サービス案内“展”職成功者インタビュー
杉浦 圭祐氏
ソースネクスト株式会社 プロダクトGroup 製品企画Team シニアチームマネージャー
本当にやりたいことを自覚した、貫いた。
“ぶれない軸”が、自らの成長を加速させる
「製品を通じて、世界中の人々に喜びと感動を広げる」というミッションのもと、業界や市場の常識を覆す製品、サービスを提供し続けるソフトウェア総合メーカー、ソースネクスト株式会社。2013年3月期から3期連続で過去最高益を更新し、今年7月には創業20周年を迎えるにあたり、本社を汐留の新オフィスに移転。ますますその成長は勢いを増しています。
そんな同社にて、年間100もの製品やサービスの企画・開発を手がけておられるのが、杉浦圭祐氏です。杉浦氏とアクシアムの出会いは今から5年前。キャリアについてのご相談を重ね、同社をご紹介いたしました。現在、最年少の部長職として活躍をされている杉浦氏に、当時からの担当キャリアコンサルタントである渡邊光章が、お仕事、転職、キャリアなど様々なお話を伺いました。
「展」職から5年。現在、最年少部長として活躍
渡邊
お久しぶりです。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。杉浦さんが新しいキャリアの機会をどのように選択され、その機会からさらにどうキャリアを伸ばしてこられたのかなど、お話を伺えればと考えています。どうぞよろしくお願いします。
さて、早速ですが、この10月に部長職に就任されたそうですね。おめでとうございます! なんと現在ソースネクスト様の中で、最年少の部長でいらっしゃるとか。
杉浦氏
ありがとうございます。正式なタイトルとしては、製品企画チームのシニアチームマネージャーを拝命しました。
渡邊
弊社がお手伝いしてご入社されたのが5年前。杉浦さんが26歳のときでしたね。それから29歳で課長職になられ、31歳で部長職に。素晴らしいご活躍で、私たちもとても嬉しく思っています。ご入社されてから現在まで、どのようなお仕事をされてきたのですか?
杉浦氏
製品企画チームの一員としてずっと仕事をしてきました。今はマネージャーとして、平たく言うと弊社が今後発売していく製品を、どのような名前で、いくらで売るかといったことを決めています。その中には、一から製品を自社で作ろうという場合もあれば、海外の優れた製品やサービスを見つけてアライアンスを組み、日本で販売をしようという場合もあります。
渡邊
なるほど。自社開発はもちろん、海外製品の日本での販売の提携、協業を進めていくお仕事もされているのですね。5年前にソースネクスト様へご入社を決められた際、どのようなことが決断のポイントだったのでしょうか?
杉浦氏
そうですね…海外に関わる仕事ができるか、というのは一つのポイントではありました。あとは、あまり大きすぎない人数で、自分が主体的に仕事をやれる環境がいいなと思っていました。職種には特にこだわるつもりはなかったのですが、アクシアムさんでキャリア相談を受けさせていただき、やはり企画なり開発なりに携わりたいと思うようになり、その領域で案件を色々とご紹介いただきました。
そんな中、ソースネクストという会社を紹介され、面談の場で社長の松田から「ならば企画と開発を、まずは両方やってみてくれ」という意味のことを言ってもらったんです。それから、自分なりに会社について調べる中で、ソースネクストが海外製品を日本でローンチしていく流れのようなものがわかりました。そうして漠然とながらも入社後の仕事をイメージできたことも、決断を後押ししたと思います。
ぶれない「3つの軸」でキャリアを伸ばす
渡邊
杉浦さんは海外の大学をご卒業された後、日本に戻られて日系企業でキャリアを積んでおられました。ご相談をお受けした時、海外と関わるお仕事がしたいということに加えて、今後はもっと自分で主体性をもって仕事をしたい、もっと大きなやりがいを持ちたいと希望されていたと記憶しています。先ほどご自身でもおっしゃられていたように、職種などにこだわりはお持ちではありませんでしたが、「何かを自分で生みだしていきたい」という熱意をお持ちでした。
つまり、「グローバル」「企画」「開発」という3つが杉浦さんのキャリアのテーマであったように思うのです。ご入社後、そのテーマ通りのお仕事ができていますか?あるいはテーマに変化はありましたか?
