MENU
- MBA転職・外資系求人(HOME)
- 転職コラム
- ”展”職相談室
- 第一志望の企業からオファーが出たのに…迷いが出てYesと言えない
転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第196回2019.07.04
第一志望の企業からオファーが出たのに…迷いが出てYesと言えない
日系大手IT関連企業に大学新卒で入社して数年。初めての転職活動をしています。これまでITエンジニアとして仕事をしてきましたが、よりビジネスサイドから経営に貢献していきたいと思ったこと、現在の会社ではローテーションでの人事異動もあり、なかなか専門性が身に付かないことから転職をしたいと考えました。今後は、まず戦略コンサルタントとしてキャリアを作っていき、その後に、事業会社で活躍できる人材になりたいと思っています。
納得のいく企業にしか応募したくなかったこと、業務が忙しく選考に多く時間を割けないことから、第一志望とした戦略コンサルティングファームのみに応募し、運よくオファーをいただけることになりました。
条件面などは全く問題ないのですが、どうしても「オファーを受諾します」という一言、意思決定ができません。「現職のままでもビジネスサイドに近いポジションに行けるのではないか?」「コンサルティングファームの後のキャリアはどうなっていくのか?」「本当にこのファームでいいのか?」などといった迷いが出てきてしまいました。どうしたらいいでしょうか?
Answer
初めての転職活動で第一志望の戦略コンサルティングファームのオファーを手にされたとのこと、すごいですね。おめでとうございます。非常に優秀な方なのだと思います。
希望通りの職務・企業からオファーが出たのに、意思決定ができないとのことですが、その理由は何なのでしょうか。
「現職のままでもジネスサイドに近いポジションに行けるのではと思った」
たしかにその通りですよね。今回のご相談者のように優秀な方であれば、その可能性がないとは思いません。ただ、ローテーションによる人事異動があるのなら、ずっと希望される職務に就いていられるわけではないですし、あくまで「可能性がないとは言い切れない」という範疇を超えないと考えます。
「コンサルティングファーム後のキャリアが不透明」
これもおっしゃる通りです。一般的にポストコンサルのキャリアとしては事業会社の経営企画部門や経営戦略部門でのポジションなどが想定されますが、次のステップを考えた時に、あなたが思っているような業界や企業で採用をしているかは、確約できるものではありません。
「本当にこのファームでいいのかわからなくなった」
私の経験上、この種の悩みを抱かれる方はじつはあまり多くありません。ただ、「1社しか受けない」という進め方だと起こりえる悩みなのかもしれません。オファーに至るまでの選考を通じて、「よりここで働きたい」と思う気持ちを強くされる方の方が多いのです。このような悩み・迷いが出てきてしまった場合には、企業側に掛け合えば選考とは別の面談という形で、入社後の職務や働き方の理解を深める機会を作ってもらえることがあります。そこであらためてお話を聞く、というのも一つの方法です。
不透明性や不確実性に関しては、転職によって増すこともあれば、逆に現職に残ることで増す場合もあります。それをどのようにマネジメントするのかが重要で、そのためにできることが転職なのであれば「新しい場所へ移る」という意思決定につなげられます。しかし今回は、転職にそこまでの意義を感じられていないのかもしれませんね。
NoではないけどもYesと言えない…
このような場合、「一般的にこう」という解があるわけではありません。ですから尚更、キャリアコンサルタントとじっくりと相談していただきたいと思います。自分でも気付いていないご自身の本心や思いを紐解き、知るために、“壁打ち相手”=ディスカッションパートナーとして、ぜひキャリアコンサルタントとの相談をお勧めします。
「転職する理由」や「転職しない理由」を相談するのではなく、結論ありきでもなく、ご自身の将来のためにフラットに相談し、納得のいく意思決定をしていただきたいと思います。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
伊藤 嘉浩
株式会社アクシアム
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント
2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。
日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)