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転職コラム転職市場の明日をよめ
アクシアム代表/エグゼクティブ・コンサルタントの渡邊光章が、日々感じる転職市場の潮流を独自の視点で分析しお伝えします。(※不定期更新)
2002年 7月~9月 2002.07.01
新たなプレイヤーの可能性~潜在層のポスドク・マーケット~
今回は今一番注目されているバイオ・ライフサイエンスに絡んだ話題を見てみたいと思います。
今、研究者だけではなく、実はその研究から出てきたビジネス・シーズを実際にビジネス化する企画力、売り込むセールス・マーケティング力、その他に資金調達に絡む財務や人事などビジネスに必要なありとあらゆる人材がこの分野では求められ始めています。
さて、今回はもう一つの新しい傾向について話をしてみたいと思います。先日あるバイオベンチャーに就職したPhDの方とお話をしました。今回は割愛させていただきますが先端のバイオ技術の話、バイオと倫理の捉え方の話などかなり面白い話を聞かせていただいたのですが、注目するべきはいわゆるポスドクと呼ばれる世界の構造です。
ポスドクの人たちは学校関係の研究機関等でいわゆる研究をしているのですが、この世界は出世・昇進という意味では純粋な競争世界であり一部の天才的な人だけが昇進しているそうです。これは極めて健全な仕組みであると思い、感心して聞いていました。一方、研究活動をする・補助する人としてそのまま残るという道もちゃんとあるようです。ここまで聞いてみて、「おやっ」と思った方もいるのではないでしょうか?
極めて日本的な企業の人の政策に似ているようですね。しかし、この分野では、特に前者の出世・昇進については30代で終了しているようで、健全性を一層強化しているように思えます。一方、後者の仕組みについては30代以降の解決策はあるのでしょうか?
今は有ると言える状況にありそうです。一年前ならばなかったのですが、今ならばバイオ企業での道というものがあるように思えます。しかし、この道はすぐに年齢ゾーンが低下してくるでしょう。しかし、このことが現在・そして将来ポスドクの道を考えている人にその後のキャリアという意味で、学内、企業内という選択肢の幅を広げさせてくれることに繋がると信じています。
翻って今まで企業の研究者であった方にとってはどうでしょう?一部では研究者の引き抜きに高額な条件が適用されているようですが、もはやうかうかしてられないかもしれません。改めて自分の市場競争力を確認してください。新しいプレイヤーはすぐ皆さんと同じフィールドにやってきます。
関連情報
- 「総務省・統計局」発表、平成14年5月の完全失業率『5.4%』
- 「厚生労働省・職業安定局」発表資料、平成14年5月の有効求人倍率『0.53倍』
コンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)