転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第240回
2024.10.03

外資系事業会社のCFO。スカウトの声がかかるが、職責や条件が曖昧で一歩進めない

現在52歳、日系大手企業に勤務後、海外MBA留学をし、卒業後は戦略コンサルティングファームへ転職をしました。そこで数年間コンサルタントを経験した後は、ある外資系事業会社に移りCFOを務めています。

ありがたいことにヘッドハンターの方々から色々とお声がけをいただき、お話を伺うのですが、ミッションや責任範囲、条件などについて曖昧なことが多く、なかなか企業側と直接話をしようというところまで考えられません。こういう状況は、よくあることなのでしょうか?

Answer

ご質問ありがとうございます。結論から申し上げると、ご相談者のようなCxOクラスの方へつぎのキャリア機会のご提案する場合には、そのようなケースがほとんどです。もし気になるようなオポチュニティがあれば、まずはぜひ直接企業側とお話をされ、対話の中で理解を深めるところからスタートしていただければと思います。

お声がけは恐らくCFOなどCxO求人のご提案かと推察します。採用主体者が誰なのかもポイントになってくるのですが、CxO やマネジメントクラスの場合、株主が採用をリードすることがよくあります。その場合、ある程度「こういうことをやってほしい」、「こういうことに強みを持っている人を採用したい」ということは固まっているのですが、それ以外のことは実際に面談をして、候補者の方の強みやご経験を考慮し、すり合わせをして決めていくことが多くなります。「候補者の方に、本当はこの部分までお願いしたいけれど、残念ながらそこのご経験はお持ちではない」ということであれば、その下にポジションを新たにつくって、カバーできる人材を採用するということもよくあります。

弊社もこのクラスの求人の場合、求人受託時に職務職責に関してできる限り詳細な情報をヒアリングし、候補者となりうる方にお伝えをするのですが、残念ながら全部の情報が開示されているケースは多くありません。ですから、まずはカジュアル面談、意見交換からスタートしていただくことをお勧めしています。

条件に関しても同様です。このようなケースでは、もちろん企業側には予算枠はありますが、職務内容や責任範囲を決めてから、交渉・調整をしていきます。特にスタートアップの場合には、ストックオプションなどの詳細も面談を進める中で確認いただく必要があります。

ここ数年で転職に成功された例としては、CEOでは6~12回、CFOやCOOでも3~6回の面談を通じて、前半では相互理解を深めながら期待役割の合意を目指しました。期待役割の調整・合意ができれば、後半は経済合理性のすり合わせを行います。基本給と賞与と役職、期待役割などがシンプルな部長クラスまでの求人とは、まったく異なるプロセスであり、成果報酬重視の報酬システムとなります。候補者の皆さんには負荷がかかってしまうことになりますが、私たちアクシアムでは、そのプロセスのあいだCandidate Firstでリード、フォローアップ、助言をし、転職成功まで伴走させていただいています。

繰り返しになりますが、ご相談者のようなCxOクラスの方の場合、すべての情報が事前に開示されているわけではありません。ただケースバイケースですし、あまりにも曖昧な情報ではいきなり応募とはいかないと思いますので、まずはカジュアルに話をする機会を設けてもらうなど、進め方はぜひ担当キャリアコンサルタントまでご相談ください。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)