イベントジョブフェア

海外大学院合格者 ジョブフェア2010 開催Report2010.07.17

過去17年間、MBAをはじめとする海外大学院卒業生のキャリア支援を行ってきたアクシアムでは、5月29日(土)、六本木・泉ガーデンギャラリーにて、本年度、私費でご留学される方々を対象とした「海外大学院合格者 ジョブフェア 2010」を開催いたしました。
6回目となる今回は、留学を目前に控えたMBA、MA、MS、LLMの合格者の皆様と、厳しい経済環境の中、MBAをはじめとした海外留学生の採用をお考えの、外資系・日系著名企業12社が参加され、盛況なイベントとなりました。

2010年 参加企業一覧

グーグル株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

デル株式会社

日本イーライリリー株式会社

日本GE株式会社

フィリップ モリス ジャパン株式会社

ベインキャピタル・ジャパン

株式会社ミスミグループ本社

UBS証券株式会社

ユニリーバ・ジャパン株式会社

楽天株式会社

ロゼッタストーン・ジャパン 株式会社

※五十音順

壮行特別講演

海外大学院合格者 ジョブフェア2010 開催Report

はじめに・・・

今年は、日本人のMBA合格者が半減されてしまったということのようですが、これはビジネススクールに限ったことではなく、アメリカを始めとした世界全体で日本に対する興味が失われつつあることの象徴であると思います。また、日本人が内向きになり、海外に出て行かなくなってきたことの表れでもあり、それが合わさって応募者も減り、合格する方も減ったという現象になったのではないでしょうか。今の日本の政府・政治の迷走を見ても、日本人として恥ずかしくまた情けなく感じるばかりです。

ただ、それでも私は日本がとても好きで、日本人であることを誇りに思っています。

これからビジネススクールに留学される皆さんにもぜひ考えていただきたいのですが、好きというからには良いところも悪いところも正確に理解しておかなければならず、そのうえで日本が世界で復権を果たすためにどうしたらよいかを考える必要があります。皆さんには、その日本の復権において重要な役割を担っていかれることを期待しますが、本日、そのヒントとなるような話を3つさせていただき、皆さんへのエールとしたいと思います。

  1. 日本の実体
  2. なぜベインキャピタルが企業力向上に貢献できるか?(PEファンドの役割)
  3. PEファンドの限界と皆さんに期待すること、そして自分が心がけてきたこと(プロとしての信条)

1.日本の実体

日本の経営者のほとんどは、ドラッカーの信奉者といってよいでしょう。アメリカでもまたブームとなっていますが、日本でも経営の神様と呼ばれる彼の経営理論に学んでおられる経営者は多くいらっしゃいます。では、なぜドラッカーを信奉し、勉強されているにもかかわらず、日本はこれほど世界の中での地位が低下したのか。まず、ここから考えてみたいと思います。

ドラッカーは、「企業の社会的責任」や「マネジメントの重要性」、「過度の利益追求への警鐘」、「経済価値以外の人のモチベーション」などとても素晴らしい理論を展開していますが、それは当時の欧米社会へのアンチテーゼであるといえます。ところが、彼がそのアンチテーゼの対象として想定している欧米諸国と現在の日本の現状には「ギャップ」があったのです。概ね次にあげる5つの原因により、ドラッカーに学びそれを実践しようとしても、日本ではあまり効果がないという事態になっていると思われます。(これについては、皆さんがビジネススクールに行かれた後、また真剣に考えていただきたいと思います。)

【ギャップの原因】

  1. ドラッカーが与件とした要素が、日本には不在
  2. ドラッカーが語らなかった経営の基本モデルの認識不足
  3. ドラッカーが指摘した、成功する組織の要件と乖離した現在の日本企業組織
  4. ドラッカーが認識していた、日本や日本企業組織の良さが失われつつある
  5. ドラッカーが概念のみを示した方向への、具体的解決方法の不足
1. ドラッカーが与件とした要素が、日本には不在

