転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第26回 
2006.03.30

抜群の成果を上げる人たち vol.1

多くの優秀な方、抜群の成果を上げている方にお会いしていると、その能力や仕事のやり方、問題への対処方法などで明らかに普通の人たちと違っていると感じる点がいくつかあります。また、その中には、皆さんタイプは違えど、共通するものも多いように思われます。

今回は、『抜群の成果を上げる人たち』の共通点について考えたいと思います。

アメリカの心理学者・チャールズ・A・ガーフィールド博士は、スポーツ界、産業界、教育界などの1,000名以上のトップ・クラス人材へインタビューを行い、その共通要素を6つにまとめています。

コンピテンシー・モデルのはしりでもありますが、同時に『ピーク・パフォーマンス』という理論をまとめ、特にスポーツ界では多く取り入れられています。

その6つの特徴を順にご案内しましょう。

 

1)自分自身に打ち勝つことができる。自分の記録に挑戦し、それを破ってきている。しかし、仕事中毒ではなく休暇も取る。また、あまり細かいことにこだわらず、仕事を委ねる名人である。

    まったくそのとおりだと思います。記録へのこだわりは、ハイ・パフォーマーに共通するところですし、また「休暇を取る」という点についてもそのとおりだと思います。昨年、『20代のキャリア開発10ヵ条』というテーマで開催したキャリアデザインセミナーでも「遊べ!(人生を楽しみ、人間力を高める)」という項目で、優秀な方の多くは趣味や遊びを楽しんでいる、とお話しました。

    「仕事を委ねる名人」であることについては、皆さん、ご自分の周りの優秀な方をみていただけると分かると思います。

 

2)自信を持ってリスク・テーキングをする。将来起こりえる異変を算定し、最悪の事態を算定済みで、それをどう乗り切れるかをすでに考えているからである。そして「これで大丈夫」と思えば全力でまい進し、周囲の人々の「ダメかもしれない」という不安をも払拭する。

    転職においても、この「リスク・テーキング」は重要な要素です。会社を辞め、まだよく分からないところへ飛び込んでいくのには、少なからずリスクが伴います。しかし、最悪のケースも想定しつつ「それでも自分には、何とかできる」と思い、飛び込んでいけるかどうか……。転職後に、予想通りかそれ以上の成果を上げている方は、この点、楽観的過ぎず、且つ悲観的過ぎず、非常によく考えて意思決定し、リスク・テイクをしていると感じます。

 

残りの4つの特長については、次週ご案内させていただきます。

より詳細を知りたい方は、下記の書籍などを参考になさってみてください。

【参考書籍】

  • 『ピーク・パフォーマンス-ベストを引き出す理論と方法』
    (チャールズ・A・ガーフィールド 著/ベースボールマガジン社)
  • 『ガーフィールド博士の最高の自分を引きだす方法』
    -成功者たちが実践する「ピーク・パフォーマンス理論」とは-
    (児玉 光雄 著/KAWADE夢新書)