転職コラム転職市場の明日をよめ

アクシアム代表/エグゼクティブ・コンサルタントの渡邊光章が、日々感じる転職市場の潮流を独自の視点で分析しお伝えします。(※不定期更新)

1998年 1月~3月 
1998.01.01

緊急掲載

山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行など大手金融機関の崩壊は日本の産業構造の変化の中で象徴的に起きた事象です。アクシアムには、個人のキャリア相談というミクロな問題と社会現象といったマクロな問題が電子メールに載せて毎日のように届きます。

  • 『求人と求職の実態は、一体、どうなってるの?』
  • 『会社をやめました。どうすれば再就職できますか?』

現在のジョブマーケット情報を一言で言えば、いつもこの欄で述べているように「人は余っているが企業が求める人はいない」といった偏向した市場となっています。

そんな急激な変化に巻き込まれた人々に対する答えとしては、「夢を持とう」、「目的意識を持とう」、「自己実現を目指そう」、「使命を持とう」などの概念論やモットーでは、残念ながら即効的な力を持ちません。長期的な視点としては正しくとも急には理解されにくいと思われます。そこでまず最初に市場の実情をお伝えし、次に実情に合致した具体的なキャリアの開発方法を述べます。少しでも実践的な解決に向けた行動のための参考として頂ければ幸いです。

【実情1】最近相談した金融機関の方の所属先一例

山一証券、北海道拓殖銀行、三洋証券、安田信託銀行、日本債券信用銀行、大和銀行、東京三菱銀行、三和銀行、大和証券、野村證券、住友銀行、協栄生命、日本生命、日本興業銀行、大蔵省、郵政省、農水省、ソロモンブラザースアジア証券、ゴールドマンサックス証券、スイスユニオン銀行、日本銀行、モルガンスタンレー証券、(株)ジャフコ、他

指摘:

1.こんな組織からも競争相手が

如何ですか?倒産した会社の人だけが市場に出てくる訳ではなく、様々な金融機関の方が市場に出ています。弊社へのご相談は、キャリア志向35歳以下の方々が圧倒的です。彼等は会社を変りたい訳ではありません。これらキャリアを求める若い人達の希望を要約すると、ビジネス、技術、或いは社会の問題を解決したい、やり遂げたいと思い、現状の中でできる限りの事をしてみた。しかしてその結果は、理不尽な組織の理論などが原因となり、それを達成できないといった環境にあります。そこで違った道を捜したい、と言うものです。今までなら優秀な人材が出てくるはずのない所から、人材が流出して来ています。決して倒産した会社からだけではなく、成績の良い会社からでも相談があります。

2.競争原理にさらされる現実

普通の大多数の人は倒産後に転職相談を始めますが、優秀な人は社会や会社の問題が起きる前に、自らのタイミングで展職相談(アクシアムが提唱する展開する職業遍歴の事)を開始し実行してゆきます。普通の人が市場に出て来たと言っても、競争原理に従う厳しい現状にさらされているのが現実です。採用側は常に応募者を比較検討の上で採用できる立場です。

なるほど、山一証券からも北海道拓殖からも、8~10月の時点で見切りをつけ既に展開してしまった人もいました。倒産する直前には、人事部や経営企画部、海外部門など中心にいる人が複数で退職し始める事も危険信号となります。

学習:

大切な自分の人生を、会社や社会の事情で決められる事がいかに理不尽な事か、そしてその事がいかに不利益なのか。今回の事からやっと当時者のみならず多くの人がその事を理解できると思います。「やめたいからヤメル」に比べ「やめないといけないからヤメル」ではチャンスが違います。自らの命を運んでこそ運命です。宿命ではありません。「Controll your destiny」です。

【実情2】倒産した会社の人々は今

もちろん倒産した会社に属しておられた方からのご相談は増加しています。倒産した各社の方々からのご相談としては、海外勤務の方からの方が、国内の方よりも早く始まっていた事。そして今だに海外の方が多い事も特徴的です。前述のように夏までに会社を移った方もおられた訳で、残った人の現状としては、新聞でも報道されたようにとても厳しい状態です。35歳以上では200名程度しか求人がありません。システムや金融商品開発など理系出身者や、専門性の高い人材が市場で求めれています。20代は営業ができるから大丈夫だと思われがちですが、それでも大変厳しい状態です。中には理系出身者の35才以下の方で、もう金融や大手は嫌だという事で、技術系ベンチャーにも移る事を考えている人もいます。

