようにわくわくしました。
企業派遣の公募がなかったこともあり、私費でINSEADに留学された新村さんですが、リスクをとりながらMBAを取得すること、パリから日本に戻ろうとしたにもかかわらず、ロート製薬で欧州の事業開発、M&Aを目的にパリ勤務が続いてしまったこと。退職して日本に帰国するというリスクをとってでも、次のキャリアを見つけることができたこと。日本に戻ろうと考えつつ、トランスキューというベンチャーで、それまで左脳を重視する人達によるビジネスを観てきた新村さんが、初めて右脳でビジョンを生み出す、起業家、経営者に出会い、その人柄にほれ込んで参画することになったお話など、どれをとっても、必ず何かを得るために先にリスクをとっているように感じました。いろいろなことを器用にこなされているのではなく、過去の経験、資産に頼らず、常に何かを捨てる覚悟があることが、次の新しい挑戦や新しい価値を得るために必要なことであることを示しています。実際、語学が堪能な人でも、MBAをもっていても、なかなか新村さんのように先に捨てる事やリスクをとるという事が出来ない人が多いのではないかと思います。スペイン留学で感じたことや商社に入社したところまでは、多くの人が到達するグローバルキャリアの一つの形かもしれませんが、組織を飛び出す、そんな最初の小さなリスクをとることから、だんだん、リスクのとり方が大きくなってきたのだと思います。
転々とするのではなく、展望を備えていれば、転職のたびに、大きな挑戦に挑むことができるようになり、大きなリスクをとれるようになったということなのだと思います。新村さんの挑戦はまだ続いています。参加者の皆さんも感じたことですが、新村さんの挑戦は、応援したくなる挑戦であり、これから日本人が挑戦すべき一つの形なのだと思います。
QUICK Question
人生最後の食事は何を食べたいですか?
(答)鮨。
未来を明るくするにはどうすれば良いと思いますか?
(答)自分自身に正直であること。複雑なことを議論するのではなく、シンプルに考え、一人ひとりが内なる声に正直になることで自己責任がうまれ、それぞれの未来が明るくなるように思います。
もし今、20代なら、MBAに留学しますか?
(答)またMBA取ると思います。先ほども話ましたが、MBAであると言うペーパーバリュー、仲間との経験、人脈やネットワークもありますが、何よりも海外MBAはキャリアのためやビジネスのためのスキルや知識を得るだけではなく、生きていくための価値観を得ることが出来たと思っています。人生を考える幅を広げてもらえたことに感謝しています。なので、また20代に戻っても、また留学しますね。
尊敬する経営者は?
(答)いろいろな経営者がいますが、ルノー前会長兼CEO、ルイ・シュバイツァー氏は、尊敬できるというよりも、経営者として凄いと感じました。MBA卒業後、就職下ルノー本社で、彼がまだ会長、カルロスゴーン氏がまだ日産自動車の社長になったばかりのころ、実際に彼の経営を目の当たりにしました。経営トップとして、社員に対するコミュニケーションのあり方として、現在の会長であるゴーン氏とはまったく質的にも異なるものでした。合理的な説明のみならず、彼が伝えようとするメッセージは極めてシンプルで私達社員の気持ちに訴えかけてきました。彼がやろうとすることが伝わってくるのです。経営とはこうするものだと思い、とてもかなうものではありませんが、少しでも近づきたい、経営者像として私の心に刻み込まれています。
推薦図書を教えてください。
(答)「葉隠」。海外留学している時に、改めて自分のアイデンティティーを知り、考えることができた。
開催概要
- 日時: 2012年9月8日(土)14:00~16:30 (13:45開場)
- 会場: 東京ミッドタウンタワー 7階 d-labo by SURUGA Bank
- 定員: 40名
- 対象: 18歳以上35歳未満の方なら、どなたでも。
- 参加費:無料
- 主催: 株式会社アクシアム
- 協力: d-labo
講演者/パネリスト 略歴
デロイトにてライフサイエンス戦略コンサルティングに従事後、シンガポールにてバイオベンチャーのグローバルヴァイスプレジデントとして事業開発に携わり、SGXにてIPOに成功。
現在、日本発、グローバルマーケットへの展開を目指す知的財産ITプラットフォームのアスタミューゼCOOとして15年のIPOをめざし経営全般と新規事業・プロジェクトをリード。
慶応義塾大学卒、欧州経営大学院(INSEAD) 経営学修士(MBA)。 欧州、アジアなど海外滞在歴14年。英語、フランス語、スペイン語に堪能。
株式会社アクシアム 代表取締役社長
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株式会社アクシアム イベント事務局
Email:event@axiom.co.jp