例えば、ドラッカーが欧米社会で想定して与件としていた要素には、「社員、マネジメント、企業は、自由を与えればアグレッシブに活動する」や「マネジメントは、短期経済価値の最大化に走りがち」、「良くも悪しくも、企業組織には何らかの強力なリーダーシップがある」というものがありますが、果たして日本はどうか?実は、ドラッカーが「このままではいけない」と言って警鐘を鳴らしたその前提となる社会の与件は欧米を想定してのものであり、日本にはそれ自体が存在していないのです。だから、ドラッカーの理論を実践しようとしても、その前提条件が違うわけですから効果がない。そう考えられるのです。

2. ドラッカーが語らなかった経営の基本モデルの認識不足

あるいは、ドラッカーが語らなかった「成長が企業価値の源泉であり、その為のコスト、効率追求である」という当たり前のこと、経営の基本についての認識不足。ほとんどの日本企業は、90年代のバブルの崩壊以降、今日に至るまでコストダウンと固定費の削減等で終わってしまっていて、事業を成長させることに取り組めていないといえます。ベインキャピタルはまさにこの基本原則を投資対象企業に実践し、大きな成果を上げているわけですが、小売業でも半導体などの装置産業でも、この基本モデルは全く変わりません。本来、経営において一番にやるべきこの経営の基本モデルを日本の経営者は忘れてしまっているのではないかと思います。

3. ドラッカーが指摘した、成功する組織の要件と乖離した日本企業組織

また、ドラッカーは成功する組織の要件としていろいろなことを上げていますが、日本の組織はそこから大きく乖離してしまっていると思います。 例えば、マネジャーの重要性に関しても、今の日本の組織は優れたマネジメントが大きな付加価値を生み、業績を大きく左右するという当たり前の事実が忘れられている嫌いがあります。又、組織運営においても、「狭すぎる職務」、「階層過多」、あるいは「何が正しいかでなく誰が正しいかという議論になりがち」、「リスク回避をしてしまい、正しいリスクのとり方をしない」、「本来は厳しく温かいマネジメントであるべきが、甘く冷たいマネジメントになっている」、「真摯さの欠如」など、現在のほとんどの日本企業においてドラッカーが指摘している成功できない組織の状況になっているのではないかと思います。

4. ドラッカーが認識していた、日本や日本企業組織の良さが失われつつある

さらには、ドラッカーはそもそも70年代から80年代の日本の良さを認識し、それをモデルとして提唱していたところがありますが、現代の日本ではどうでしょうか?「会社と社員双方が、切磋琢磨することで結果として成り立ってきた終身雇用制」「職務規定より仕事の内容と委任」、「志・向上心と研鑽」、「リーダーシップよりも部下の育成」、「コンセンサスマネジメントの良さ」、「職業倫理」、「社会の倫理観、恥の概念」、「海外に開かれた目、進取の精神」など、すべてとは言わないまでも、良いとされてきたものがだいぶ失われているというのが実態でしょう。

5. ドラッカーが概念のみを示した方向への、具体的解決方法の不足

彼は、イノベーション、グローバリゼーション、顧客の創造など、素晴らしい重要な経営の概念を多く示していますが、残念ながら、それをどのように実践するかという一番難しい問題について具体的な解決方法は十分に提示されていません。

以上、これが日本の実態です。 中国や韓国などアジアの成長著しい国はむしろ欧米に近いアグレッシブさを持っていますが、日本は違います。このままでは日本はおいていかれます。これからMBAを取得しに行かれる皆さんの役目は、これを変えていくことです。

2.なぜベインキャピタルが企業力向上に貢献できるか?(PEファンドの役割)

ベインキャピタルは、日本の企業がグローバルに強くなっていくお手伝いをしたいと思って日本で活動しています。 では、なぜベインキャピタルは、企業力向上に貢献できるのでしょうか? それにはまず、ベインキャピタルの特徴からお話しましょう。

