MENU
- MBA転職・外資系求人(HOME)
- 転職コラム
- ”展”職相談室
- メガバンクの法人営業で10年。事業会社への転身は何歳がタイムリミットか?
転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第209回2020.09.03
メガバンクの法人営業で10年。事業会社への転身は何歳がタイムリミットか?
現在、33歳です。新卒でメガバンクに入行し、以来、法人営業職を10年以上経験してきました。中小企業の社長と話をするのは面白く、今の仕事には適性ややりがいを感じており、同世代の中では報酬もそれなりにもらっていると思っています。ただ、現職を続けたいと思う一方で、将来は事業会社で働きたいという思いもあります。そこで先輩に相談したところ、「事業会社に転職するなら、そろそろだぞ」と言われました。先輩の言うとおり、事業会社に転職したいのならば、もうタイムリミットが来ているのでしょうか? それとも今の仕事をもう少し続けてからでも、事業会社への転職を果たせるものでしょうか?
Answer
このようなご質問は、銀行に在籍されている方から割合よくいただく疑問・お悩みです。
私は「もう数年、現在のお仕事を続けてから事業会社を狙うこともできるとは思いますが、確実に事業会社に転身したいのであれば、33歳というのは本気で転職を考えるべきタイミングではないか」と考えます。
金融業界というのは長く在籍する分だけ「金融色」が濃くなるもので、金融以外の業界に行きづらくなるのが実情です。新卒から40歳までメガバンク一筋でキャリアを積み、40歳を超えてほかの業界にチャレンジしたいと考えた方が、転職に大変ご苦労なさるようなケースを多く見てきています。これはメガバンクに限らず、信託銀行、保険会社、証券会社など、ほかの金融業界でも同様であるように思います。
銀行での法人営業経験が長い方は、財務諸表は読めるし、中小企業の経営者が考えていることや、中小企業の経営そのものについても知識・理解のある方が多いです。しかしながら、仕事をする立場の違い(金を貸す/借りる)や事業特性、会社規模、仕事の進め方などの違いが理由で、金融一筋で来られた(特にシニアな)方については選考側の事業会社の目線が厳しくなりがちです。そのような場面を我々キャリアコンサルタントは度々体験しており、ご紹介先がなかなか見つからない…ということになってしまうのです。
また、現在の年収は1000万円程度かそれ以上になっていらっしゃることと拝察しますが、ご存じの通り、銀行と事業会社は年収構造が異なります。現在の年収を維持することにこだわりすぎると、事業会社への転職はうまくいきません。事業会社に転身したいならば、場合によっては年収を一時的に700~800万円程度に下げる覚悟もお持ちいただき、年収よりも職務内容やキャリアの広がりを重視してお探しになることをお勧めします。33歳で違う業界にキャリアチェンジするのですから、「授業料として年収を下げてでも機会を取りに行く」という気持ちを持っていただきたいのです。その結果、もう少し上の金額を出してくれる企業があればラッキーだ、ととらえるぐらいが良いと思います。
新卒でせっかく入校されたメガバンクの地位を捨てるはなかなか勇気のいることですし、ご結婚されているのであればご家族(時にはパートナーだけでなく、パートナーのご両親などからも)から反対されることがあるかもしれません。その意味でも、相応の覚悟を持っていただく必要があります。
また金融業界に限った話ではありませんが、40歳まで(時には30代後半ぐらいまで)転職経験がないというのは、「他の企業になかなか馴染めないのではないか?」とみられ、マイナスに働くことが多くなります。ですから、ご自身の年齢とマーケットのニーズは、常に意識していただきたいと思います。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
若張 正道
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント/人材紹介事業推進マネジャー
大学卒業後、大手食品商社の営業部門からキャリアをスタート。人材サービスに関心があったことから、2001年、アクシアム入社。新規事業であるMBAをメインとしたネットリクルーティングサービスの立ち上げに参画。無事にローンチを果たし、その後は人材紹介事業推進マネジャー 兼 エグゼクティブ・コンサルタントとして、ハイエンド人材の展望ある転職=「展職」を支援している。