転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第127回
2013.09.05

最終面接で何社も続けて採用見送り。何が問題でしょうか?

38歳、事業会社2社の経験があり、今回2回目の転職活動中です。28歳で日系企業から外資系企業のマーケティングマネジャーに転職し10年が経ちました。

無事に業績をあげることができ、現在はディレクターとして15名の部下をマネジメントしています。年収は1600万円まで上がりました。 キャリアとしては順調だと思っていましたが、今回の転職活動では半年間で6社から「お見送り」の連絡をいただきました。面談はすぐに入るのですが、最終面談でいつも、「別の方に決まりました」と言われて、オファーに至りません。何か改善すべき点、自分が気づいていないことがあるのではないかと思っております。アドバイスをいただけますでしょうか。

Answer

最終面談まで進んでいるのに何社も続けてオファーに至らないのは明らかに、何か貴方側に理由があり得ると思いますので、いくつか考えられる可能性をあげてみます。

もし、心当たりがあるようでしたら、次回から改善してみましょう。きっと良い結果につながると思います。

最終面談ということですから、役員、社長レベルのインタビューでミスを犯していることになります。そのような点に注目して考えてみました。

これ以外にもあるのかもしれませんが、一般的な理由を列挙します。

  1. 年収レンジの乖離
    「現状維持以上」と安易に伝えてしまい、先方の想定額を超えてしまっている。
  2. 入社のタイミング
    出来るだけ早く入社出来る人のほうが有利です。入社時期が3ヶ月後、半年後など採用側が待てない期間を希望してしまっている。
  3. 「マネジメントを目指しています。」というような展望を根拠なく出すと、「権力志向」と思われ、NGになることがあります。意欲的と見なしてくれる場合もありますが、話すタイミングなど注意が必要です。
  4. コミュニケーションミス
  5. 今後、キャリアがどのようになるのか不必要なほど聞いてしまうと、「未成熟な人」と見られてしまいます。自分で考えられない人はシニアでは採用しません。
  6. 「キャリアアップ」「年収アップ」など、上昇志向が過ぎるとこれも嫌われます。20代なら良いのですが、数年で40代に突入する方の採用は、採用側もシビアになります。特に外資は採用時点のことは約束できますが、経営者でも自分の立場を約束されていないので、5年から10年後のキャリアや年収を保証して欲しいというような言い方になってしまうと不採用になることが良くあります。「キャリアアップや年収アップ」については可能性があるとしか言えません。
    実際の仕事、期待役割への関心より条件ばかり聞いてくる候補者だと思われるとNGとなります。
  7. 細かい点を気にし過ぎて、大きな視点でビジネスを捉えられないなど、リーダーシップについて疑問が残る場合もNGとなります。
  8. 自分の実績を誇張して、部下の苦労を語らないなどもピープルマネジメントや組織運営力などに懸念を持たれ、NGとなります。

以上です。

貴方の場合、各社それぞれ異なる理由でお見送りとなった可能性も考えられますし、必ずしも一つの理由でないかもしれません。何か改善しないと成果が出ない場合、上記を参考にしていただければ幸いです。どのように伝えるか、いろいろな工夫や対策を考えて最終面接に臨んでみてください。そして、理由を開示していただけるような雰囲気や状況を面接官との間に形成することも大事な要素です。

一方で、最近は応募者の中でクレーマーとなる人も多く、シニアなポジションになればなるほど、社会の流れとして、不採用の理由については開示に慎重になってきています。

サーチ会社経由で教えてもらうことができると良いですね。
今後のご健闘をお祈り致します。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)