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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第140回2014.10.02
プロフェッショナルを目指したいのですが、可能性はありますか?
それなりに評価されていると言われているアジアの大学の経営学部を卒業し、日本のメーカーに3年勤務しました。総合職で法人営業を経験し、組織人としての常識は身につけましたが、業務では全く英語も使いませんでしたし、スキルや知識はまったく身についていないと思っています。こんな私でもコンサルタントになれるのでしょうか?
Answer
なれます。職歴5年程度までなら、十分可能性があります。一般的には、経験豊かな人や知識や専門性が高い方がコンサルタントになるというように思われることが多いのですが、それは、それこそ長い年数をかけて身に付けた知識と経験を持っている年配者の話です。一方、職歴5年程度までの若手の方は、以下の5点を見られています。
- 体力と精神力
- 成長しようというマインド
- ポテンシャル
- 対人関係 構築力(含む英語力)
- 論理的な思考力や学力(これは会社によって求められる高低が異なります。)
です。
この5点があれば、コンサルティングファームにおけるアナリストやアソシエイトとして最適です。意外にベーシックな事で特別のことではありません。
もちろん、近しい経験を持っているに越したことはありません。戦略コンサルなら事業会社の経営企画経験者や経営陣と一緒に仕事をした経験者、企画関連部署にいた人はより高く評価されます。戦略的な思考になじみがあるからです。
業務改善などのパッケージコンサルならBPR経験、ITコンサルならIT経験、HRコンサルなら人事経験、マーケティングコンサルならマーケティングの経験は、それぞれプラスになります。
30歳前後になると、MBAを持っていることや、知識、専門性、論理的思考力、ビジネスフレームを持っていることが追加されます。また、30代後半になれば、プロジェクト管理能力も必要になります。ただし、30代後半になるとコンサル経験そのものがあればシニアマネージャーやプリンシパル(ファームによって名称は異なります)として採用されますが、よほどでないと事業会社からコンサルタントとしてコンサルティングファームに転職することは難しいです。
特異性の高い顧問の様なコンサルであれば、独立系や個人事業主の形態で、ノマド的にコンサルになれます。これは自己申告して看板を掲げ、顧客さえいるのであれば、誰もがその専門コンサルになれます。実際に存在するコンサルの職としては、旅館再生コンサルタントなどが有名です。資格に基づくコンサルティング業もありますが、資格に関係なく需要があるということからコンサルタントになった人もいます。本論から離れますので、ここでは説明を省きます。
インターネット時代ですし、どの戦略コンサルティングファームも「求める人物像」をサイトで公表しているので私が答える迄もないと思いますが、念のため列記しておきましょう。
以下は弊社のクライアントであるコンサルティング会社様がそれぞれ挙げておられる「求める人物像」を上記の5つのポイント以外で列挙したものです。どれもコンサルティング会社にのみ特有の要件ではないことがわかりますよね?
- プロフェッショナルマインド
- 地頭
- 人間力
- グローバルなマインド、コミュニケーション力{英語・中国語・多言語)
- 分析力
- 問題解決力
- 教養
- 知性
- 問題掌握力
- 自発性
- 周りを巻き込む力
- チャレンジ精神
- 創造性
- 人間としての魅力
- 目標達成力
- チームワーク
- リーダーシップ
- 努力する力
- 忍耐力
では、逆に含まれないものは分かりましたか?
事業会社では求められる事も多い要素と言えますが、「起業家精神」「イノベーティブマインド」「独創性」「芸術性」「感性」「EQ」などと言った要件を挙げる会社はありません。上記の5つのポイントを満たした上でのそれはプラスになるかもしれませんが、メインにはなり得ません。
プロフェッショナルを目指す若者が、すでにプロフェッショナルであると装い、無理をする必要はありません。しっかりと5つのポイントを持っていることをアピールすることができれば、プロフェッショナルとしての道が見えてきます。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)