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イベントプロ経営者の特別セミナー
GEの戦略とキャリアオポチュニティ2006.09.27
9月8日(金)、品川イーストワンタワーにて世界の「GE」が、その戦略やキャリアについて語るセミナーを開催しました。お集まりくださったのはビジネスの第一線で活躍中であり、ご自身のキャリアについて高い意識を持たれている皆さんです。お忙しい中ご参加をいただき、誠にありがとうございました。
この日お話くださったのは、GE コンシューマー・ファイナンス株式会社・常務取締役/新規事業部ビジネスリーダーの清原正治氏。そして、同じくGE コンシューマー・ファイナンス株式会社・人事総務部 組織開発ディレクターの瀬戸まゆ子氏です。
第一部では、清原氏から世界100ヵ国以上で製造・金融・メディアと多岐にわたる事業を展開している「GE」の特徴や面白さ、またご自身の経験をご紹介いただき、同社でのやりがいについて語っていただきました。
ビジネスの現場でのエピソード、キャリアについての持論もとび出し、セミナーの場ならではの大変興味深いお話を伺えたのではないでしょうか。
また第二部では、瀬戸氏にご登場いただき、「GE」のキャリア制度、なかでも『リーダーシッププログラム』についてご説明いただきました。
限られたお時間ではありましたが、世界的ビジネスリーダー輩出企業として名高い「GE」の成長の秘密、あるいはキャリアのチャンスについてご理解が深まるきっかけとなりましたら幸いです。
Chapter1.GEの戦略とキャリアオポチュニティについて
「GE」とは
ご承知のとおり、「GE」とは本当に様々な分野でビジネスを展開しており、コングロマリットとしか表現のしようがない会社です。その源流は発明家・トーマスエジソンに遡りますが、その頃から変わらずにあるものは「世の中に何か新しいものを提案していきたい」という思いです。
そしてその「新しい何か」が世の中に受け入れられた後は、さらにそれを支えるモノやサービスを自らつくり、提供していこうとするのです。それが「GE」のひとつの特徴ではないでしょうか。一見、脈絡がなく思える幅広い事業領域は、こうした一連の流れで拡大してきました。
電球や飛行機の部品からスタートして、いまや金融、メディアまで。『イノベーション』をキーに成長した一大コングロマリットの、とても面白い歴史だと思いませんか?
私は転職“後発組”
私自身が転職を経験したのは37歳の時。これは転職“後発組”といえますよね。東京の大学を出た後、化学メーカーに勤め、MBAへの社費留学や海外勤務を経ながら、とてもいい経験をさせてもらいました。
ところが、あるとき人事を担当することになり、いわゆる「数字」を日々追いかけるタイプの仕事にやりがいを感じていた当時の私は、ジレンマを抱えるようになったのです。今となっては、このときの人事経験が本当に役立っているのですが、その時は悩みました。
そんな時、縁あって転職したのが「GE」でした。もとの会社で人事部の前には経営企画室にいた私でしたが、いきなりM&Aを手がける事業開発の仕事に就き、続いてマーケティング、そして現在の新規事業部へとキャリアを展開してきました。
今、キャリアについて思うのは、20代は基礎トレーニングをする時期であり、30代は様々な職種をためしてみる段階であり(必ずしも転職という意味ではなく)、40代は現時点での位置に満足して小さくまとまらず、どれだけ大きなステージにいけるかをチャレンジする時であるということ。そしてここからは私も未経験なのですが、50代は今まで培った経験・人脈をフルに使って仕事をする時期じゃないかと感じています。
また、こうも思います。私が人を採用する立場になり、面談の場面で重視しているのは、「オーナーシップの強さ」と「経営について理解している(理解しようとしている)か」という点です。
日々の仕事の中では、自分に原因がないことで上手くいかないなんて場面が多々出てきます。そんな時、自ら責任をもってコトに当たり(=オーナーシップ)問題を乗り越えられるかが、成功のカギだと思うからです。それから、究極的にはいい経営と悪い経営がわかっていなければ(たとえ経営を目指さなくとも)良い仕事はできないし、一生作業者でしかいられないとも思っています。
「GE」の良さ
私が考える「GE」の良さを、いくつか挙げたいと思います。まずは、グローバル企業であるということ。インターナショナルなアサインメントはもちろんのことですが、真にグローバルな企業とはローカルにいかに経営を任せているかですよね。その点「GE」、なかでも私が所属している「GE Money」はローカルでの意思決定割合が非常に大きい。その意味で、大変やりがいがあります。
それから、『Stretch(ストレッチ)』も大きな魅力です。これは一見達成できないと感じがちなほどのチャンスを与える、あるいは大きなステージに人材を置くという「GE」独特の人材育成手法です。私のように日本人がアメリカにおいてM&Aを手がけるケースは他社では稀でしょうし、転職後まもないのに当時のリーダー、ジャック・ウェルチにプレゼンテーションする資料を手がけさせてもらえるなど、この『Stretch(ストレッチ)』の好例だと思います。
最後に、もうひとつ。現在日系企業にお勤めで、仕事を進める上でのいわゆる“日本的な根回し”などに辟易している方もおられるでしょう。「GE」もベンチャーではありませんから、何かをしたいと考えたときに即座にそれが叶えられる訳ではありません。これだけの規模の会社ですので日系企業ほどではないにしろ、ある程度のネゴシエーションは必要です。その意味に限っては、ちょうどベンチャーと日系大手の中間ぐらいでしょうか。
