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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第137回2014.07.03
インターン中は他の会社とインタビューしないほうが良いでしょうか?
MBAに私費留学中の35歳です。この夏は外資系事業会社で9週間サマーインターンを受ける予定です。いろいろな意味で第一志望先の企業で、オファーをもらえれば受けたいと思っているほどです。私の卒業時期は12月で、現時点で他の事業会社やコンサルタント会社からインターンシップのオファーを3社もらっています。
まずはサマーインターンを1本に絞り、正式なオファーをもらえるように全力を投下し、他の会社のインターンシップもインタビューもすべてやめておこうと思っています。もし第一志望のこのインターン先から正式オファーがもらえない場合は、10月からでも就職活動を再開しようと思っていますが、このようなプランでよいでしょうか?
Answer
以下の点を加味した上で、ご判断ください。
インターン先からのオファー獲得にすべてを賭けるということに反対ではありません。他に3社もインターンで声がかかっているならば、それも安心材料と言えます。
しかしながら、ご助言としては、100%それにかけるというのはリスクが大きいので、インターンシップを短期間だけでも他の会社で受けていただき、フルタイムのキャリアのための応募活動やインタビューも同時に進めることを強くお勧めします。現在のインターン先で評価を受けたいということでれば仕事に専念して頂いて良いと思いますが、せめてそのインターンが終わってクラスが再開するまでの何日かの期間で、複数企業にてインタビューを受ける事をお勧めします。
ざっと考えただけでも、その理由は以下の5つ程度挙げられます。
- インターンシップからオファーを獲得できる確率は50%と考えるべきです。しかも一般的にはサマーが終わった段階ではまだ口頭の場合が多く、書面や条件が正式にでてくるのはさらに後でとなる10月ぐらいではないかと推察します。すべて判明してからNGとなった場合、かなりの時間をロスすることになります。絞り切る必要はありません。もちろんインターン中は、そこに集中して成果を出す必要があります。
- インターンとフルタイムは審査プロセスが異なります。インターンのほうが安易です。期間の定めがあるので、採用側も断りやすいからです。本質的にはフルタイムの機会を得ることが活動の主眼なので、インターンはフルタイムの採用過程の初回面談が長くなっていると思った方がよく、インターンの成果次第で半数の人しか2次面談に進めないと考えたほうが合理的です。
- インターン中にフルタイムの面接プロセスのような形で役員がインタビューしてオファーが出る場合ももちろんあります。(複数採用の戦略コンサル等の場合は、オファーをどんどん出して、ローリングで入れ替えて行き、最後、人数合わせを行います)。しかし事業会社は慎重なはずです。自分は評価されていると思っていても、最後のオファーがでるまでわかりません。
- 9.11、エンロン事件、アンダーセン破綻、リーマンショックなど、経済的な想定以上の出来事が起こるたびに、インターンやフルタイムの正式オファーでさえ、突然キャンセルされてきました。そのような突然の出来事ではなくても、企業の業績が悪ければオファーを取り消しすることは通常想定内のことです。日本支社長レベルまでもが口頭オファー出しますと言っていたとしても、本社の承認がとれなかったとか、キャンセルなどは起こり得るリスクです。脅かすつもりはありませんが、マネジメントリスクを顧みない企業経営は無謀だと言わざるを得ません。
- インターン先企業にとっても、他の企業とのインタビューを歓迎するとまでは言えなくとも、あなたが他の企業へ応募されることで評価がマイナスになることはありません。他の会社からもオファーが出るようなタイプの人にこそ、キャリアをしっかり考えてその会社を選んでもらい入社してもらえるほうが、リテンションレートが高まるのでプラスです。
ぜひ、熟考されてから決めてください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)