転職コラムコンサルティングの現場から
メールマガジンに連載させていただいたコラムのバックナンバーです。
転職市場、そしてキャリアコンサルティングの現場で起こる日々の出来事から、成功へのヒントを感じていただければ幸いです。
コンサルティングの現場から 第18回 2006.02.02
常識に挑む
すこし前のことになりますが、日経ビジネス・新春合併号(2005.12.26-2006.1.2)の『常識に挑み夢を掴む』という、イチロー選手とハワード・シュルツ氏(米スターバックスコーヒー会長)の対談記事がとても面白かったので、ご紹介したいと思います。
プロスポーツ選手と経営者という異色の対談なのですが、一流の方・成功者は分野は違えど、“さすが”。共通点が実に多く、心に響くお話がたくさんありました。
キャリアコンサルタントの仕事の中でも、ビジネスやキャリアの成功者、経営者の方々にお会いする機会があります。そこで聞くお話とも、どこか共通するところが多いように思いました。
この記事の中で私の印象に強く残ったのは、以下のような内容です。
- 自分がどれだけ大きいか(偉いか)を見せたくなる人が大半だが、ハワード氏は逆。(自分はそれほど偉くない、という態度で接する。)
- ふたりとも人とは違う発想で、誰もしないことに取り組んできている。(常識といわれることに反抗し、独自のスタイルを築いてきた。)
- 常識とは逆の「利益重視ではなく、社員と地域を重んじれば利益はついてくる」というシュルツ氏の経営理念。
- イチロー選手の「一選手としてできることは、いいプレーをしてファン・観客を楽しませること。それが一番の社会貢献であり、ファンサービスである」という徹底したプロ意識。
- シュルツ氏が経営上大切にしているという「友達を見ればあなたがどんな人か分かる」という言葉。(社員の採用や取引先の選定でも、商売を超えた信頼を得られるかに重点を置いているということ。)
- イチロー氏の「打席に入るのはいつも怖いし、不安も常にある。しかし、それに勝たないと次に進めない」という言葉。多くのファンが見つめ、たくさんの報酬を手にしているというプレッシャーの中で、リラックスして打席に立つことはできないと悟り、それを受け止め、乗り越えている点。
プロとしての意識の高さに感銘を受けるとともに、自分の仕事や人生のスタンスを問い直す指針にもなると感じました。