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イベントキャリアフォーラム
「ソーシャル・イノベーションの実践」イーソリューションズ代表 佐々木氏&青山社中代表2011.04.14
アクシアムでは、2011年3月5日(土)に『ソーシャル・イノベーションの実践~次世代ビジネスリーダーのチャンスと責任~』と題したキャリアフォーラムを開催いたしました。
本フォーラムは、日本を担うビジネスリーダーのキャリア形成を支援する目的で開催しているものです。 第7回目を数える今回は、イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長の佐々木経世氏と青山社中株式会社 筆頭代表(CEO)の朝比奈一郎氏をお招きし、若手ビジネスパーソンに向けて熱く語っていただきました。
第一部 基調講演
ソーシャル・イノベーションの実践
イーソリューションズ株式会社/代表取締役社長 佐々木 経世氏
はじめに…
◆株式会社アクシアム/代表 渡邊光章からご挨拶
海外に目を向けますと、「ジャスミン革命」といわれるようなソーシャル・メディアが引き起こしたといわれる社会変革が起きました。あるいは日本でも「社会起業家」や「ソーシャル・イノベーション」という言葉が取り上げられることが増え、「社会変革をどうやって実現するか」ということが盛んに議論されるようになってきています。
ただ、実際にそれを実現するのは容易ではありません。 例えば、日本におけるNPO団体は4万以上ありますが(特定非営利活動促進法に基づく認証数)、その経済規模で3000万円以上あり、かつ財務的に自立しているといえるところは全体の2%程度といわれていて、活動を継続することもなかなか難しい状況にあります。
社会起業家としてNPOや事業を起こし社会に貢献したいという方は確かに増える傾向にあります。 ただ、そうした志高い方は増えているものの、十分な専門性をお持ちでない方も多く、必ずしもうまくいっているとはいえません。あるいは専門性を十分持った方がNPOを立ち上げようとしても、報酬を半分にして飛び込まなくてはいけないなど、厳しい現実もあります。 そうしたリスクも飛び越えてNPOを起こしても、前述のとおり継続はなかなか難しいものですから、その後団体が解散となってしまったときなど再就職をしなくてはならないというケースも多くあります。そこでもまた苦労があります。
また、キャリアという観点で見てみると、皆さんの「属性」というのが大事な要素になるのですが、それについても深く考えておく必要があります。働く業界、勤める会社、卒業大学、地域コミュニティ、趣味の集まり、関心のあるテーマの団体など、いろいろな「属性」の中で自身の社会的位置づけやキャリアは形成されます。ところが、社会起業家として「社会的問題を解決したい」あるいは「社会に貢献したい」という方は増えている一方、そこでいう「社会」とは何を示すのか、あるいはどんな具体的な問題を解決するのかという問いに明確に答えられる方は、案外少ないものです。皆さんがそれぞれ異なる「社会」を想定しているのは当然ですしそれはかまわないのですが、皆さん個々人がより具体的に「社会」を想定し、「誰のために」貢献したいのかをイメージできるよう、本日の話を聞いていただければと思います。
最後に、ビジネスリーダーについても同時に考えていただきたいと思います。リーダーについては、これまでさまざまな考察がなされていますし、アクシアムのフォーラムでもいろいろな切り口で取り上げてきましたが、今回はまた違った観点から考えていければと思います。
第一部 基調講演「ソーシャル・イノベーションの実践」 要約
◆イーソリューションズ株式会社/代表取締役社長 佐々木 経世 氏
私の会社は、コンサルではなく事業プロデュースをやっている会社です。(事業を行うにあたり)社会的責任ということを常に思いながら取り組んでいます。(社会貢献ということにおいては、)NPOの方々が素晴らしい志を持ってやっていらっしゃることを尊敬しておりますが、そうした方々と志を同じくし、そしてそれをできるだけ継続できるようなビジネス・フレームワークを作り、できれば未来をデザインするような事業をプロデュースしたいと思いやってきています。そして、自分の実力は横に置きつつも、心の中では「国家的課題」を考えて行きたいという思いをずっと持ちながら取り組んでいました。