【ベインキャピタルの特徴】

  • 25年の歴史
  • 金融でなくコンサルティング出身である
  • 出資8兆円 300社への投資実績
  • 投資期間 5~7年 長期指向の投資家(LP)のみ
  • 最大のプロの人員(グローバルな競争相手の2倍以上の人員)
  • コンサルティング、事業会社出身が80%(金融出身者中心ではない)
  • 自前で投資のDDができ 最大の専任の経営サポート人員を抱えている
  • 投資先の厳選。特定分野で競争力のある企業への投資
  • マネジメントのパートナーとしてサポート。 欧米でも75%は既存の経営陣を信任
  • 企業力の飛躍的向上に特化した組織機構
  • 自社のパートナーも10%以上投資するルール(無責任にならない)
  • 成長が利益の源泉、40%を超える累積IRR、業界最高で不況時に他社と大幅格差

何故このような良い結果を出せるのか?

皆様にもお分かり頂けると思いますが、それは、一つの要素ではなく、「人材とスキル」、「組織と組織風土」、「制度と仕組み・アプローチ」、「経験と実績」といったベインキャピタルという組織を構成するあらゆる要素が企業価値の向上にフォーカスしてできており、整合性が取れているからです。

3.PEファンドの限界と皆さんに期待すること、そして自分がしてきたこと(日本人のプロとしての信条)

手前味噌になりますが、私どもベインキャピタルはこのように素晴らしい実績を上げているのですが、投資先を厳選しているが故、ごく一部の特定の企業しかお手伝いできず、日本全体を良くするということは到底できません。それ以外の企業については、本日ご出席のような日本人の皆さんが貢献して、グローバル競争力をつけていかなければならないのです。

そこで、皆さんに期待をするのですが、皆さんがプロとして日本を良くしていくために、どのような人材になっていただく必要があるか。これは皆さんお一人お一人に考えていただかなくてはならないのですが、参考までに私がどう考えて生きてきたかというお話をさせていただきます。

私は、大学のころから「世界をリードする日本企業のお手伝い」をしたいと思ってこれまで生きてきました。この目的を山に例えますと、その高い山を登るのに、私はまずコンサルティングから始めました。その次に実業で登り、そして今はPEファンドという道でその山を登っています。ですから、「世界をリードする日本企業お手伝い」という山を3つの方向から上っているといえます。この中で、何を考えて生きてきたのか?私が信条としてきたことを参考までにお話します。

「信条」=そうであろうと常に心がけていること

■もたらされた機会、与えられた機会の中で、自分の感覚で決定

  • 人の数倍の集中力
  • 短期勝負、特に立ち上がりのスピード
  • 短期間に、自分に常に大きなチャレンジ、戦略的判断を課す
  • 行動主義
  • ストレッチ、生き急ぐ
  • すべてのことは他人ではなく自らの選択・・・・人にやらされたことでも同じ
  • いやなこと、いやな状況でも考え尽くして消化する。意義を見出して好きになり楽しむ/愚痴は言わない、人のせいにしない/”ぼやく”なら、思い切って捨てる、やめる
  • 一見つまらないこと、小さなことを大切に
  • 常に人の期待を大幅に超える。
  • やること、いる場所では、常に高いトラックレコード

■人とのかかわりを大切に

  • 自分以外の人を優先/人へのセンシティビティー
  • 自らを知る/自分の得手、不得手、弱点を客観的に見つめる/自分に合わないことはしない、自分のスタイルで、しかし相手フレンドリーに
  • 単なる戦術ではなく、本当に関係する人を好きになる。知りたいと心から思う。人の貢献、良さを積極的に探す
  • 人と状況を徹底的に観察し、読み、最悪を想定して対処する/相手の立場に立って、人のことを良く考える(特に自分や状況に抵抗感を持っていることを想定)/甘く考える、KY、自己陶酔を排除・・・・・嫌われている、敵対的状況を想定して言動をコントロール
  • Gainより Giveを先行/人にサービスできることの喜びを知る/見返りを期待しない/多くの場合、結果は自分にプラス
  • 人ができることは、人に花を持たせる。自己が貢献できることに集中/何が自己の役割なのか、常に考え行動する
  • “自分にとってメリットのある方”よりも、弱者、逆境にある方に誠実に対応/(逆に、偉い方への徹底フォローは弱い)
  • 相手の期待を、常に大きく上回る
  • 自分のアジェンダよりも、常に相手の信条、心理を理解し、Positive reinforcement
  • 人の喜びが自己の最大の喜び
  • Noblesse oblige