指摘:

大企業とベンチャーの倒産はこんなに違う。

山一など金融機関が倒産したのと同時期に、店頭公開の会社やベンチャー企業なども何十億単位の負債を抱えて倒産しました。しかしここで指摘しておきたいのは、倒産の報道があったベンチャー企業の場合には、翌日にもう『あのベンチャー企業にいた営業、技術者、経営者が欲しい。』との求人問い合わせがかなりありました。反対に、大手企業の場合には求人依頼がありましたが、『優秀な人も混ざっているだろうから、万が一いれば紹介してくれ』という程度のものでした。ベンチャー企業に勤めていた人は、外資系やベンチャー企業から、自立し市場に挑戦する若い気持をもった人材として市場で評価されます。

学習:

会社名ではなく自分の力で仕事をしたきた人なら、大手にいてもベンチャーにいても、焦る必要はありません。焦っていない人達の中には、あきらめて焦っていない人や怒りを超えてあきらめている人もいます。人災とも呼べる経営者のミスからくる倒産でも、どこか自分も関与していたという漠然とした意識があり、日本全体として天災のように認識している事も今の世情を反映しています。そうして身を守るのが良しとされているだと思われます。

「大手企業が倒産した場合には、仲の良い系列企業を受け入れ先企業として会社側が紹介してくれるが、ベンチャー企業が倒産した場合にそんな保証もない」と、一連の報道を読み違えている人が今だに多くいます。しかしこれは間違いです。市場の原理では、質、コスト、時間(タイミングとこれからコミットメントしてくれる時間)が大切です。ベンチャーでは会社そのものが変化への挑戦ですから、従事者が再就職する場合には会社に依存しなくとも市場が評価してくれます。もとよりそんな事も覚悟の上でベンチャーを選んでいる事を市場が評価しています。大企業が評価されるのは、一般ビジネスマンとしての基本的研修がしっかりされている点で、20代ではそれが価値を持ちます。それ以降年齢での専門性がない事を市場は厳しく見ているという事です。また賃金の問題としては、大企業なら平均賃金が700万円程度でも、中小企業では500万円程度でしょう。ですから大企業の方が、転職した場合、確実に賃金が下がります。実力が本当にある人から一度は下げても、下がった事に固執せず、入社後また上げられるベンチャー企業を捜してみてはいかがですか?これから成長する企業とは、やった分だけ報酬を出す企業です。報酬、機会を与えな古い人事制度では、大企業でも、ベンチャーでも、外資系でも、これからは生産性の高い人材を留保できず、逆に社内にコスト高の人材ばかりが余るという本当の人材難を迎えるでしょう。

【実情3】歴史的出来事と今後

中小企業の倒産は増加の一途です。加えて大企業も倒産し、あげくは雇用や産業の創造と期待されているベンチャーまでもが倒産する。こうも倒産ばかりだと一体どこに雇用が残るのでしょう?どこに雇用が生まれるのでしょうか?また大手企業の倒産も、経済不況を、過去に日本は何度も経験してきたはずです。では今度の不況の後、再生し、雇用や産業の創造があるのでしょうか?

指摘:

山一が倒産した際に筆者はアメリカの著名大学院で、キャリアデザインセミナーを開催していました。丁度、スタンフォードで経済学の博士課程で学ぶ方と話をした際に、「近代経済学のマル経も歯が立たない。新資本主義、グローバルな経済活動の中では、明らかに数量経済を含む高度な金融や経済の理論が働いている。」「学校で教えるコスト」、「学ぶコストの無駄」について話が弾みました。また突然の山一証券倒産の情報で、金融機関からの派遣生を中心に、いつもより多数の学生がセミナーに参加されました。海外にいる日本人の方がはるかに危機感があります。「自然災害と違い、人的災害なんだから予測はつくはずだ」「自分の身の振り方は、自分で事前に判断できるはず」という厳しい意見が支配的でした。

