- MBA転職・外資系求人(HOME)
- 転職コラム
- 転職市場の明日をよめ
- 市場価値の感覚の違い
転職コラム転職市場の明日をよめ
アクシアム代表/エグゼクティブ・コンサルタントの渡邊光章が、日々感じる転職市場の潮流を独自の視点で分析しお伝えします。(※不定期更新)
2002年 1月~3月 2002.01.10
市場価値の感覚の違い
私は価値がある。それはわかるけど、それをどうやって外に発信していますか。それは社内だけだったりしますか。市場にですか。しかし、発信してもそれは受け取る相手があって始めて成り立つものです。相手がわかりやすい形で、適切なレベルに発信していますか。この点での価値観のずれは何処から生じるのでしょうか。
これには、「市場に出る」ということをやっているかどうか、そしてその意味がわかっているかどうかという事による違いが大きいような気がします。先日、日本を代表するM&Aのスペシャリスト森生明氏とお話しをしました。彼は日系・外資系両方の金融機関でM&Aをやってきましたが、外資に入って初めて違いに気付いたそうです。「日系企業の方が緻密な計算をする。しかし、M&Aは市場での買い物。どんなに計算したってそれが納得のいく買い物かどうかは市場が決める。そこには計算では得られない感情的納得感が存在する。これを出せるかどうか。外資は経験豊富なだけ、計算もこうですが結局は長年市場を見てきた経験からするとこれはこうですよと言えるところが違った。結局、市場では買う当人が納得して買わないと成立しませんから」。
市場のことは市場を知っている人に聞け。みなさんが市場でモノやサービスを買うときどうしますか。店に行く。ブランドで決める、カタログのイメージで決める。機能比較して決める。価格比較して決める。友人から聞いて決める。店の人に聞いて決める。色々な決め方があると思います。
翻って、キャリアについてはどうでしょうか?登録した。色々な勉強会に参加している。友人に相談している。あなたのこれまでの重要な職務経歴の情報の開示は充分ですか。もし、あなたの情報開示が充分でなかったら、その不十分な情報であなたのキャリアに興味をもってくれる・買ってくれる人はいますか。買う側の立場にたてば、会社の情報開示で買う株を買うのに近い感覚ともいえます。しかし、情報開示はある意味でリスクとも言えます。あなたはリスクをとれますか。そもそも保有している情報の量(=職務経歴の内容)は充分ですか。これを機会に、もう一度、考えてみて、「あなたと市場の接し方、距離の置き方」を設定してみては如何でしょうか。
関連情報
- 「総務省・統計局」発表、平成13年12月の完全失業率『5.6%』
- 「厚生労働省・職業安定局」発表資料、平成13年12月の有効求人倍率『0.51倍』
コンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)