■考えに考え抜く、悲観を通じて楽観

  • 最悪を想定し、ボトムラインでどうするか(悲観)の覚悟をすることから、”何とかする” “何とかできる”(楽観)という感覚と、思い切った行動を醸成/甘さは徹底的に排除/常に、結果は想定より良い
  • 人の数段階先、”考え過ぎ”位まで、深く考え尽くす
  • 常に物事の”意味”を考える:考えることが好きになる/”Implication”で記憶する、整理する/一見関係の無い事象、現象、業界から、意味を見出す/”Analogy”がCreativityの源泉

■スピード。先手必勝。待たずに行動する。結果や反応を冷静に検証し、意味を考え、軌道修正/行動検証型行動管理

■精神の安定/ハイの時に自分を抑える。そうすれば落ち込みが少ない

■現状に満足しない、安住しない

  • 常に更に上を目指す/地位等ではなく、人間としての成長、自己の貢献度、人に対してできること
  • 二年おきぐらいに、自らに新しい背伸び、チャレンジを課す/マンネリの排除

■狭量にならない。Flexibility、相手や状況に合わせる柔軟性/多くの場合、正しいことは一つではない/但し、自己のPrincipleには忠実に

■謙虚さ/人の良いところを見る。何からでも学ぶ

■PMA

  • 物事、他人の良さの積極的発掘
  • どんなことでも、どんな事態でも好きになる・・・・・自分を乗せてやる
  • 悲観的コンティンジェンシーを準備し、楽観的に、大胆に、スピーディーに行動
  • 失敗は良く考え抜き、超える、くよくよしない
  • 自分の幸運を信じる

■Principle/媚びない。しかし人を暖かく見る

■高い志。強い意志

■己を知り、独自の工夫。(3時起床、夕方で仕事を終える、自己研鑽、自由の担保、趣味は意味を考えること)

■日本人であることの誇り

  • 日本人、日本社会を知る。考える
  • 世界のトップクラスの人材に迎合せず、何が正しいかで常に言動。同時に、彼らのゲームの中でも力を発揮し、認めさせる

こんなことを考えながらプロとして40年間生きてきました。
皆さんも自分なりのものを考えて、プロとして日本人がグローバルに強くなっていくことのお手伝いをしていただきたいと思います。

質疑応答(一部抜粋)

投資先を厳選しているが故に、高いパフォーマンスを上げられる一方、限られた企業にしか支援ができないという現実があるということですが、例えば敵対的買収もしていくことなどで投資先を広げれば、より多くの企業へ支援できるとも思われますが、その点についてどのようにお考えですか?

ベインキャピタルは、倫理規定があって敵対的買収は一切できませんしやりません。原則、現職のマネジメントの了解・サポートがあるところ以外には投資をしません。また、確かにもう少し基準を緩めれば、波及効果は広がるかもしれません。

しかし、投資をするのが重要なのではなく、投資した企業が大きく飛躍することが大事なのです。基準を曲げてしまってはすべて崩れてしまいますから、それは致しません。

ただ、他にもやり方はあるかもしれません。IRRのターゲットも下げ、長期の投資としてより多くの企業へ支援を行う仕組み、和製の投資ファンドのようなものが今とは違った形でしっかりと作れれば、より波及効果のあるものができる可能性はあります。ただし、人材やノウハウを含めた質の管理ができるかどうかは大きなチャレンジです。

保守的な日本の企業を変革していく上では苦難も多いのではないかと思いますが、どのように変革してこられましたか?

まず、日本は実は保守的というほど保守的ではなく、「自分たちは保守的である」という意識や目的もないが結果的に保守的に見えてしまっているというだけであると思います。何故そうなるか。

それは、自信がないからです。

だから、多くの場合「こんな可能性がある」という議論をしっかりと行います。そして、「こうしたらできる」というように可能性を信じることができる人と変革を進めるのです。そして、一つ一つ変革の成功体験を積み重ねていくことにより、自信を持ってチャレンジを持っていただくように心がけています。

日本ではベンチャーが育っていないのが一つの問題であると思いますが、一方で、日本では大企業がもっと頑張ったほうがよいとも思います。そもそもベンチャーを育てる必要があるのでしょうか?また、何が問題で育っていないのでしょうか?