そんな中、三井不動産様が柏の葉キャンパスで フューチャーデザインセンター(FDC)を当時の東京大学総長であられる小宮山宏先生と作られることとなった折に、その「国家的課題」に取り組むFDCのセンター長を一緒にやらせていただくことになりました。
本日は、そこでやってきていることやイーソリューションズで経験してきたことなどをもとに、「ソーシャルな課題を考えるにあたって重要なこと」を皆さんにお伝えしたいと思います。
【ソーシャルな課題を考えるにあたって重要なこと】
- 「どんなに複雑なものごとでも全体像はどうなっているのか」ということを常に頭に置く
- その中で、今自分が見ている、あるいは考えているのはどの部分かを把握する
- そこにどんな課題があって、その課題のメカニズムがどうなっているのかを考える
- それをどうやって解決していけばよいのかを考える
この話をしていくにあたり、より理解を深めていただくために8つの事例を用意しましたので、駆け足で説明していきたいと思います。事例を通じ、なるほどと理解してもらうのと同時に「僕だったらもっとこんな風にできるのに」などとイメージを膨らませてもらえたら嬉しいです。
またもうひとつ、私の世代こそがやらなければならないと思っていることについてお話します。
私は、渡邊さんと同じ53歳になりますが、Japan as No.1 といわれた時代を生きた世代です。 同世代の人たちは、よく「今の20代、30代の若い人はなってない。元気も夢もない。」などと批判めいたことを言う人がいますが、ちょっと待っていただきたいと思います。Japan as No.1 と言われるまでになったのも、高い教育水準を作ったのも、決して僕ら50代のおかげというものではなく、諸先輩方がそういう環境を作ってくれて僕らにやらせてくれたからこそのものでしょう。だとするならば、僕ら50代が今の20代30代の若い人たちが頑張れる環境を作るべきだと考えます。世代間の連携プレーです。諸先輩が僕らに環境を作ってくれたように、今度は僕ら50代が皆さん20代30代の皆さんに環境を用意し、機会を与えて行くことができればと思っています。
では、これから8つ事例を駆け足でご紹介します。
1. チーム マイナス6%
- 「クールビズ」に代表される二酸化炭素削減を目的とした国民運動
- 従来の国民運動とは異なる運動で、現在3万5千社を超える法人、300万人を超える個人がチーム員となり、大きな成功を収めている。
イーソリューションズは、この国民運動の「基本戦略」を作り、環境省に提案し、運動の実行支援を行いました。
従来の国民運動は、「目的が組織を作ることで終わってしまう」、「国が方針を発表するだけで企業・国民が自主的に動くと思っていた」、「年度が変わると運動に継続性・一貫性がなくなる」、「メッセージ・情報が多すぎるために国民にポイントが理解されにくい」など問題がありました。
この問題の全体像をとらえ、「国」、「企業」、「企業の個別啓発活動」、「国民」などがどのように連携しているかを明らかにし、課題を整理しました。すると、「(個別企業が発する)メッセージが多様でタイミングがバラバラ」、「だから、意識は高いが行動に至らない」などの関係性も見えてきました。
そこで、「実施本部」というものを作り、集中キャンペーンを実施して施策のタイミングを同期、取り組みも6つに絞って展開しました。そして、それをフォローする企業がつながって連鎖反応を起こして行ったのです。
この活動の一番のポイントは、まさに「全体像」を捉え、何が問題かを抑え、国や企業がそれぞれ何をしていったらよいかを明確にし、どんな連鎖反応を作ればよいかを設計したことにあります。平成17年度から3年間でクールビズ、ウォームビズを繰り返しメッセージとして遡及させ、大企業80社近くのCEOにも自らクールビズを実践していただくなどで啓発活動を行い、連鎖反応を作りました。
結果として、冒頭に示したようなこれまでにない規模の歴史的な国民運動として大成功を収めたのです。 経済波及効果も年間で3000億円超(平成17年度)、3年間で1兆円近くの効果も出たと言われています。 アジア発の温暖化防止の運動として各国メディアでも取り上げられ、クールアジア、クールUN(国連)として発展するなど海外にも大きな影響を及ぼしました。
