転職コラムコンサルティングの現場から

メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。

コンサルティングの現場から 第19回 
2006.02.09

新しい求人傾向

ここ半年間で、SOX法に関連する求人が増えています。

ご存知の方も多いと思いますが、通称「SOX法」は正式名称を「Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002」といい、法案提出者であるサーベンス、オクスリー両氏の名前から「サーベンス・オクスレー法」とも呼ばれ、アメリカで施行されている法令です。

これは、米国におけるエンロン事件、ワールドコム事件などの不正経理事件を受けて制定されたもの。日本語に訳すと「上場企業会計改革および投資家保護法」となりますが、日本でも2008年3月期決算分から日本版SOX法が施行される見通しで、現在、その対応が迫られています。

以上のような背景から、今、日本国内でもこのSOX法に関連する求人が増え始めています。

求人企業は、「外資系事業会社」「会計系コンサルティング」「監査法人」「リスク・マネジメントのコンサルティング会社」「システムインテグレーター」などが中心ですが、中には日系企業の財務経理分野での求人もあります。

財務会計や内部監査にからむ業務改革・体質改善を推進する、というポジションが多いのが現状ですが、ただ今後は同分野に限らず、全社のリスクマネジメントや体質改善、変革推進をするという立場の求人へと広がりそうです。

今、世の中の流れは、「社会性」「公益性」「正しいこと」を重視する方向にあります。当たり前のことですが、それが強く求められているのです。単に効率や利益を重視し優先するところから、次のステージに移ろうとしているように感じます。

このようなSOX法に関連する求人は、その絶対数はまだ多くないものの、経験者が少なく、ジョブマーケットでのニーズにはとても強いものがあります。新規事業開発経験者をはじめとする、従来ニーズの高かった求人とは異なる、新しいタイプの求人といえるでしょう。