また最近は日本の企業派遣生に対するアメリカの大学院の評価が下がっているという話があります。せっかく教育した人材を社会、組織が活用していない。それ以外の国からの学生、中南米、アジアの学生に教育投資を行った方が、産業の為、アメリカの為になるというロジックです。公式にはこの事は大学側に否定されても、サブマリン(いつまでも深く会社に潜り、表に出て能力を示さない)と教授に呼ばれている事も事実です、またMBAさえ取れば、自分の能力に関係なくコンサルタントか投資銀行になれると、安易に考える日本人モラトリアム派MBA希望者が多いようです、アメリカの大学院が日本人候補者に対する評価を下でも仕方ありません。常に教育の質を自ら問いかけているアメリカのトップスクールに比べ、逆に日本では2000年になれば、人口減少で、需給バランスが丁度となり、どんな人も大学を卒業できるそうです。今後、市場が必要とする人材を教育するシステムからはますます乖離し学生集めに奔走してゆく気配です。

しかし一方で、日本の企業経営の良さ、社会の良さを指摘する人も数多くいます。80年代からこの声は引き続き存在しています。国内外で日本の現実を気分ではなく、事実事項で判断する必要があります。しっかりとした方針と方向性を持って現実を判断して行かなくてはなりません。NASAがリストラされ、ウォールストリートに流れた人材が今の外資系金融機関の商品開発や情報化に貢献したように、日本でも金融ビッグバン、人材ビッグバンを迎え、全く違った産業が起る事を期待しましょう。

学習:

問題解決の糸口はどこにあるのでしょうか?答えはキャリアは自分で創る、雇用、仕事は自分で創るということです。人生を自分で創ると言えます。そしてその人生は『自分の心の中にあります』。選択の時代の意味を、情報の選択、会社の選択と感違いしている人がいますが、そうではありません。キャリアパスとは戻せない自分の人生の径です。未来のあなたを実現化できる能力と意志は、ベストを尽くし径を築いてきたあなたの中にしかありません。それ以外の資源は自分の外にもあります。それが人脈と組織です。

倒産しても転落しないで、展望をもちキャリアを展開する「展職」のための17カ条

1)自分の心にどう生きたいか素直に尋ねましょう。

過去の成功は売り込みましょう。しかしそれに、こだわらず、失敗からは学び、願望にこだわらず、人生の価値を定めましょう。外の情報の選択ではなく、心からやりたい、やれる事を問いましょう。人生のコンテキスト、すなわち脚本、カバーストーリーを描いてみましょう。

2)時間を大切に

20代は未来の時間、可能性、潜在能力、学歴、資格が売り込めます。30代ではそれだけでは不足です。実績など具体的な証拠が2つ以上必要です。35歳ともなれば部下の管理ができる事が更に必要となります。出番があればいつでも経営ができる能力と意識が必要です。何れにしても35歳以降のキャリアはそれ迄に創られたその人のキャリアへの投資で決まります。大きな意味で、35歳とは人生の経営計画の中で損益分岐点と言えるでしょう。

3)「やりたい、やれる、やらせられる」ができるか

30代ともなれば部下に仕事、市場を創ってあげられる程でないといけません。部下の展職を社内外で支援できるリーダーになっておく必要があります。キャリアマネジメントで失敗している人には部下、顧客、投資家もついてきません。会社名やタイトルではなく、人から信頼される見える実績が必要です。更に日頃から3名程度に推薦文を頼める人を見つけておく事が必要です。日本の会社組織では、そんな事は無理だとおっしゃる人はいませんか?そんな事はありません。過去の上司のみならず、専門家同士の著名な人、顧客側の人などからも、個人的にその人の業務遂行能力を証明してもらう事ができるはずです。外資系に応募する場合には最低2名以上の推薦者や評価者が要ると思ったおいた方が現実的です。

