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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第208回2020.08.06
強みである「新規事業開発職」から急な配置転換。短期間での転職になるが…
今年の4月から新しい会社に転職した31歳です。大学卒業後3社を経験し、一貫して新規事業の立ち上げで実績を積み、現職にも新規事業開発担当として入社しました。ところが、新型コロナウイルスの影響で事業計画を見直すことになり、既存事業の営業担当になってしまいました。
今後もやはり新規事業開発に携わっていきたいですし、自身の強みを活かすこともできないため、短期間での転職を考えています。この場合、気を付けておくべきことは何でしょうか?
Answer
最近、このようなご相談を多く受けるようになりました。新規事業のほかにも海外展開を取りやめる企業があることを多く耳にします。もし、このような急な事業の見直し・不本意な部署への異動といった状況にご自身が当てはまると思われるようであれば、何よりもまずは担当のキャリアコンサルタントまでご連絡ください。
今回のご相談者のような状況で、気を付けなければいけない点は下記になります。
1.(ご自身でも指摘していらっしゃるとおり)短期での転職になること
2.つぎの転職先(他社)は、このような情勢下でも本当に「新規事業」を進めるのか
3.今後のキャリアを考えた際、「転職」がよりよい解決になるのか
1.短期での転職になること
転職理由として、客観的にみて納得できるものであるかが重要になってきます。ご入社から約4カ月とのことですが、会社によってはまだ試用期間中です。短期での転職の場合、採用側は「なぜ短期で辞めるのか?」という点に対して、どうしてもシビアになることは否めません。ですから転職を決意された場合には、しっかりとした理由付けと、真摯な説明が必要になります。
なお、いかなる理由であったとしても、短期間で転職しようとしている人は採用対象にしないという企業もあります。こういった企業は、ご相談者とは合わないと思っていただいた方がいいと思います。ご相談者が大事にしたいものと企業が大事にしたいものが違うわけですので、もし入社されたとしてもお互いにどこかを我慢しなければいけなくなるためです。いわゆる「価値観がフィットしない」ということです。
2.つぎの転職先(他社)は、このような情勢下でも本当に「新規事業」を進めるのか
現在のような状況において、新規事業開発についての考え方は企業によって様々だと思いますが、同じように事業を見直している最中であることも容易に想像できます。もちろん、業績が伸びている/影響がない、資金調達ができているなど、新規事業を積極的に立ち上げていこうという企業はあります。ただ、同じ業界や同じようなプロダクト、サービスを提供している企業に転職しようとする場合、現職企業と同様の考え方であったとしてもおかしくはありません。今は進めようと思っていても、3ヵ月後にはストップすることもあり得ます。その点を理解された上で、転職のお話を進めることが重要です。
3.今後のキャリアを考えた際、「転職」がよりよい解決になるのか
今回は短期での転職を検討されるということですから、つぎこそしっかりと成果や実績を出す必要があります。つぎも短期で…となると、たとえ10年後でも必ず「ここはなぜ2回連続で短期の転職をしているのだろうか?」と採用側は感じるということをご留意ください。
また、外部環境から新規事業開発を中止するということですので、現職の企業でも環境が改善されれば再開される可能性があります。「いつか再開されるからそこまで待ちましょう」とは申し上げませんが、待つという選択肢も持っておくことが大事です。実際に「本当に転職しても良いと思える案件であれば積極的に話を聞きたい」と仰っていた方が、現職での新規事業開発が再開されたため、転職活動を中止されて残られた例があります。
ただでさえ、先が見えないこの状況の中、会社方針が変わることも多いと思います。必ずしも転職ありきでなくて結構ですし、この機会にキャリアマーケットについてキャッチアップしておこう、というものでも結構です。少しでも疑問や不安なことがございましたら、担当コンサルタントまでお気軽にご連絡ください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
伊藤 嘉浩
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント
2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。
日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)