杉浦氏
「企画」「開発」という点では、ストレートにそれらに関わる部署に配属され、希望していた仕事ができています。「グローバル」に関しては、日本にいて海外には出張ベースで数ヵ月に一度行く程度ですが、海外の会社とのやりとりが多く、一日の半分くらいは英語で仕事をしています。じつは入社して最初に担当したのが、ルーマニアの会社。いきなり英語での業務遂行が必要でした。その意味では、3つの希望とも、ありがたいことに叶えられていますね。仕事は大変ですが面白く、これらの軸を今後も大切にしたいと思っています。
渡邊
いきなり欧州の会社を担当されたのですか。それはタフですね。ソースネクスト様でのお仕事がスタートしてから、どれくらいで手ごたえを持たれましたか? ここでやっていけるぞ、という自信が出てきたのはいつ頃でしょう?
杉浦氏
半年くらい経ってからでしょうか。最初の3ヵ月で自分が今何をしなきゃいけないかが分かり、仕事の流れに違和感がなくなりました。それからさらに3ヵ月で、だんだん周りが見えてくるようになりました。チーフのタイトルで入社したのでジョブディスクリプションには現場力強化、後輩の指導などが含まれていました。その頃になってやっとそれらチーフの仕事を始められたように思います。そうして半年後、自分の仕事でメンバーに影響力を持てるようになっていった気がします。
渡邊
じつは先日、松田副社長が、杉浦さんの良さは「ぶれないこと」だとおっしゃっていました。先ほどの3つのテーマ、キャリアの軸にあたるものがずっと変わらず、ぶれることがないのがいいと。そこがぶれない方というのは、仕事を本当に楽しんで、だからこそ大きな成果を出せるんですよね。今日久々に杉浦さんにお会いし、目がいきいきと輝いておられる様子を拝見して、やはりと納得いたしました。
それから「グローバル」「企画」「開発」というのは、松田社長が創業時から事業の原点にしていらっしゃること。それが杉浦さんご自身のテーマと合致している点が、ご入社から5年間、ずっとソースネクスト様でご活躍されているポイントのように思います。
チームをマネジメントする立場で、奮闘する日々
渡邊
杉浦さんの部署では、年間にどれくらいの商品タイトルを手がけられているのですか?
杉浦氏
自社で企画・開発するもの、海外から発掘して日本に持ってくるものの両方で、約100タイトルです。
渡邊
そんなにも!業務、あるいはメンバーを、日々どうやってマネージされているのでしょう?
杉浦氏
ソフトウェアの中にも、人によりそれぞれ得意領域があります。ですから個々の製品をその領域が得意な人にアサインしていくようには心掛けていますね。それからチームの中にひとり、管理的な働きをしてもらうメンバーを作り、細かな全体管理は任せています。ですから私自身は、勿論数字を作ったりシミュレーションをしたりもしますが、PCの前にいるよりは人と接している時間が多いです。
渡邊
人と接するお仕事というのは、社内の方とですか? 外部の方とですか?
杉浦氏
まず私の役割として、外部の人とコミュニケーションを上手くとり、いかに「ソースネクストとやってみたい」と思ってもらえるかがあります。提携や協業をしようという段階にきたら、実際にどのようにして進めていくかを交渉していくことがあります。それから、やると決まったものを社内に伝えて旗を振り、他部署に働きかけて実現していくことも担わねばなりません。ですから社外と社内の両方で、人に接してそこをどう動かすかが私のメイン業務であり、日々奮闘していることです。
渡邊
そのような業務をこなしていかれるため、周囲とのコミュニケーション、リーダーシップなどの能力開発が必要だと思いますが、社内でのサポートはありましたか?
杉浦氏
はい。当時の上長から「チームのミーティングの中では、こういう振る舞いをした方がいい」など具体的な指導をいただきました。それから毎日役員が集まる会議があり、企画部隊はそこで新製品の決済をとるのですが、その場では相当鍛えられ、社長以下、役員からアドバイスももらいました。
チーフ時代の部下は5人。いまの部下は20人。組織や業務をマネジメントしていくことの大変さを噛み締めています。これまでは入社以来、自分が仕事をしてきた企画チームにおり、細かいことまで理解できている状況でチームをリードしていました。今後は直接業務経験のない部署の管理もしていく必要があります。とても大変でしょうが、楽しみにもしています。
渡邊
杉浦さんのお話を伺っていると、まるで30代半ばから後半の方がお話される内容のように感じます。そういったことに本気で向き合うようになるのは、多くの方の場合、36~38歳あたりですから。杉浦さんの場合は、それが非常に早い。5年ほど人よりキャリアを先取りされているようです。これはまさに、ソースネクスト様でご自身を磨いてこられた、5年間の賜物なのですね。
透明・公平な組織、誠実な仲間に恵まれて
渡邊
杉浦さんが考える、ソースネクスト様の魅力とは何ですか?
