転職コラム”展”職相談室

キャリアや転職に関わる様々な疑問・お悩みなどに、アクシアムのキャリアコンサルタントがお答えします。

“展”職相談室 第3回
2006.10.03

MBA卒業後5年。戦略コンサルタントからCOOの可能性は?

経営戦略コンサルティング会社でコンサルタントとして働いている者です。MBAを取得してから5年が経過しました。今まで主に、電機、化学、金融などの顧客向けにコンサルティングを手がけてきました。

現在、マネジメント(経営)を目指すべく転職を考えはじめています。COOとして外資系やベンチャー、日系大手企業に転職したいのですが、そのような可能性はあるのでしょうか?あるいは小規模でもいいので、外資系企業の日本代表などを希望しています。

Answer

ご質問者の年齢(35歳以上か、以下か)によっても回答が変わるのですが、分かりかねる状況の上で、ということでお答えしたいと思います。

まず、「すぐにでもCOOなどマネジメントに就きたい」なら、ベンチャー企業への転職が考えられます。こちらはご相談者が比較的お若い30代前半であっても十分可能です。また、0(ゼロ)から1を生み出す経営を将来的に志向されているなら、さらにお勧めの選択といえるでしょう。

つぎに、まだご自身にマネジメントになるスキル・経験等が若干足りないとお感じで、ワンステップを経てから経営を目指すなら、キャリアの機会は数多くあります。経営企画や事業開発など、現・経営陣の直下で仕事ができ、間近に経営をラーニングしてからマネジメントを狙うことが望まれます。

ただ、経営管理部などで“いちファンクションを担うスタッフワーク”という仕事内容では、名称に「経営」が付いていても経営職へのキャリアにつながりません。しかも、今までMBAとなられ、経営戦略コンサルタントとして積まれたご経験が活かせない結果となってしまいますので、注意してください。

あくまで経営陣に近い場所で、かつP/L責任を持つ部署で経験を積むことが重要です。それが満たされていれば大企業でも、その子会社でも、支社でもかまいません。もちろん外資系企業であってもかまわないのですが、その場合にはセールス、オペレーションなどの分野でP/L責任を持つポジションに就いた方が、将来マネジメントへチャレンジする際の意思決定力やリーダーシップを磨くことができます。(現実的には、外資系企業の日本支社で、経営企画部などにあたる部署を持つところはほとんどありません。)

ご質問にある「外資系企業の日本代表」は、経営そのものという側面よりも、セールス・マーケティングのヘッドとしてP/L責任を持つ、という意味合いの強い場合が多いので、ご自身の求めておられる「経営」というキャリアゴールのひとつ前のステップにあたります。以上を踏まえて、転職を含めたキャリアデザインをしていただければと思います。

※こちらでは、質問と回答を簡潔に要約し、典型例としてご紹介しております。キャリアコンサルティングの現場ではコンサルタントとキャリアについてご相談いただくのはもちろん、実際の求人ポジションをテーブルに載せながら、「現実的な可能性」の検討をしています。したがって、その時々で市場動向・受託ポジションが異なりますので、「現実的な可能性」=キャリアのチャンスも様々になります。

コンサルタント

インタビュアー/担当キャリアコンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)