既存の大きな企業が活性化してグローバルで強くなるということと、ベンチャーが活性化して、育つことと、両方大事だと思います。どちらか一方で良いとは思いません。

そもそもベンチャー・キャピタルの歴史をひも解いてみると、80年代から90年代のVCファンド、そのほとんどが今なくなっています。これは、ベンチャーに投資し育てるということが、いかにリスクが高く難しいかを物語っています。どうなるかわからない新しいものについて目利きをするというのは、極めて難しいのです。一方、PEファンドの場合は、それなりのトラックレコードを持った会社に投資をするので、こうすればこうなるというのが概ね見えます。

また、私見ですが、日本人の特性として、新しい奇抜なイノベーティブものを考えるのが得意なのか、ある程度できたものを大きくするのが得意なのか、それとも出来上がったものをもっと効率良くするというのが得意なのかと考えると、少なくとも最初のイノベーティブなシーズを生むところではない気がします。それよりも、シーズは日本のものでもイスラエルのものでもかまわないので、もう少し大きくなってきたところに対して目利きをし、日本人が得意な「より顧客フレンドリーにして、効率化して事業を育てて行くところ」に特化してやったほうがよい気がします。そして、それはぜひ日本がやるべきだと考えます。

信条の中には、元来持っていたものと、後に意識して身につけられたものとがあるのではないかと思うのですが、後に意識して身につけられたものは、どのようにしてそれをなさるようになったのか、教えてください。

このような「信条」を考えるようになったきっかけは、大きく分けて二つあります。ひとつは、小学校の時に、担任の先生が「クラスで最も嫌いな人は?」のようなアンケートをやって、一番になってしまったことです。これはものすごくショックでありインパクトがあって、以来、人とか自分とかについて、真剣に考えるようになりました。

もうひとつは、27歳で中小企業の社長をやったことです。高卒、中卒の方がほとんどという80人の町工場ですが、社長就任のとき、工場の二階の食堂で社員に挨拶をして、ビールをついで回りました。その中に一人、「お前の酒など飲めるか!」と言って注がせない社員がいました。「前の社長には世話になったが、英語ができるだけのお前の何が偉いんだ。」というようなことを言われました。これが骨のある、力のある社員で、この社員との人間関係を作るのに半年かかりました。

そんな、自分とは違うタイプの人がたくさんいて、そんな人たちが日本を支えているということに気づき、自分と違うタイプの人たちを理解する必要があると思ったのです。あとは、自分も周りも観察し続けるようになりました。すると自然にああすべきだ、こうしちゃいけないと考えるようになりました。他にも、反面教師から学んだということもたくさんあったと思います。他にも、母方の祖父から、「人に何かして差し上げるときは、自分がやりたいからやったのだと自覚しなさい。見返りを期待してはいけない」というようなことを学びました。

ベインアンド・カンパニー社(コンサルティング)との協業や相乗効果があるのかについて教えてください。

もともと発祥はベインアンド・カンパニー社なので関係は深いし、カルチャーは似ています。仲間であり遺伝子も似ているのでシンパシーはあります。ただ、今は(SECの関係もあって)資本関係は持てませんし、ありません。また、相乗効果という点については、なくはないでしょう。例えば、投資はできないけどコンサルティングは必要というようなクライアントを紹介することはあります。しかし、他のコンサルティング会社を紹介したほうがよいと思えば他社にも発注しますし、あくまでもプロ同士、そこは線を引いてやっています。

信条について、常に悲観的に考えてやっているというなかで最終的には楽観的になれるというのは、やはり自信が有ってのことかと思いますが、その自信はどのように形成されたのでしょうか?