杉浦氏
すごく透明性のある会社だという点でしょうか。よく分からないところで会社の業績が決まってしまい、自分は頑張っていたのに…と落胆するようなことは、弊社ではありません。自分がやってきたことがダイレクトに反映されているのを実感できる組織だと思います。査定もしかり。評価はこうだった、だから給与はこうなります、とすべてフィードバックされるんです。これはとても公平なやり方だと感じています。
渡邊
御社では、個人の成長をとても大事にされていて、部下の管理育成、アプライザルにすごく時間をかけておられるそうですね?
杉浦氏
はい。上長の指導・サポートもそうですし、外部講師を招いての研修なども用意されています。半期に一度、個々人の査定があるのですが、その際には課長以上の管理職全員が集まって缶詰になり、ひとり一人を評価します。その評価は直属の上長から個人にフィードバックされ、課題などが丁寧に説明される仕組みです。
渡邊
管理職の方が全員で協議して評価されるのですか!それはすごい。ご自分が直接仕事を一緒にしていない社員にもコメントをするわけですね。非常にユニークな制度で驚きました。
杉浦氏
直属の上長が評価をすると、基準が狭くなる恐れがあります。手間はかかりますが、全員が集まって評価を定めていくと、管理職の目線も合ってきますし、その個人の直属の上長にも色々な気付きがあるんですね。だから弊社では査定にすごく時間をかけています。課長になり、その会議に初めて出席したときには…大変で驚きました(笑)。ただ、上の人たちってこんな視点で評価をしてくれているんだな、と知ることができ、学びも多かったです。
渡邊
社員の皆さんのパーソナリティー、社風などに、何か特徴はありますか?
杉浦氏
とにかく誠実な人が多いと思います。人間関係がスムーズで、すごく働きやすいです。あとは、年齢・性別は本当に仕事の評価に関係がなく、皆のびのびと仕事をしています。ロジカルに考えて優れたものであれば、立場や年齢に関係なく取り上げられ、実際の製品やサービスになっていきます。それがすぐに実感できるので、非常に面白い環境ですね。
渡邊
なるほど。社長、副社長のお人柄も影響しているのかもしれませんね。杉浦さんが5年前といい意味で変わらないもの、ぶれないものを持ちつつ、さらに飛躍されているご様子を拝見して本当に嬉しく思いました。今後の益々のご活躍を願っています。本日は貴重なお話をありがとうございました。
Profile
杉浦 圭祐
ソースネクスト株式会社 プロダクトGroup 製品企画Team シニアチームマネージャー
米国の大学を卒業後、情報システムの設計・開発や、デジタルコンテンツの設計・制作を行う企業にてキャリアをスタート。海外新規顧客獲得のマーケティングおよびプロモーションなどを手がける。2012年6月よりソースネクスト株式会社に参画。入社5年目となる現在、最年少のシニアチームマネージャーとして同社の成長を牽引している。
University of Central Oklahoma,Speech/Language Pathology卒
インタビュアー/担当キャリアコンサルタント
渡邊 光章
株式会社アクシアム
代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント
留学カウンセラーを経て、エグゼクティブサーチのコンサルタントとなる。1993年に株式会社アクシアムを創業。MBAホルダーなどハイエンドの人材に関するキャリアコンサルティングを得意とする。社会的使命感と倫理観を備えた人材育成を支援する活動に力を入れ、大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動など多数。
大阪府立大学農学部生物コース卒、コーネル大学 Human Resource修了
1997年~1999年、民営人材紹介事業協議会理事
1998年~2002年、在日米国商工会議所(ACCJ)人的資源マネージメント委員会副委員長
著書『転職しかできない人展職までできる人』(日経人材情報)