転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第193回
2019.03.07

「まずはカジュアル面談から」とスカウトあり。面談の際に気をつけるべきことは?

ある人材紹介会社から「A社があなたのような方を探しています。まずはカジュアルな面談からスタートも可能と伺っておりますが、いかがでしょうか?」というスカウトをもらいました。A社のことは前から知っており、優秀な人材が転職していることも知っています。自分がそのような企業から「まずはカジュアルな面談からスタートも可能」とまでのスカウトをいただいたのは大変光栄である一方、実際、どこまでどのような話になるのか想像がつきません。このような面談の場合、気をつけておくべきことは何でしょうか?

Answer

あなたがその企業でのオポチュニティに少しでも興味があるのであれば、カジュアル面談とはいえ採用の一環だと思い、ご自身のことをしっかりと売り込む気持ちで臨まれることをお勧めします。どういったポジションを想定されているか明示されていればなおさらです。まだ具体的にどのようなポジションか決まっていない場合は、先方から説明いただけると思いますし、面談の中で、もしくは面談の結果次第でポジションを決めていくことになろうかと思います。ですから、ご自身ができることとともに、ご希望もしっかりとお伝えください。

「カジュアルな面談から」や「意見交換から」などは、昔からある面談・採用方法ですが、採用企業側も対象人材とコンタクトを持ち、エントリーのハードルを下げるために様々な提案をするようになりました。ただ、ここ最近では以前とは意味合いが変わっている部分もあるようです。

以前はこのような形式の面談の場合、正式な選考プロセスの前段階として、どういう企業でどういうオポチュニティがあるか、どのような魅力があるのかを企業側から説明いただく意味合いが大きく、正式な選考プロセスに進む意思があるかを面談後に確認されることがほとんどでした。

もちろん、今でもそのように進めることもあるのですが、最近は「カジュアル面談から」と言われていても、しっかりと選考の一環として位置づけられており、ご面談後に「残念ながら…」という連絡が来ることも多くなりました。

よく考えてみれば、せっかく面談に双方が時間を割くのですから、カルチャーにフィットがあるか、一緒に働きたいと思える人かなどを見るであろうことは想像がつきます。ですが、カジュアル面談と言われていたのに「お見送り」というご連絡をいただくと、びっくりしてしまいますよね。

その企業の名前も知らなかったり、知っていてもそこまで興味が持てなかったり、という場合には、特に準備をせずに面談に足を運ばれる方が多いでしょう。その場合には「お見送り」の連絡がきても、そこまでの驚きはないかもしれませんね。

ただ、面談中にその企業に興味が湧いてくるかもしれません。ですから、カジュアル面談とはいえ、面談が盛り上がり、良い印象を先方に残せるように尽力いただきたいと思います。

せっかくのキャリアチャンスですので、カジュアル面談だからと何の対策もせずに当日を迎えるのではなく、その企業にご興味があればなおさら、できる範囲での準備をしていただいて面談に臨まれることをお勧めします。その際、あなたにふさわしいポジションが残念ながら見つからなかったとしても、良い印象を持たれていれば、そのようなポジションがオープンになったときに改めてご連絡いただける可能性も高くなります。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

伊藤 嘉浩

株式会社アクシアム 
取締役/エグゼクティブ・コンサルタント

伊藤 嘉浩

2008年、アクシアムに参画。エグゼクティブ・コンサルタントとして、経営者やプロフェッショナル人材、MBA、若手・次世代ビジネスリーダーまで、幅広い年齢層へのコンサルティング、キャリア開発、紹介実績あり。アクシアム参画前は、商社にてアパレルブランドの輸入販売や海外事業開発を手掛け、新規事業の立ち上げと事業の黒字化を達成。事業計画策定、商品企画、マーケティング、リテールマネジメント、組織開発、生産管理などの経験を持つ。海外事業開発をはじめとする“実業経験を持つキャリアコンサルタント”として、個人のグローバルなキャリア、イノベーティブなキャリアの実現を使命とする。

日本キャリア開発協会認定 キャリアディベロップメントアドバイザー(CDA)