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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第243回2025.02.06
転職したばかりの職場のコンプライアンスに疑問が…すぐに退職&転職すべき?
転職して4ヵ月、念願だった仕事にキャリアチェンジし、新たな毎日をエキサイティングに過ごしています。その一方で、じつは職場でコンプライアンス的に問題と思われることが見えてきていて、上司や役職者にそれとなく相談しているものの、取り合ってもらえません。法令から大きく逸脱しているわけではないので、いったんは自分の個人的な見解と思うことにしたのですが、消化できない部分もあるため、このまま同社で働いていけるイメージがだんだんと持てなくなってきました。
もやもやした気持ちで働き続けるよりは、思い切って再び転職活動を始めた方がよいのではと悩んでいます。ただ、30代半ばでキャリアチェンジしたばかりであり、つぎに動くとなると短期間での転職となります。もう少し様子をみた方がよいのか、それとも転職活動を始めた方がよいのか…ぜひアドバイスをお願いします。
Answer
コンプライアンスに関わるというセンシティブなご相談ですので、本来なら実際にお会いして具体的にお話を伺い、その上で助言させていただきたいところです。詳細が不明のため、一般的な回答となりますことをご了承ください。
そもそもコンプライアンスとは、「法令遵守」を意味し、企業や個人が守るべき社会的ルールを指します。現在、企業に求められているコンプライアンスには、単に法律・法令を守るというだけでなく、倫理観や公序良俗などの社会規範に照らし、公正・公平に業務を遂行することが含まれています。昨今、株主や顧客が特に問題視するのは、ESGの中でも「S(Social=社会的課題)」に関係するコンプライアンスであるといわれており、企業経営において無視できない重要項目とされています。
さて、ご相談への回答ですが、結論から申し上げますと、あなたから見て現職のコンプライアンスが気になり納得ができないということであれば、転職を視野に入れ活動をしてみることです。
上司や役職者へ進言したものの取り合ってもらえないということは、あなたが問題と思われている点は、今後も変わらない状態が続くと考えられます。その中で仕事をしていくのは精神衛生上よろしくないですし、パフォーマンスにも少なからず影響が出るでしょう。活動することで、あなたが納得できる環境が見つかるかもしれません。
ただし、注意すべき点と、確認いただきたい点があります。
まず注意すべき点は、活動を開始するとしたら「転職理由」をどのように採用企業へ伝えるかです。短期間(4ヵ月)で転職を考えるのはなぜか? 当然、採用企業としては気になりますし、必ず面接の際に聞かれるでしょう。何らかの法令に違反しているわけではなく、あなたが感じる「感覚的」なことでしたらなおのこと、相手が納得できる内容でなければなりません。「それはあなたの考えと相違しているということでしょう」と受け取られ、「仮に自社に入社しても自分の考えと合わないと転職してしまうのでは」と思われて採用に至らない可能性も考えられます。
現在の会社に毀損を与えることは避けながらも、単に「コンプライアンスに問題を感じて」といった漠然とした説明ではなく、ご自身として「会社が倫理観や公序良俗にどう反していると考えたからなのか」について、社内の細かな内情等は注意深く省きつつ、説明できるように準備しましょう。そのあたりも、私たちキャリアコンサルタントにご相談くださればアドバイスさせていただきます。また別の進め方として、あくまで嘘はいけませんが、転職したいと考えるに至った他の理由について、ご自身の気持ちや考えを整理しまとめてみることもできると思います。
それから、確認いただきたい点というのは、新たなキャリア(現職と同じ業界・職種)で本当に今後のキャリア形成ができるか、についてです。現職へキャリアチェンジされたとのこと、異業界への転身で職種(職務内容)もこれまでとは異なると推察します。キャリアチェンジをされた方の中には、「やりたいと思っていた(憧れていた)業界/職務に就いたが、実際に働いてみるとキャッチアップできると思っていたことが、それほど容易にはできないと気づいた」と、理想と現実のギャップが顕在化して悩む方もいらっしゃいます。キャリアチェンジをしてエキサイティングに過ごせていると仰っていますが、少なからず戸惑いもあるのではないでしょうか。
30代半ばでキャリアチェンジを実現されたチャレンジ精神は素晴らしいです。リスクも覚悟して飛び込まれたと思います。それでも、仮に業界が異なれば慣習も特性も異なってきます。4ヵ月が経ち、想定外のことやこれまでとの違いに良くも悪くも驚くことがあるでしょう。憶測で恐縮ですが、もしキャリアチェンジした今の職務や環境で今後のキャリア形成は難しいと思う気持ちが強くなっているのでしたら、早く軸足を戻すことも勇気ある決断です。再び転職活動をされる場合には、この点、しっかりとご自身に問うて今後のキャリア展開についてお考えいただきたいと思います。
冒頭で、結論として「転職活動をしてみては」と申し上げましたが、まずは現状を整理してみることが先決です。
その上で、転職活動を考えている理由が企業の体質によるものなのか、ご自身とのキャリアのフィット感なのか、根本を見極めることが大事です。
そのためにも、できるだけ早く信頼をおけるエージェント(キャリアコンサルタント)と相談の機会を持つことです。開示できる範囲でコンプライアンス的に気なることも含めて相談し、現在の状況を整理してみるところから始めることをお勧めします。きっと今後の方向性や、行動するべきことなど今よりも明快に見えてくるはずです。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
大石 順子
株式会社アクシアム
エグゼクティブ・コンサルタント

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。