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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第32回2007.12.20
幹部であるベンチャーを清算。経営を目指す今後のキャリアの道は?
マネジメントを目指している32歳です。これまでの経歴は、新卒で日系の大手メーカーに就職し、製品開発に関するプロジェクト・マネジメントに携わっていました。その中で、もっと大きな会社の戦略や意思決定を手がけたいと思うようになり、海外ビジネススクールへ留学。MBAを取得しました。
ビジネススクール卒業後は、あるアーリーステージの技術系ベンチャーに転職し、経営企画を担当。大変やりがいをもって業務を行っていました。しかし、残念ながらそのベンチャーが、VCの方針転換など諸事情で清算することになってしまいました。
清算にあたっては、社長と共に経営幹部としてクローズを行い、良い経験ができたと自負しています。会社の件が落ち着いたいま、自分自身にとって次のステップがとても重要だと感じているのですが「マネジメント」という目標を実現するために、今後どのようなキャリアの道を探し、選択していけばよいでしょうか?
Answer
マネジメントという目標が「会社経営」の意だとして、それが起業なのか既存の会社の経営なのか、どちらを希望されているかでアドバイスが変わります。
もし起業を志されているのなら、引き続きベンチャー企業で是非頑張られることをお勧めします。しっかり成長しつつあるベンチャーを選び、そこでご自身も多くの成長体験を持つことが何より重要です。現在の経営企画業務でも良いと思いますが、セールス・オペレーション・マーケティングなど、仕事は何でもかまいません。
特に、つぎの市場の変化を見極めることができる環境や、エッジとよばれる境界線にある製品・技術・市場に関わっているベンチャーがお勧めです。どんなベンチャーを選べばいいのか、お知り合いのベンチャーキャピタリストやベンチャーの社長様などに聞いてみるのもいいですし、アクシアムに御相談いただければ、人的資源管理の観点から選び方をアドバイスさせていただきます。
もし既存の会社の経営を目指されているのであれば、ある程度の組織規模があり、合理的な経営が行われている会社/優れたマネジメントリーダーがいる会社で働くべきです。そのリーダーの下で、管理能力・マネジメントノウハウ・組織運営を学び、経営者を目指してください。また、できるだけ顧客ならびに株主の視点で「経営」というものを意識していかれると良いでしょう。
つねに、ご自分が社員という立場では取れないリスク、また社員では得られないプロフィットについて責任を持つことになると意識されると、日々の些細な仕事でも(たとえルーティーンワークでも)力がつきます。自分が経営者ならどうするか? と常に考えてみると、答えが出るまで考え抜くことができない問題が多いのに気付くはずです。その不足こそが、これから養うべき知識やスキル、経験といえます。
養うべきポイントが分かれば、その不足を埋めていけるポジションへの異動を希望するなど、上司や会社と相談・交渉をしましょう。それが会社の利益と合致するなら、きっと承認されるはずです。何らか困っている課題があり、それを自ら進んで担当したい人材がいない…などという時こそ、これまでベンチャーで揉まれた経験も活かされます。一定規模以上の大きな組織においては、「ストレッチ」といわれるチャレンジングな機会と経験こそが、経営者を生み出します。
「経営を目指したい。ならば経営コンサルタントになるのがよい」と考える方もおられると思います。経営者と経営コンサルタントでは、知識・スキルの点では、確かに経営コンサルタントの方が上回ります。しかし、経営コンサルタントご出身者が必ずしも経営者として成功するわけではありません。逆に経営経験者が経営コンサルタントとなっても、やはり失敗することが多数あります。なぜでしょうか。そのような点についても折に触れて考えていかれると良いと思います。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)