転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第207回
2020.07.02

after/withコロナの状況下で、スタートアップへ転職することに気をつける点があれば教えてください

あるスタートアップからオファーをいただきました。ほぼ、オファーを受けることに決めているのですが、afterコロナ/withコロナという状況がこれからも続く中で、少しだけ迷いがあります。このタイミングでスタートアップへ転職することは問題ないでしょうか? 最後の意思決定をする前に、気をつけるべきことなどがあれば教えてください。

Answer

スタートアップ企業からのオファー、おめでとうございます! もちろん転職には(ベンチャーの場合にはなおさら)リスクはつきものですが、すでにお気持ちは固まっているようですので、確認の意味で以下の3つの視点で改めて考えてみることをお薦めします。

(1)転職先企業のデューデリジェンス

当然、そのベンチャーについてしっかりと調べ、疑問点を確認してクリアにされていると思いますが、客観的な視点と主観的な視点でもう一度確認してみてください。
・そのベンチャーのビジネスモデル、提供するサービスもしくはプロダクトの差別的優位性はあるか
・株主は誰か、どのようなファンドが投資しているのか、それらが投資する理由は何か
・創業者(経営者)の事業への見立てや、事業へ取り組む本気度、志向性、パッションに共鳴できるか

(2)あなたがスタートアップへ転職する理由(原点回帰)

なぜ「スタートアップへ転職したい」と思ったのか、何をやりたいのか、何を実現したいのか。いま一度、ご自身の中で整理しておきましょう。あるいは、どのような仲間とやりたいのか。新天地となるスタートアップの創業者やメンバーの方々と共に、この事業を成功させたいと思えるか。わくわくするか、心から納得しているか…など、ご自身の中で確認できていれば、不安も和らぐと思います。

(3)やり抜くためにどうすればよいかを“考え、動いてみる”こと

オファーが出たということは、企業側も「創業メンバー」としてあなたと一緒に事業を創り上げていきたいと思われているはずです。ご入社後、任されたお仕事に邁進いただくのは勿論ですが、それ以外でも事業がうまくいくために必要なことには何でも(他のメンバーと対話を重ねながら)主体的に取り組むことが重要ではないでしょうか。職責の範囲に関わらず、成功のために“考え続け、主体的に取り組む”覚悟を持ってください。

不確実な要素の多い情勢下で転職をする際には、もちろん、考えられるリスクへの対応は必要です。ですが、COVID-19関連のリスクを恐れるばかりではなく、リスクと共生し、事業を進めていくために知恵を絞ることに注力していただきたいと思います。誰も経験したことがない状況下で、新たな事業の在り方、進め方を創っていける素晴らしいキャリアのチャンスであるとポジティブに捉えてはいかがでしょうか。

万一うまくいかなかったとしても、そこから得た学びは大きな財産となり、必ずや次に活かせます。このタイミングだからこそ、スタートアップへ決めたあなたの決断力に、一人のキャリアコンサルタントとして心からエールを送りたいです。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

大石 順子

株式会社アクシアム 
エグゼクティブ・コンサルタント

大石 順子

大学卒業後、日系消費財メーカーに14年間在籍。その後、マーケティング・コンサルティングファーム、人材育成コンサルティング会社にて、顧客視点のマーケティング(リサーチ&商品開発)、新規事業戦略立案や新商品開発、CS調査・課題解決に携わる。2005年、アクシアムに参画。自らの展望を叶え、現職へ「展職」を果たした。“転々とする転職ではなく展望ある転職=「展職」を”という理念のもと、約10年間、キャリアコンサルタントとしてハイエンド人材のキャリア形成をサポート。キャンディデートひとりひとりの展望を実現すべく、その思いに寄り添った丁寧かつ的確なコンサルティングを提供中。