この「チーム マイナス6%」やクールビズの活動は、私たちイーソリューションズの手掛けたプロジェクトの中でも一番知られたものであると思います。 その成功のポイントは、「全体像を捉え、いろいろな関係者がその同じ全体像を眺めながら一緒にやっていった」ことにあると思っています。ソーシャル・イノベーションのような大きな課題を解決するためには、この「全体像を捉える」ということがとても重要です。
2. フード・アクション・ニッポン(農水省/電通)
- “FOOD ACTION NIPPON” は、農林水産省が平成20年度より食料自給率向上に埋めて推進している国民運動。平成21年度、イーソリューションズは運動全体の効果測定事業を受注し、実施。
- 日本の食料自給率は先進国の中でもかなり低く、カロリーベースで40%となっている。輸入に依存する部分が大きすぎることは、安全保障上問題がある。
- (例)ロシア禁輸政策(干ばつ)による小麦の価格上昇、オーストラリアの洪水による小麦の質低下、残留農薬による困難な食糧確保、燃料高騰による生産(台湾漁船)への影響で魚が高騰、投機マネーによるカカオ豆の高騰、穀物運賃の急激な上昇など
このような状況を踏まえ、フード・アクション・ニッポンとして食料自給率向上に取り組んでいます。その一つとして米の消費量が少なくなっているという課題について検討しました。まずここでも、生産・流通・消費の各段階においてどこに問題点があるのかということを整理し、全体像をとらえ、課題のメカニズムを明らかにすることをしていきました。
細かくは省略しますが、仮説レベルでどの課題がどれだけ大きく響いているのかなどを専門家の方々の話を聞きつつ一次分析レベルでまとめ、そして解決策を練り上げて行きました。
例えば、お米の消費を増やすことで自給率を上げるということで、「米粉」の活用を推進し、多くの企業の社員食堂のメニューに使っていただくなどしています。そしてこの活動も広がりを見せ、賛同する企業は5000社を超えており、今後もさらなる盛り上がりが期待されています。
ここでお気づきの方もいるかと思いますが、農林水産省としては普通の企業を巻き込むというところまでは責任範囲がないので、どうしても企業が動くところまで持っていけないことが、(官公庁が国民運動を推進する際の)もう一つの課題だったと言えます。それを我々イーソリューションが入ることで実現していったという側面もあるのです。
3. ビジネスジェット
- ビジネスジェットは、「異動時間短縮」、「発着時間自由」、「セキュリティ・プライバシーの確保」などの面から欧米では欠くことのできない必須のビジネスツールとして広く活用されている。
- その経済効果は、①ビジネスジェット関連市場の拡大(1-8兆円) と②利用企業の売り上げ増加(S&P500社で、ビジネスジェットの保有の有無で成長率に大きな差) がある。ビジネス上重要な経営のスピードを上げる重要な役割を果たすものであり、単なるぜいたく品とは異なる。
- 保有台数は米国:17,905機、欧州:3959機、中国:895機(5000機まで増やす計画)、日本:55機 であり、運航回数もNY:22万回、ロンドン:4.7万回、香港0.7万回、日本:0.4万回 となっていて、日本は極めて少ない。
実は、この問題が日本の経済にじわじわとだが、大きく影響を与えていて問題となっています。 アジアの新興国ではビジネスジェットを国の成長戦略の重要インフラとし、その整備に力を入れているのです。例えば、中国や香港、シンガポールでは当日に予約し、24時間いつでも発着ができ、ターミナルから機体に乗るまで数分しかかからず、とても利便性が良いインフラと制度が整っています。
ところが、日本では空港の発着許可にも7日かかるなどそのインフラや制度が整っておらず、世界各国のビジネスジェットを利用するCEOが、日本を超えてシンガポールに行ってしまう、あるいは中国まで来るが日本に足を延ばさないという(日本発着回避の)現象が起きているのです。これがじわじわと日本経済の首を締め始めています。
そこで、現在、国土交通省では、ビジネスジェットの推進に関する委員会が開かれ、更なる制度改正に向けた検討が進められています。 そして、この検討もイーソリューションズが分析・作成した資料に基づき進められているところです。
4. 日本観光産業の振興
- 日本は豊富な観光資源:観る・買う・食べる、交通、安心、文化・芸術 を有している
- これだけ魅力のある国でありながら、観光のインフラが十分に整っていなく、海外からの観光客を取り込めていない。
- 中国人観光客の増加は著しく、2010年から15年かけて5000万人から1億人/年に増えると言われている
