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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第214回2021.05.13
憧れていたファームとスタートアップからオファーが。将来の起業にはどちらが役立つ?
大学卒業後、日系大手通信業で10年勤め、いずれ起業を考えています。年齢も考慮し、以前から憧れていたコンサルティングファームと、起業を視野に入れているためスタートアップとの両睨みで転職活動をしてきました。運よく、そのファームとスタートアップの両方からオファーが出てきたのですが、意思決定の際に気を付けるべきポイントを教えてください。
Answer
コンサルティングファームに以前から憧れていらっしゃったとのこと、そのような企業のオファーを手にされたのは大変喜ばしいことです。また、いずれ起業をお考えの中で、スタートアップからもオファーが出たというのも素晴らしいですね。
結論から申し上げると「どちらでも、いい経験が積める」ので、担当のキャリアコンサルタントと細かく相談をして悔いのない意思決定をしていただければ…というのを前提に、私の個人的な意見をお伝えします。ご入社後に“どれくらいバリューを出せるか?”という点について、自信をお持ちなのであれば、私はスタートアップを推したいと考えます。
いずれの企業にも中途採用で入社することになりますので、企業側からは即戦力としての働きを求められます。ただ、コンサルティングファームはコンサルタント職が未経験ということであれば、まずは早期に独り立ちすることが求められ、そのために一定の学ぶ期間があるとも考えられます。それが3ヶ月なのか、半年なのか、1年なのかはファームによって異なります。ざっくりと申せば、コンサルタント職とは、経営課題の解決を支援するお仕事になりますので、実際にご自身が経営者となった際の特訓を積む、疑似体験をするという意味で、いいご経験を積んでいただけるのではないかと思います。
ただし、恐らくクライアントはコンサルティングフィーが支払える企業=大手企業がメインになると思います(もちろん、中小・中堅企業がメインのファームもありますが)。また、そのファームが得意とする事業領域も気になるところです。クライアントの状況がベンチャーとは異なりますので、そこで身につく経験がどこまで起業の際に転用できるかは留意すべき点でしょう。
一方、スタートアップでは、業界や商品に関する知識などをインプットする時間は想定されていると思いますが、立ち上がりに半年や1年も時間がかかることは想定されていないでしょう。つまり、より即戦力として活躍することが求められます。ご自身の成果がストレートに経営や事業の拡大に影響を与えることになり、その意味では、よりやりがいや手触り感を得られると思います。また、起業をするにあたって実際に何が必要になるのか体感でき、スタートアップのコミュニティに自ら飛び込むことで得られる経験やネットワークも価値があるでしょう。(私が個人的にスタートアップを推すのは、この点が大きいと考えるからです。)
しかしながら、憧れだけでスタートアップに行くのも危険です。上記の観点では、行くだけで意味はあるように思えますが、現職のように整っている環境ではなく、自らが行動しないと何も始まりません。「これしかできません」というタイプよりも「何でもやります」というタイプが求められますので、これまでのご経験がそのまま生かせないことも多いと思います。恐らく「こんなはずじゃなかった」と思う時もあるはずです。前述の裏返しになりますが、ご自身が成果を出せなければ、会社そのものがなくなってしまうこともあるのです。
以上のように考えると、「まだ修行をしたい」と思っていらっしゃるのであればコンサルティングファーム、「早く起業に向けて踏み出したい、成果を出す自信もある」と思えるのであればスタートアップといったところでしょうか。もちろん、それぞれリスクはありますし、個別事情によってもアドバイスは変わってきますので、まずはぜひ、キャリアコンサルタントにご相談いただければと思います。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
伊藤 嘉浩
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント
2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。
日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)