転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第244回
2025.03.06

転職して半年で配置転換に。再度活動したいが、さらに転職回数が増えるのが心配で…

現在32歳、転職してスタートアップの新規事業開発ポジションに就き、半年が経過したところです。しかし、経営状況の悪化から新規事業への予算が削減されて異動を命じられたので、再び転職することを検討し始めました。ただ、転職して半年という短期間で再度活動を行うということ、また、じつは現在の会社で4社目となり前職は1年で転職をしています。それぞれ理由はあるのですが、転職回数が増えてしまっていることも気になっています。現職の事業内容や会社の雰囲気は好きなのですが、自身のキャリアの軸を新規事業開発で作っていきたいと思っており、どうすべきか悩んでいます。

Answer

短期での転職になること、また転職回数が気になっているという2点がポイントですね。先月のコラムにも重複する部分がありますので、そちらもよろしければ参考になさってください。

結論としては、「転職活動をして満足のいくオファーを得られたら転職。そうでなければ現職(希望する新規事業開発職でなくとも)で成果を出すことについて、前向きに考えてみてください」というのが私からの助言になります。

まず短期での転職に関しては、「なぜ短期での離職になるのに転職を考えているのか?」を採用側は気にします。その理由が、納得感のあるものなのかが重要です。今回の場合、「現職の状況からすると、スタートアップということも踏まえて異動も致し方なし」と捉えられることもあれば、「個人のキャリアなので転職を考えるのももっともだ」と捉えられることも考えられます。それだけに企業側にどのように伝えるかがポイントになりますので、ぜひ採用企業の目線でチェックしアドバイスができるキャリアコンサルタントにご相談されることをお勧めします。

そして転職回数が増えてしまうことに関してですが、転職を重ねていてもしっかりと成果を出していれば、そこまで問題にはなりません。転職回数よりも、実績・成果に重きを置く企業も少なくないと思います。

ただご相談者の場合、ご年齢に比しての回数は多い印象を受けますし、前職が1年、今回が半年という短期間の勤務となり、その中でどのような成果を出したのかが評価の分かれ目になるでしょう。加えてこれまでのご経験・専門性・強みはどこかということを、しっかり精査されることになると思います。

短期での転職には、個人にはどうしようもない事情があり得ると採用企業も理解していますが、それが複数回続くことで、転職理由に対する納得感が下がってしまうことは否めません。そこで冒頭の結論に戻りますが、キャリアコンサルタントと綿密に相談をしながら転職活動をしてみて、手にしたオファー次第で転職をするのか、あるいは現職に残って成果を出していくことに集中するのか(現職が嫌で転職をしたいのでなければ)を検討いただければと思います。

これから30代後半、40代になると、重要なのは「何ができるか」「何をやってきたか」です。「何をやりたいか」だけでキャリアを作っていくことは、ハードルがかなり高くなります。キャリアのグランドデザインを改めて考えるという意味でも、早めにキャリアコンサルタントにご相談いただければ幸いです。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)