今でも(大学を)卒業できない夢を見るくらいですから(笑)、昔から自信があったわけではないですね。やっているうちに自信がついてきたのだと思います。また、どうしたら良いかを(悲観的に最悪のケースを想定しながら)考えると、なかには考え尽くしても「自分ではどうしようもない」という結論にたどり着くことがあります。

その時は、最悪のことが起こったら、自分ではどうにもコントロールできないこととして諦める。そうすると、最悪の時の覚悟ができるので、楽観的になれる。経験的には、最悪のケースまで想定しておくと、最終的にはもうちょっとましというところで終わっています。或る意味、最悪のところを考える深さがかなり深いということかもしれません。

MBAで学んで、今の今まで役に立っているということがあれば教えてください。

私は大学院からいきなりビジネススクールに行きましたので、知らないことを学んだというのはとても多かったのですが、それをその後使ったかというと、そうでもないかもしれません。それ以上に良かったのは、やはり、非常に優秀な外国人たちと様々な議論をし、「そういう風に考えるのか」というような学びがあったことです。

また、語学も学べましたが、本当にうまくなったのは、その後ビジネスで使ってからです。語学もそうですが、喧嘩しないとうまくならない。学校では喧嘩をしないので、本当に語学もうまくなりたければ、その後、英語環境で仕事をし、(英語で)喧嘩をすることです。

ジョブフェアに参加して~参加者の声~

  • 非常に有意義でした。ありがとうございました。
  • 企業の人事の方とじっくりお話が出来てよかったと思います。
  • プレゼン、ブース、それぞれ非常に有用でした。
  • いろいろな企業の話が聞けてよかったです。具体的にインターンの内容などもわかったのでよかったです。
  • ブーズのみの時間がもう少しあると良かったです。
  • 直接社員の生の声を聞けたのは参考になった。
  • オープンに企業と話せて大変有意義な場を提供いただきましてありがとうございました。
  • 日本人学生の少なさをを感じさせられた。
  • 非常に効率的に情報を得ることが出来ました。
  • 基本的な情報を得るのに有効だった。
  • ずいぶん、人数が少ないと感じた
  • ありがとうございます。
  • 留学後のビジョンを描くのに役立ちました。
  • 各社の話を聞けて非常によかった。
  • 様々な企業の方と話すことができ、各企業の印象を知れて、今後の自分のキャリア形成のためになった。
  • Good!
  • 各企業が求めている人材像がわかり、MBAで何を学んでくるべきかが明確になりました。参加されている企業数が少なかったのは残念ですが、一つ一つの企業に詳しくお話を伺うチャンスがあり、大変良い機会でした。
  • 参加企業の方と話すことで、留学中に大切にすべきことを確認できて有意義だった。
  • 素晴らしい機会を与えてくださったことに感謝します。

参加者の皆様から、来年参加される後輩へのメッセージ

  • この機会に参加するべきです。キャリアの視点、MBA2年間の活動予定内容の視点に深みと広さの違いが出ると思います。
  • 参考になりましたよ。
  • 二年制の人は就職への意識が低いので早めにこういった会に参加しておくといいと思う。
  • 就職活動のスタートにおすすめ!
  • 知らない企業と出会えるチャンスなので参加すべきと思います。
  • 改めて、自分のやりたいこと、向いていることを見つめなおす良いきっかけになると思います。

