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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第51回2008.10.23
大学卒業後に大手保険会社に勤めるも、投資関連業務へ転職したい
以前から投資関連の仕事に就きたいという希望を抱いていましたが、大学卒業時の就職の際には叶わず、ある大手保険会社に勤めて数年が経ちます。現在の会社では、営業職としてそれなりの成績をあげ、充実した日々を送ることができています。
就職時には、とにかく金融業界に入り数年間キャリアを積んでいけば、いずれ投資に関わる仕事へ移るチャンス(社内にしろ、社外にしろ)もあるだろうと考えていたのですが、同じ業界にいる知人から、現在の業務のキャリアでは投資関連の職に繋がることはないだろうとアドバイスをもらいました。
しかし、投資関連業務への思いは強く、今すぐに会社を辞めてでも移りたいと考えています。知人の言うように、本当に難しいのでしょうか? 実現できる可能性がどのくらいあるのか、お教えいただければと思います。
Answer
ご質問内容から投資業務への強いお気持ちが伝わってきますが、残念ながら、かなり難しい状況であると思われます。
まず社外のチャンス=転職についてですが、現職がいわゆる総合職であると仮定して、社内で投資関連のポジションに異動し経験を積むことがない限り、厳しいといわざるを得ません。投資関連のポジションを有する採用企業では、ほぼ100%が経験者を求めています。スキル・知識がない候補者が採用されることは通常ありません。
大学を卒業後、数年の職歴を重ねている20代後半の方の中には、すでに投資銀行でのアナリスト職を終え、シニアアソシエイトのレベルに達している人もおられます。その段階から、さらにスキルアップのためにMBAなどへ留学をしたり、仕事ができるという証明・知識の証明のためにCFAなどの資格を取得したりされています。そうしてプロフェショナルとして、キャリアを積んでいる方々が人材マーケットには存在します。
つまり、採用の現場では、このような方たちと同じ土俵で評価をされることになります。やはり投資業務に直結する職歴、それに加えてTOEIC 900点レベルの英語力、MBAやCFAなどの学位・資格が、ご希望を実現化するためには不可欠だといえるでしょう。現在の会社で、今すぐ投資・資産運用関連の分析、アナリスト、ファンドマネージャーなどの職に就ければまだいいのですが、社内にもそのようなチャンスがないのであれば、厳しいようですが実現の可能性はかなり低いというのが私の率直な回答です。
頂戴したご質問の中で、気になる点がありました。それは、保険会社の営業職から投資関連の職に就くのが難しいということに、事前に気づいておられなかった点です。今後、ご自身のキャリアを発展させていただくためには「何をすれば、何になるか」ではなく「何をしたければ、何をやっておくべきか」という視点で様々な行動・選択をする必要があるでしょう。しかも、それを他人から指摘・強制されるのではなく、ご自分の大切な年齢軸とともに考え合わせて、ご自身で決める力を持っていただければと思います。
また、そもそもご自身の目標についても、まだまだ曖昧なのではないでしょうか。「投資関連業務」といっても色々な仕事があり、当然求められるスキル・知識・経験が異なります。本当にその仕事をしている人から、直接、業務について聞かれたことなどはありますか? 漠然として広すぎる目標では、たとえ採用してもらえたとしても「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう可能性も高くなります。転職を実行するには、情報収集やゴール設定などの準備が、不足されているように感じます。
例えば35歳になったら、何をしていたいか。どうなっておきたいか。そのような想定をして、バックキャスティングされることをお勧めします。
投資銀行やファンドでも、求人情報をサイト等で開示している場合があります。その要求要件をしっかりとご覧になり、職務内容について研究されることから始めて、機会があれば実際に仕事を手がけている方のお話を具体的に聞くことが大切だと思います。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)