4)資格に頼らず

倒産や失業が増え、不況になれば必ず資格や学歴に頼る人がいます。しかしながら実務を伴わない資格は単なる教養です。CPA、MBAなども市場では数的過剰です。アクチュアリーや証券アナリストも同様です。受験学校の広告に騙されない事です。25~6歳までなら資格がフックとなり、キャリアの展開につながるケースもありますが、30歳以上では難しいでしょう。年配者の弁護士や医師がリストラを受ける時代、そんな資格を持っている人までが職探しを行っている現実を知りましょう。資格を取ったら実務で使ってこそ評価されます。また資格に加え実務経験があれば人間関係はどうでも良いと考えている人もいますが、これも35歳以降にリストラに合う可能性が高くなります。

5)実績、証拠が必要

資格や学歴は、パスポートになる事はあっても決してビザにはなりません。しかし能力の証拠にはなり、証拠としての資格や実績を職務経歴に記載しておかなくてはなりません。企業名、部署名、タイトルだけでは意味を持ちません。業務の構造と状況を判り易く、何時、何処で、誰に、何をした結果、どうなったか、セールスポイントが何か、数字的な説明を付し、第三者にも理解が可能なもので、且つ専門家が評価できる職務経歴書が必要です。経歴書に記載できる経験をしておく事をレジメメイクと言います。キャリアの中味、コンテキストにあたります。

6)他人のせいだけにしない

批判はOK。愚痴はNG。今の時代、誰でもそこをやめる自由があったはずです。決して誰かの意図でそこにいた訳ではありません。

7)業務が英語でこなせるように

英語のプロである必要はありません。TOEICも勧めません。日本国内でしか通用しないテストではグローバルとは呼べません。TOEFLであれば大学院留学の際にも海外就職の際にも活かせます。国際語としての英語を捕え、自分の普段の業務ができる程度の英語力が最低必要と考えて下さい。読解のみならず、筆記と会話が特に大切です。キャリアの選択が10倍にもなります。逆に語学だけでは全く価値がありません。業務で活かせてこそ、中味があってこそです。「海外経験が活かせる仕事、語学が活かせる仕事などが希望です」と言った古い非現実的な願望を持つ人が後を絶ちません。繰り返しますが、どんな業務をクロスボーダーでできるかが大切です。

8)付加価値人材になろう

会社や社会に付加価値をもたらした経験が評価される事は言うまでもありません。しかし誰が担当してもそれに近い事ができるのでは意味がありません。競争力を持つ製品を売っていた事も意味がありますが、会社を変わり新たな商品を売れる保証にはなりません。付加価値のある人とは、問題解決能力と意志を持ち、それを表現でき期待値を与えられる人の事です。

9)データベースでなく、機能する人脈を創れ

名刺の数ではありません。普段から社内外、同/異業種、同/異職域の人との間で、情報の交換と共有を行えるようなネットワークを創りましょう。挨拶できる程度の異業種交流では不足です。本音で話し合える、ステークホルダーと呼ばれるような、人生の味方、先輩、先生、仲間が必要です。ワークしてこそ人間ネットワークです。心地よい意見、異論、反論も併せて貰える味方が必要です。

10)私生活を大切に

しっかりとしたキャリア、人生の設計し、それを実行する為には何よりも家族が大切です。家族はキャリアのステークホルダーです。家族はあなたのキャリアに賭けている訳ですから、何らかの幸せを配当として支払わなければなりません。ステークホルダーを裏切る事はできません。キャリアを変わる時に同意は必要です。説得できなくとも納得を得る事が必要です。普段からの信頼、信用が不可欠です。

11)求人広告情報だけでなく、生きた情報を大切に

求人広告に掲載できる情報には限りがあります。しかも情報は変化します。日本的人事制度では、組織の方向、事業計画、タイトル、直接の上司、職責、職務内容、使命や目標が採用時に曖昧なまま社員になる場合が多く、途中から入る、文字どおりの中途半端な採用となります。できるだけ報酬制度や処遇面を採用前に取り決め、採用通知、入社承諾書、或いは雇用契約書として、しっかりと文章でその内容を明記しなくてはなりません。外資系では、企業が求めるその人材の入社後のキャリアを前述の内容で明記し文面化します。人を採用するのではなく、その仕事を達成するキャリアを採用するという事です。ベンチャーも含めて日本の企業では、これができている場合がまだまだ少ない状況です。また外資系では社長と言えども交代が盛んで、その為にも文章が必要です。但し新社長が決まったら、再度採用されるつもりで接する必要があります。前の社長との約束が反故にされるケースは現実あります。外資系では「人」で取らず、組織中の「仕事」で取ります。どんな上司になるか、日本企業以上に上司との相性は大切です。