また、外資系によくあるイメージのように、短期に結果を出して大きなリターンが与えられる訳でもありません。それを期待される方はウォールストリートへ行かれるべきですよね。我々はもう少し長いスパンでの活躍を期待しますし、評価しています。「GE」の150年の歴史で、CEOは9人。そのすべてが『はえぬき』です。これは今では稀有な例であり、「GE」がスピード感を持ちながらも人材を重んじ、リーダーを育てていく企業だとご理解いただけると思います。
Chapter2.ECLPとキャリア採用について
私が担当させていただいている「組織開発」の目的は、いかにリーダーを創るかということに尽きます。本日は、「GE」の人を育てる力、そして仕組みについてご紹介できればと思います。
「GE」の人材育成モデルには5つのポートフォリオがあります。グローバルな経験、経験部門の幅、コーチングのメカニズム、トレーニングプログラム、そしてStretch(ストレッチ)です。
清原も触れましたが、このStretch(ストレッチ)は特に重要だと考えています。Stretch(ストレッチ)とは、体に洋服を合わせるのではなく洋服に体を合わせるということ。つまり、早期に抜擢してより大きな責任を与え、成長のカーブを急激に立ち上げさせたいというものなのです。
ただ、なにも努力と根性の世界なのではなく、Stretch(ストレッチ)を実現するためのツールがもちろんあります。そのひとつといえるのが『リーダーシッププログラム』です。これは全世界の「GE」、すべてのビジネスユニットで実施されているもので、大まかな職種ごとのメニューがあります。ファイナンス系の「FMP」、IT系の「IMLP」、HR系の「HRLP」、セールスやマーケティング系の「ECLP」です。
「ECLP」とは
内容は、6ヵ月単位での実務経験(ローテーションアサイメント)を4回こなしていただくというもの。そのうち1回は地理的にも日本以外の場所で業務を手がけていただくことになります。
これらの狙いは、通常「GE」で5年かかる経験・成長をプログラム中の2年間でやってしまおうという点にあります。すべて選抜制で、中身も非常にハードルが高いかもしれません。しかし、達成すればリーダーとしての価値観、テクニカルな能力、そしてビジネススキルが身に付く内容ですので、ご興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
質疑応答
参加者の皆さんからでたご質問のうち、一部をご紹介します。
航空機など、いわば寡占的な市場でビジネスをされていることも多いのですが、そのような状況下で社員のモチベーション維持をどのようにされているのでしょうか?
先ほども少し述べたように、「GE」は世の中に新しい価値を提供し、さらにそれを支える、あるいは付随するモノも生み出すことで拡大してきた歴史を持ちます。ですから、現在手がけているものが寡占状態であろうとなかろうと、事業領域をどう再定義していくかが重要だと考えます。再定義し続けられればマーケットは無限にあり、社員がすべきことも無限でしょう。
ローカルに委ねられていることを、具体的に教えてください。
一般に、様々なビジネスの中でもリテール金融、不動産、流通は3大ローカルコンテンツといわれています。ですから私が所属している「GE Money」では、ほとんどがローカルに委ねられています。ただし、1億以上の投資をする場合、あるいは大型の新商品開発に関しては本国の了承を得る必要があります。
様々な分野のビジネスユニットをお持ちですね。そのユニット間で利害衝突はあるのですか? またその場合の優先順位はどうしているのですか?
各ユニット間では、いい意味でお互いを競合相手という意識で仕事をしています。もちろん、ぶつかることも多々あります。「GE」の場合、その調整役こそ“CEO”ですね。
「GE」のCEOは、直接収益を生む仕事をほとんどといっていいほど行いません。それは、下の人間がすればいい。CEOの役割は、『経営資源の効率的な配分』に尽きるのですから。そのような、いわば上司と部下の分業が、優れた経営者を生む土壌なのかもしれませんね。
講演者/パネリスト 略歴
常務取締役/新規事業部ビジネスリーダー清原 正治 氏
1989年 ヴァージニア大学 経営大学院卒業(経営学修士)
1985年 一橋大学法学部卒業
1985年 住友化学工業株式会社 経営企画室
1993年 PT.インドネシア・アサハン・アルミニウム 社長補佐
(出向、インドネシア・ジャカルタ)
1999年 GEキャピタル・グローバル・コンシューマー・ファイナンス・ジャパン 事業開発部ディレクター
2002年 GEキャピタル・グローバル・コンシューマー・ファイナンス・ジャパンストラテジック・プランニング&マーケティングリーダー
2003年 GEコンシューマー・ファイナンス株式会社執行役員 ストラテジック・プランニング&マーケティングリーダー兼 新規事業部ビジネスリーダー
2004年 GEコンシューマー・ファイナンス株式会社 取締役
2005年 GEコンシューマー・ファイナンス株式会社 常務取締役就任
お問い合わせ
本イベントについてのお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。
株式会社アクシアム イベント事務局
Email:event@axiom.co.jp