転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第42回
2008.06.12

海外事業立ち上げ7年。経験を活かしつつ、国内の仕事に転職したい

ある事業会社の海外拠点(米国)に赴任中の34歳です。これまでは、海外営業・海外での事業立ち上げなどの業務を行ってきました。海外赴任は米国、アジアを合わせて足かけ7年になります。現在の仕事は、自分の英語力や営業力、また事業開発的な能力を活かすことができ、やりがいを感じてはいるのですが、家族の都合もあって日本国内に落ちつける仕事への転職を考えています。

もちろん出張ベースでの海外関連業務は可能ですが、このような希望・経歴を持つ私に、今後どんなキャリア展開の可能性やチャンスがあるでしょうか?

Answer

ご相談者は、34歳の現在から60歳まで、どんな展望をお持ちですか?

キャリアデザインをする際には、(1)今まで積んでこられたご経験を今後も活かすことを第一に考え、そこから発想し設計していく、(2)将来のキャリアゴール/目標から逆算して、たとえ未経験な業界・職種等にチャレンジして年収面などではリスクをとる必要があっても、そのゴールに向かって設計をする、(3)キャリアコンサルタントなどの第三者が、ご経歴・スキル・展望・マーケット状況等を総合的に鑑み、ご本人が思いつきもしないプランを提示する、といった3つのパターンが大まかにあると思います。

今回のご質問の趣旨は、この第1のパターンについてだと推察しますが、第2・第3のパターンのようなキャリアデザインの方法、設計の仕方もあることを是非ご承知おきください。

さて、これまでのご経験を活かすことをメインに考えた場合、今後のキャリア展開の幅は少し狭くなると思われます。具体的には、以下のようなポジションへの転職の可能性が考えられます。

■外資系企業の日本市場向け、セールス・マーケティング・マネージャー
 (ベンチャー企業などなら、ゼネラル・マネージャー)

■日系ベンチャー企業のセールス、マーケティング、事業開発
 (この場合は、英語のスキルを使わない選択となる可能性があります)

また、M&Aや企業財務に関する知識・ご経験がある場合には

■日系の中規模事業会社の事業再生、事業開発(英語のスキルを使わない)
 外資系企業の事業開発(英語のスキルも活かす)

などが挙げられます。

ご相談者と同種のキャリアを歩んでこられた方の中には、経営戦略や海外事業展開の領域で、ビジネス・コンサルタントを希望する方もよくおられます。しかしながら、本体(本社)の経営戦略や事業投資に関わる業務を積んでおられることが少ないので、どうしても戦略コンサルタント等に転身するのは難しいと思います。

冒頭にお伝えした第2・第3のパターンについては、いただいた情報だけでは回答ができません。キャリアコンサルティングの現場では、コンサルタントと対面相談をしっかり行っていく中で、今後のキャリアを考えるヒントが、ご本人自身から自然と抽出されていくことがよくあります。ですから一度、個別のコンサルティングサービスを利用されてみるのもいいかもしれません。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。