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転職コラム”展”職相談室
キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。
“展”職相談室 第25回2007.09.13
国内でビジネススクール進学を検討中。国内MBAの優位性は何ですか?
ある日本の大学院のMBAプログラムへ進学することを検討している者です。海外留学の道もあるとは思うのですが、現状は時間・費用などの観点から、国内にて学びたいと考えています。
その際、在籍している会社は退職するつもりであり、卒業後は新たに就職(転職)活動をする必要があります。就職活動にあたり、国内MBA生としてアピールできる部分、優位な点とは何でしょうか? また逆に、気をつけるべき点などがありましたら、ぜひご教示ください。
Answer
海外留学される方と比較して、優位性がある一方で同様に劣位性もあります。
ご自身の優位性・劣位性を理解し、しっかり人材市場の現実を見極め、キャリア開発の活動計画に活かしてください。ぜひ有意義な就職(転職)活動を行い、MBA取得後、将来性のあるキャリアの道を進んでいただきたいものです。
以下、優位性についてまとめてみましたが、単純に「ここが有利だ」と知るだけに止まらず、「どう活かすか」をお考えください。
(1)採用者に近く、情報収集に有利
ご相談者がターゲットにしたい人材市場を、日本と想定してお書きします。採用者が外資系企業でも日系企業でも、大手でも中堅でも、あるいはスタートしたばかりのベンチャーでも、地理的に近くに存在することになり情報収集の点で有利です。特に「すぐに求人企業との面談が可能」という点が、最大のアドバンテッジです。
例えば、良いキャリアのチャンスがあれば、卒業する前に転職してしまうことも考えられます。(キャリアの成功のためには、MBAの卒業さえもタイミングコントロールのネックとせず、社会変化に即応して卒業前でも卒業後でもチャンスを掴む気持ちが必要です。)
しかし逆に、海外での就業・勤務を希望されておられるなら、この点は不利になります。
(2)インターンシップのチャンスが多い
通常の二年制であれば夏休みが2回あり、加えて就学中にもアルバイトのような形で長期にインターンシップを行うことが可能です。フルタイムになる前にインターン経験を積むことは、その後のキャリアデザインにとって大変意義があります。(ただし、ほとんどの国内ビジネススクールでは、1年生の時点でインターンシップを受ける人が非常に少ないのが現状です。)
また、毎年必ずインターンシップ・プログラムを実施しているような限られた数十社には、逆に正式なMBA学生の選考過程が存在します。つまり、海外MBA生とも競合することになります。前年度の10月から年明けの1月あたりで、各社のインターンシップ採用枠は決定してしまいます。それを知らない人も多く、2年生の4月になってから探しはじめるような人にはチャンスが残っていません。この点、注意が必要です。
(3)仕事をしながら取得することもできる
日本のビジネススクールには、フルタイムの学校も、就労しながら学べるなど様々なプログラムを備えた学校もあります。今回のご相談者は退職を前提に就学をお考えとのことですが、仕事をしながら通えるビジネススクールを選択すれば、ビジネスの現場から離れずにすむというメリットがあります。
(1)の項目でも触れましたが、「これは」と思う機会にめぐり合い、採用側の要望もすぐに就任してほしいという場合など、卒業をまたずに転職するという選択肢もありえます。
(4)日本語で学ぶことができる
当たり前のことのようですが、日本語で学ぶことができるのも、優位といえます。例えば、インタビューの際に以下のような趣旨で話した学生は、中途半端に海外留学をした人より採用者から高い評価を得ています。
「TOEICで●●●点の英語力しかなく、海外であいまいに勉強するよりもよいと考え、日本語で徹底的に企業財務・会計について学びました。特に2005年の新しい会社法がどのように企業財務や国際会計、コーポレートガバナンスに影響するかについて関心があり、研究しました。以上の点について、仕事をしながらではなかなか俯瞰的に突き詰められないこと、日本の状況を逐次みながら学びたかったことから、現在の国内ビジネススクールに進学を決めた次第です。英語については在学中にトレーニングをして同時に米国CPAも取得し、英語でも仕事ができることを証明しておきました」
(※)備考:コストについて
海外よりも国内、二年制よりも一年制の方が、コストが低いとお考えの方も多いのですが、話はそれほど単純ともいいきれません。
例えば、一年制でも二年制と同等レベルまで知識・スキル・見識・経験・価値観・フレームの習得が達成できるのであれば、何も問題はありません。コストに見合った価値を獲得できるかが、学校選びのポイントとなります。
授業料が安いことがメリットなのではなく、安くても高いレベルの質を獲得できているかが重要です。「安い・早い・質が悪い」とならないことを祈るばかりです。国内ビジネススクールを選んだ理由が「安いから」「便利だから」だけでは、採用側の観点からみれば評価を下げる理由にもなります。
上記以外にも優位性は色々とありますが、個別の状況・ご希望・考え方次第で劣位性に変わってしまいます。ぜひ一度、キャリアコンサルタントにご相談ください。
コンサルタント
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)