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35歳を超えている方であれば、ほぼ断念したほうが良いとご助言すると思います。27歳あたりまでの方であれば、志望動機や面談対策をしっかりとしておけば、きっとオファーがもらえる会社があると思います。しかし、33歳は微妙なところです。実際にはかなり難しいと思います。 一般的には、何歳になってもあきらめないことは大切ですし、チャレンジする気持ちを持つことを否定するつもりもありません。むしろ、そのような方を応援したいと思いますが、このまま同じように何社応募してもおそらく結果は同じで、ブランドマーケティング職で採用される可能性は低いでしょう。
それでもわずかながらチャンスは存在しますし、それを掴むための方法もあります。ただ、そのためには、やみくもに消費財メーカーに応募するのではなく、まず、なぜそこまで消費財メーカーでマーケティングの仕事をしたいと思われたのかについて、自問自答することです。そこから活路を見出せると思います。
なぜ、大学卒業時や、20代の若い時にBtoCビジネスへの興味を持つ自分に気づかなかったのか?なぜ、今そのように思ったのか、しっかりご自分の気持ちに寄り添ってみてください。
MBA留学で一時的に何かに感化されているだけではありませんか?また消費材メーカーのマーケティング職に就けたと仮定して、その先のキャリアのことを考えておられますか?本当にその仕事を得意分野としやっていける自信がありますか?FMCGのマーケティング、広告、Web、セールス、などの仕事を一から積み上げてゆく覚悟がありますか?「やりたい」という気持ちを持ち続けられますか? 業界、職種を変えることになりますから、年収は当然ながらかなり下がってしまうことになりますが、その覚悟はできておられますか?仮に現職が800万円程度の年収と仮定して、それを600万円に下げてでもやってみたいというほどの強いお気持ちがありますか?
さらに、そうした覚悟だけではなく、具体的な「成功できるだろう根拠」が必要になります。 例えば、消費財メーカーのセールスマーケティング経験があってMBAを取得されているのであれば、外資系企業は喜んでブランドマーケティングや、トレードマーケティングのマネジャー職で採用してくれるでしょう。それは、経験が生かされる可能性が高いからです。年収も800~1000万円程度は十分見込めます。
しかし、そのようなご経験をお持ちでない場合は、ちゃんとその職務で成果を上げ成功できると思われる根拠がなくては採用されません。そこがしっかりしていることが肝要です。いくら年収を下げる覚悟があると言っても、その根拠がご自身で見いだせていなければインタビューでも的確に答えられず、採用されることもないでしょう。
つまり、熱意や覚悟、さらには成功するだろう具体的な根拠が必要ということです。
ここで、FMCGの経験のない方が、他業種(機械メーカーや金融機関)から消費財メーカーのマーケティング職に上手く展開できた方の事例を挙げます。
一見、成功するだろう根拠がなさそうに思われるかもしれませんが、採用の際には何らか根拠を持って採用されたはずなので、その点をぜひ想像してみてください。
Aさんは、銀行からの企業派遣MBA生ながら、絶対にブランドマーケティングに進路を変えたいと決意し、留学中に派遣元に秘密裏に外資消費財メーカーに応募し、オファーを取り付けました。通常、キャリアチェンジには、このMBA卒業時の機会を活用することがもっとも有効です。このような大幅なキャリアチェンジの場合は、応募先企業のケーススタディーや、対象業界のマーケティングを徹底的に研究して、その業界の人も知らないほどの市場の動向や競合他社分析など、情報収集をした上で応募します。Aさんもそうだったと言えます。
Bさんは、メーカーからの派遣でMBAを取得。派遣元に戻ってからキャリアチェンジを希望しました。貴方と同じく、ほとんどのFMCG企業において書類選考でNGとなってしまいました。そこで、あえて遠回りの戦略をとり、Webマーケティングのベンチャーに転職。そこでBtoCのEマーケティングやリサーチ、Eコマースのビジネスの経験を培いました。購買、広告、WEBマーケティングについての実績をつくり、その後、外資系消費財メーカーのマーケティング・マネジャーとして転職しました。
Cさんは、33歳で戦略コンサルティングの会社に転職し、消費財メーカー向けのコンサルティングを多数経験しました。ブランドマーケティングマネジャーのキャリアはとらず、38歳で消費財メーカーの事業部長として、念願のBtoCビジネスの会社のセールスやマーケティングを考え、実行する立場になっています。
Dさんは、ブランドマーケティングというポジションを断念し、財務会計の経験を生かしました。外資系消費財メーカーの財務部に応募し、Financial Planning & Analysis というポジションのオファーを得ることができました。そして製品単位のコントローラーから事業部コントローラーに昇格され、そして10年強で外資系のCFOになっています。ポイントは、その一般消費財の市場でビジネスキャリアを積むこと、マネジメントとして消費者が求める製品を開発・提供することがやりたいことであり、ブランドマーケティング職に就くことが目標ではないと気付いたところにあります。その結果、成功したのです。
いかがでしょう?参考になりましたか?
前段で質問させていただきましたが、なぜ消費財メーカーのブランドマーケティングに関心をもっておられるのか、その理由が何かをもう少し堀下げると、今後のキャリアデザインについての目論見や展望がひらけてくるかもしれません。