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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第97回2011.01.06
ベンチャー企業に行きたいが、自分に合っているのでしょうか?
現在27歳、海外の大学を卒業後、大手電機メーカーに入社して5年が経ちます。これまでは主に営業をやってきましたが、キャリアの幅を広げたいと思い e-learningで海外のMBAを取得し、財務会計、マーケティング、経営戦略など基本的な知識は得たところです。現地での4週間のクラスにも参加し、ケースもいくつか終了しました。
次のステップとして、思い切ってベンチャー企業に転職を考えていますが、自分の性格がベンチャー企業に合っているのかどうか知りたいと思っています。友人からは「チャレンジングな性格の君にはベンチャー企業が合うはずだ」と勧められますが、自分ではチャレンジングであると同時にリスクに対して臆病なところもあると思っていて、躊躇もあります。
転職してみないとわからないことも多いと思うのですが、どんなタイプの人材ならベンチャーに転職しても大丈夫なのか、アクシアムの経験からでいいので教えてください。
Answer
人生を賭けたご質問なので、しっかりお答えしたいと思います。
まず、ひとくちにベンチャー企業といっても、成長過程の中で様々な状況があります。スタートアップベンチャー、成長最中の正にストラグルな状態のベンチャー、成長軌道に乗ってIPO直前となっているベンチャー、起業時の戦略やビジネスモデルを大きく変更している最中のベンチャー、IPO後でさらに成長・拡大しており海外展開や新規事業開発矢M&Aを展開するベンチャーなど様々で、それぞれ状況によって必要とされるスキル、経験、知識などが異なります。
また、性格やスペックだけでベンチャーで活躍できるかどうかが決まるわけではありません。ベンチャーとは言え単なる個の集まりではなく組織であるわけですから、いろんなタイプの方がうまく組み合わさることでとてもうまく機能することもあるものです。実際、ベンチャー向きの方としてイメージしやすい「元気はつらつ、外交的な人」ばかりが活躍しているというわけでもなく、寡黙なエンジニアが素晴らしい仕事をしてくれていることもあります。
しかし、大きな視点で見てみると、どんな状況のベンチャー企業だとしても、やはりベンチャーに向いている人のタイプといいましょうか、性格、気質というものがあるように思います。 あくまでも経験に基づく私見ではありますが、以下にベンチャーで活躍している人の傾向をまとめましたので、一度、ご自分が向いているかどうかチェックしてみてください。もちろんこれだけでベンチャー企業向きかどうか、あるいはベンチャーに転職して大丈夫かどうかを計れるものではありませんが、参考にはなると思います。
- 実践的、現実的な人 (理想論者は向いていません。)
- 共感を大事にする人 (一人よがりな人は向いていません。)
- 自分の限界を知っている人 (自分の限界が判らず無理しすぎてしまう人は、短期で燃え尽きてしまったり、メンタルダメージを負う可能性が高いです。)
- 自己責任でできる人 (他人の責任にする人は、周囲から阻害されやすいです。)
- あきらめが良い人 (ベンチャーでは、時にパッとあきらめて次に進むことも重要。あきらめが悪すぎると、一つに固執し過ぎたり撤退する時期を逃してしまったりするなど、失敗の可能性が高まることがあります。)
- 集中することが好きな人 (ほとんどのベンチャーではスピードが最重要。何事も短時間で集中してやることが求められます。じっくり時間をかけてやりたい方には不向きです。)
- 楽観的な人 (先のことを心配しすぎない人。心配し過ぎて行動が鈍ったり、リスクを取れなくなったりする方には向いていません。ただ、リスクを分析しないということではありません。)
- 「このままで良いのか?」と常に疑問をもって、他の人に対話をもちかける人 (状況が刻々と変化しますので、変化に対応すべく、自分で情報発信したり集めたりできる人でないとうまくいきません。)
- コスト感覚に優れている人 (ケチなぐらいの人が良いと思います。「普通払うだろう。」ではなく、「普通払わないだろう。」程度の感覚です。)
- 好奇心旺盛な人 (説明不要かとも思いますが・・・。)
- 新しい事を恐れない人 (敢えて挙げるまでもないと思いますが、念のため。)
- 自信を持っている人 (根拠がなくても自分には運がある、なぜか大丈夫だと思える人です。7番目の楽観的な人と似ていますが、他の11項目が当てはまらなくても、この点さえあれば向いていると思います。)
もし該当するポイントが多ければ、一度ベンチャー企業に応募してみてはいかがでしょうか? あるいは、仮に該当が少なくとも、まずは応募しインタビューを受けて、直接お話を聞いてみることをお勧めします。 ベンチャー企業の社長や社員の方からあなたがどう見られるかというのも、自分を理解する一つの方法ですし、ベンチャーに向いているかどうかの重要な判断要素となるはずです。必ずしも今ベンチャーに行くべきかどうか決心する必要はなく、実際にインタビューを受け、内定・オファーをもらってから最後に改めて検討してみればよいのです。
やはり最後は、オファーをもらって初めてベンチャー企業に転職するかどうか決心をすることができるのだと思います。
以前、”展”職相談室 第83回 にて、「ベンチャーへの転職。キャリアにおけるメリットとデメリットは?」というテーマでも関連するお話をしておりますので、よろしければそちらも参考にしてください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)