MENU
- MBA転職・外資系求人(HOME)
- 転職コラム
- ”展”職相談室
- 昇格を目指すか、転職するか、どちらにメリットがある?
転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第200回2019.11.07
昇格を目指すか、転職するか、どちらにメリットがある?
戦略コンサルティングファームでコンサルタントというタイトルで働いており、現職ではもうすぐ丸3年が経ちます。先日、会社から「そう遠くないうちにマネージャーに昇格させる」という話をもらいました。コンサルタントという仕事は忙しいですが、自分に向いているし楽しくやりがいを感じています。
一方、同じく戦略コンサルティングファーム出身で、現在は著名ベンチャー企業で働く友人が「とても楽しい」と話をしているのを聞き、自分も事業会社への転職を強く意識し始めました。転職サイトにも登録をしており、たびたびエージェントや求人中のベンチャー企業から魅力的な案件を案内されるのですが、いま転職しないと今後このような案件に出会えないかもしれないという不安を持つようになりました。声がかかる今のうちに、思い切って転職すべきでしょうか?
Answer
現在、お忙しくも仕事を楽しめていて、充実されているご様子ですね。現職で活躍が認められてマネージャーへの昇格の話が出ているというのも良いお話です。
現在、求人案件数はとても多く、良い案件のスカウトがかかりやすい状況となっています。現職で充実されていても、面白そうな案件で声がかかると「ちょっと話だけでも聞いてみよう」と心が動くのは当然のことです。今のような状況下では、自分はいつまでも声がかかり続ける側だと信じてしまう方が多い中、あなたは「魅力的な案件がいつまでもあるとは限らない」という冷静な視点をお持ちです。かつてのリーマンショックの時も、起きる直前は求人案件数がかつてないほど増加をしていました。しかし、ショック直後には大幅に減少したことを私もよく覚えています。
戦略コンサルティング業界もやはり採用活動は積極的で、常に募集をかけている状況です。コンサルタントという職は引き続き人気職種であり、志向される方は多いのですが、門戸がかなり広がったためコンサルタントになれるチャンスは大きいです。よって、いまマーケットには実にたくさんの戦略コンサルタント(過去在籍した方も含む)がいらっしゃいます。その分、戦略コンサルタントとしての希少性は以前よりも下がったといえます。
メジャーな戦略コンサルティングファームに在籍している(した)だけでも評価され、多くの企業から声がかかると思いますが、逆に「コンサルタントとして何をしたか」「どのような活躍をしたのか」をシビアにみる企業も最近は増えました。他のコンサルタント経験者と比べて何が違うのか、差別化できているのかといった視点で書類審査がされ、面接の場でさらに深堀りをされます。
今回のご質問に対しては、「今すぐの転職は思いとどまって、マネージャーへの昇格を目指してみては?」というのが私の回答・考えです。コンサルティングファームの中でプロモーションできたのかどうか、入社当時から年収がどのように変遷したのかは、その方の活躍を示すものであり、コンサルタント経験者の中でのわかりやすい差別化指標となります。コンサルタントとして丸3年間務めてマネージャーへ昇格し、さらにマネージャーとしてプロジェクト管理業務を行ったこと、そしてマネージャーとして体得した視座などをレジュメにしっかりと書けるようになってから転職活動をするのと、いますぐ転職活動をするのでは、選考が進むポジションにも違いが出ると予想します。
マネージャーに昇格してから転職をされる場合、マネージャーとしての経験を加えることになるので、今から2-3年後かもしくはもっと先になるかもしれませんね。その頃に今と同じく求人案件数が増加をし続けているのか減少しているのかはわかりませんが、少なくともマネージャー業務を経ることで、あなたの市場価値は大きく上がるはずです。そちらに賭けてみる価値はあると思います。
特にあなたの場合、今の仕事にやりがいを感じて取り組まれているので、なおのこと転職を急がずに現職で市場価値を高める選択をお薦めします。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
若張 正道
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント/人材紹介事業推進マネジャー
大学卒業後、大手食品商社の営業部門からキャリアをスタート。人材サービスに関心があったことから、2001年、アクシアム入社。新規事業であるMBAをメインとしたネットリクルーティングサービスの立ち上げに参画。無事にローンチを果たし、その後は人材紹介事業推進マネジャー 兼 エグゼクティブ・コンサルタントとして、ハイエンド人材の展望ある転職=「展職」を支援している。