12)200社の中から1社

本当に自分に合った会社を徹底的に捜したいなら、まず200社程度に職務経歴などの資料を送付します。電子メールも有効です。もちろん明快にキャリアデザインがあるなら、十分な調査を行いその対象となる数社にはカバーレターを各々に添付すべきです。これらの中から20社程度から連絡をもらい、その時点で「会社内容」ではなく「仕事内容」を中心に十分に調査・吟味し、本当に面談すべき10社程度を選びます。その10社と面談すれば半数は内定があり、そこから大切な1社を選ぶ事ができます。本来新卒の時にこの程度の事をすべき時代なのです。写真や印鑑が必要な履歴書ではこんなに大量に応募できません。本当に欲しい人材であれば、採用側もそんな形式にこだわらないはずです。インターネットをもっと活用しましょう。例えば日本に参入しそうなアメリカのベンチャー企業に日本参入の際の社長を買って出ようと申し出たケースでは、40社余りにメールを発信し、半数程度の企業から返答が有りました。面談希望も数社ありました。エンジニアであれば、アメリカの企業に直接インターネットで応募できる時代です。

13)人生を労働市場で消費するな。自己責任で投資すべき

労働市場では、求職者は売り手、求人者は買い手です。しかし相互に投資となるキャリアもあります。但し余程の期待値が必要となります。若いか、実績があるかです。人生を消費せず投資しましょう。

14)自分の能力と意識を分析し、それらを再構築し、競争優位にたてる業種、領域、業界、商品を選ぶべき

コアコンピテンスと呼ばれる、他の候補者と比べて競争優位にたてるキャリアを備えておきましょう。それらが無い分野では競争すべきではありません。

15)インターネット、国会図書館は情報の宝庫

今やかなりの情報を自分で捜す事ができます。企業情報、技術情報、市場情報もかなりの精度まで知る事ができます。面談前にできる限り調査しておくべきです。

16)ジョブマーケットで自分を商品化する発想

商品化する。マーケティングしてみる事です。差別化できる能力と意志を明確にしておくべきです。毎年市場調査としてヘッドハンターと自分の価値を相談しておくべき時代が来ています。人事や上司との相談では、どうしても企業内評価で終わってしまいます。

17)いつでもキャリアメーカーと呼べるヘッドハンターを味方に

一般求人雑誌、業界新聞、業界雑誌、インターネットにも掲載されていない情報、それがマネジャー以上、役員や新規事業などの採用情報です。時には企業合併や吸収、或いはジョイントベンチャーや新規参入準備のための採用情報です。そんな採用情報をキャリアメーカが持っています。外資系のマネジャーや社長などは採用側にいるだけでなく、常に自分の市場価値に気を配り、マーケットにも非常に精通しています。専門家やマネジャーであれば、優秀なキャリアメーカーを最低3名程度は知っておく時代です。採用の為にも、自分の番となる時の為にも。

まとめ

最近は若い世代の方が冷静で現実的なプランを立てるのに比べ、中高年と呼ばれる人ほど感情的で非現実的なプランを立てる傾向があると感じるのは、筆者だけでしょうか?願望だけでプランを立てる挑戦する若者がいても構いませんが、いつまでも願望だけで現実感のない30才前後の人達も増加しています。一方で、現実を良く知る事と、諦める事の混同はどちらの世代にもありがちです。ビジョンは決して非現実的な志ではありません。志が決まれば、意味のある努力でそれを実現化すれば言い訳です。これは年齢に関係の無い人間の営みそのものなのです。

関連情報

コンサルタント

渡邊 光章

株式会社アクシアム 
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

渡邊 光章

留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)