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転職コラム転職市場の明日をよめ
アクシアム代表/エグゼクティブ・コンサルタントの渡邊光章が、日々感じる転職市場の潮流を独自の視点で分析しお伝えします。(※不定期更新)
2003年 1月~3月 2003.01.10
50代の求人
昨年末には、20代、40代を特集しましたので、年始は50代にテーマを絞りました。
弊社に寄せられた年間1000ポジション以上の求人案件のうち、1%程度が50歳以上の方が応募できるものでした。
一方、相談者は年間相談者のうちの数%が50歳以上の方でした。その多くが経営経験者ですが、財務会計や海外営業などの専門性を備えた方の相談も多かったところです。
弊社にとっても、50歳以上の職業紹介は極めて困難です。何とか紹介したいと思っても案件開発にコストがかかってしまうだけでなく、顧客に50歳採用を無理強いするわけにもいかないからです。
その中で、展職紹介に成功した方の最高年齢は、男性で56歳、女性で50歳でした。採用したのは、外資系やベンチャー企業でした。
加えて、両者の共通点が3つあります。
第1に、上司が30代、40代と若く仕事に自信をもっているので部下の年齢を問わないこと。
第2に、会社として非常に成長している企業ということ。
第3に、年収が上がったということです。
この3つのポイントは、私達に50代以上の雇用を増やすための一つの視点を与えてくれます。
30代、40代のプロの経営者や職能をそなえた人が、年齢を問わず職能や生産性、結果で部下をマネジメントできること。会社が業績が上向いていれば投資が行われ、年齢を問わず雇用が生まれること。年収を下げれば職が得られるのではなく、職能や生産性があるから職を得られること。
年齢を問わないプロが採用側に少ない現状のままでは、高齢者の雇用開発はまだまだありえないと思います。
さて、皆さん。50歳で月給50万円が当たり前ということはもう起こりえない社会になりました。
市場のメカニズムは、自分からマーケットインした場合、売リにでた時に35才以下と、35歳以上についてはまったく正反対なものとなります。35歳以下では、年収は上がることが多いのですが、35歳以上では、年収は下がることになってしまいます。
従い、35歳以下は応募で職を得ることができる人も、35歳以上だと応募では職を得ることができません。35歳以上では、ポテンシャルでは難しく、市場の求人ニーズに合っていることが極めて重要です。スカウトの対象になる人材になっているかどうかです。
スカウトは、募集サイトや雑誌にはでてこない機密性の高いものになります。
いったい35万円以上の報酬部分とは何なのか?
キャリアのマネジメントについて、年始にしっかりと考えてみませんか?2003年、企業再生や金融問題の解決が進められる中、キャリアの再生や再投資、そして実行プランを考えてみましょう。年末、長年にわたり展職相談をしている方々から、
「社外のキャリアを真剣に考えはじめた矢先に、昇進しました。」
「アクシアムの提唱している展職は、社内でもあるというのが実感できました。」
「市場価値をしっかり、考え、行動を伴い、ということをこれからも続けます。」
「インタビュー先があれば、ご紹介ください。」
とのメールが複数到着しました。キャリアの考え方やマネジメントの方法が大きく変わっていますが、その実践者はまだ少ないようです。
関連情報
- 「総務省・統計局」発表、平成14年11月の完全失業率『5.4%』
- 「厚生労働省・職業安定局」発表資料、平成14年11月の有効求人倍率『0.57倍』
コンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)