以前のジョブフェア参加者からのメッセージ~

  • 想定外の企業と出会い、インターンシップを受けることができました。その後フルタイムのインタビューを受け、結果としてその会社に入社することに決めました。留学は単なる夢ではなく、ビジネスの現実をしっかり理解し、自分の中の「価値観」を磨くことであると渡航前のタイミングで気付けたことが、ジョブフェアに参加した何よりの収穫だったと思います。
  • 外資系企業の求める人材、コンサルタント会社が求める人材がどのようなものなのか、しっかり留学前に知ることができて気合いが入りました。その「目線の高さ」を理解することができ、留学期間中の励みになったと思います。モチベーションを高く持ち続けられたこともあり、卒業後には志望していた外資系戦略コンサルティングファームでオファーを頂くことができました。ですが、入社がゴールではないので、常に「目線の高さ」を維持・向上できるようにしたいと思っています。
  • 多くの採用ご担当者は、金融であれ事業会社であれ、売り手市場となっても、やはり能力やスキルだけでは計れない、より優秀な人材を求めていることが良く分かりました。売り手市場と高をくくっていた自分の認識の甘さに気付かされました。就職活動・インタビューが本格的に始まる2年生の秋までに、真剣に自分の希望を理解しておくこと、そして自分なりのキャリアの考え・プランを持つ必要があることを知りました。MBAならどんな業界でも可能性があるという曖昧な話ではなく「この会社ならこんな人を求めている」という企業の本音を知ることが現実を知る第一歩だと思います。
  • もっと多数の企業の本音を知りたかったです。しかし、日本ではまだまだMBAらしいキャリアパスを提供可能な企業が少ないことを理解できました。このようなイベントが盛んになり、MBAを理解している企業の参加をもっと呼び掛けてほしいと後輩の方たちのためにも希望します。海外に留学してしまうと、どうしても日本の市場の変化を細かく知ることは難しく、現地に行く前に企業の生の声を聞けたことで、留学中の活動パターンを立てられたのは良かったです。
  • 自分以外のMBA合格者(つまり競争相手)が、どのような業界を希望しているのかを知ることができました。他の人と同じキャリアパターンを選択することは、逆に非常にリスキーだと考えており、採用企業の情報はもちろんのこと、同期のMBAたちの動向を自分の目で見られたのは有意義でした。

渡航前のお忙しい中、貴重な時間を割いてご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。 アンケートにご協力頂きました皆様のお声を大切にし、今後の運営に反映させていただきます。
今回のジョブフェアの内容が、これからの皆様の展望を実現させるために、少しでもお役にたちますよう願ってやみません。
皆様お一人おひとりの留学生活が、充実したものとなりますよう、心よりお祈りしております。

株式会社アクシアム スタッフ一同

開催概要

日時:
2010年5月29日(土) 10:00~17:00(9:40開場)
最寄駅:
東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」より徒歩2分
定員:
100名
参加費:
無料
主催:
株式会社アクシアム

開催概要

  • 2010年5月29日(土) 10:00~17:00(9:40開場)
  • 泉ガーデンギャラリー(港区・六本木) http://www.bellesalle.co.jp/izumig_gallery/access.html
  • ◎最寄駅:東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」より徒歩2分
  • 定員: 100名
  • 参加費: 無料
  • 主催: 株式会社アクシアム

講演者/パネリスト 略歴

ベインキャピタル・ジャパン 会長兼シニアエグゼクティブ
堀 新太郎(ほり しんたろう)氏 プロフィール
堀 新太郎(ほり しんたろう)氏【学歴】
1971年 早稲田大学理工学部工業経営学科卒業
1974年 マサチューセッツ工科大学(MIT)経営科学修士
 
【職歴】
1974年マッキンゼー&カンパニー ニューヨーク事務所にコンサルタントとして入社。その後2年間同社を退職して社長として中小企業の事業再建の仕事に従事した後に、同社に復職。1981年 異例の速さでパートナーに就任。大阪事務所の開設等、草創期の同社を牽引する。その後、ビジネスディベロップメントアソシエイツ 代表取締役、UCC上島珈琲株式会社 取締役副社長を経て、1991年ベイン・アンド・カンパニー日本支社にディレクターとして参画。2004年 代表パートナー、2006年に会長兼パートナーを歴任し数多くの企業戦略に携わる。2007年4月より現職。ベイン・アンド・カンパニー名誉顧問/UCC上島珈琲株式会社監査役/世界三極委員会 アジア太平洋委員/経済同友会会員。この他にもハーバード大学、シカゴ大学等の大学・大学院や企業内、産業人セミナーなどでの講演も多数手がける。「日本企業 進化の条件」、「プライベートエクイティ 6つの教訓」の監訳他、著書監訳書多数。

お問い合わせ

本イベントについてのお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。

株式会社アクシアム イベント事務局
Email:event@axiom.co.jp