- そこで、政府も新成長戦略の中に観光市場を位置付けている
- それに加え、海外からの観光客の増加は地域活性化と(日本を好きになってもらうことで)国レベルでの安全保障にもつながる
こうした背景から、日本の観光産業の振興のための施策を考えました。 例えば、映画による観光地魅力の認知向上を行い、効果をあげています。(北海道を舞台とした中国の恋愛ドラマ等。)実際、世界一の観光国フランスでは、観光庁が有名映画監督を起用したストーリーのある動画(ショートムービー)を作成し、フランスの観光地・ライフスタイルを訴求するなどしていますが、日本はそれに比べると十分な施策ができていません。「直観的な魅力の訴求不足」、「映画等の影響力のあるコンテンツの活用不足」などの問題があるのです。
そこで、この問題を解決すべく、観光業の全体をどのように見ていくかを考え、課題のメカニズムを明らかにし、やはり全体を捉えた事業計画を策定し、観光庁に提言しています。 そしてさらには、日中友好映画週間を開催するなど、政治的な日中友好にも一役買っています。
これも同じく、全体像をとらえ、それをいろいろな人やチーム全体で共有しながら解決策を考えることで、これまでにない有効な施策がつくられていったのです。
5. 新型インフルエンザ(H5N1/強毒性)
- 昨年流行した新型インフルエンザは弱毒性だったが、今後、強毒性の新型インフルエンザが流行する可能性がある。
- 強毒性のインフルエンザが流行すると、かなり深刻な事態になると予測される。
- アメリカでは、流行した際のシミュレーションもしっかり行われ、国家レベルで十分な対策が行われているが、日本では十分な対策がなされていない。
- シミュレーションでは、(水際)対策をすることによって感染を完全に抑えることはできないものの、感染者数の若干の低減と感染ピークを遅らせることによって一定の効果があると予測される。
現状、日本ではこの水際対策レベルでしか対策がされていないので、(米国同様)しっかりと対策をする必要があると考え、提言しています。具体的には、①水際対策で流行のスピードを遅らせ、②流行を遅らせた分の時間でワクチンを作り感染者数を大幅に減らす という策になります。
そのためには、かなりワクチンの供給スピードを上げなくてはいけません。通常約6カ月かかると言われるこのスピードを上げなくてはならず、世界各国はその対策をしています。米国では、国内に大規模なワクチン製造工場を建設し、いざというときにはそれを軍が守ることにしているのです。
ところが日本は様々な問題によりそれが遅れています。
日本でも早急な対策が求められています。
6. 集合住宅における在宅高齢者サービス
- 高齢者の中で、約600万人の方が「買い物難民・買物弱者」となっている。
- 「買物難民・買物弱者」とは近隣の商店街が衰退したりスーパーが撤退などでなくなったりすることで、遠方まで歩いて買物に行かなくてはならない方々であり、この増加が社会問題になっている。
ここでも課題の全体像をとらえ、課題のメカニズムを明らかにし、その解決策を考えました。そこで対策として、NTT東日本、セブン-イレブン・ジャパンが連携し、UR都市再生機構の在宅高齢者サービスを展開するという共同プロジェクトとして起こしていきました。光ファイバーのインフラを使い、高齢者でも使えるタッチパネル型のタブレット端末を開発し、体にいい食材を注文できるネットスーパーのサービスを利用できるようにしたのです。
この事例は官公庁の方とのプロジェクトではありませんが、複数の民間企業で共有して行っており、これもやはり、全体像をしっかりとらえ、それを複数の異なるプレーヤー企業間で共有しながら解決策を作った例です。
7. 再生医療(細胞治療)におけるバイオベンチャーの取り組み
- 脳神経疾患や悪性腫瘍など、現時点で抜本的な治療法がなく、治療が困難だった疾患を治療できるかもしれない「再生医療」という新しい技術/次世代治療
- その「再生医療」の対象となりうる患者の数は米国で約1300万人、日本では約500万人と想定される
このようなニーズの強い疾患領域に対して、米国を中心に多くのバイオベンチャーが水面下で研究を進めています。その中で日本は、「基礎研究」では世界でもトップレベルであり、論文数も3位でありながらも、「臨床研究」の分野では世界18位に甘んじています。せっかくの研究成果(シーズ)を、実用化につなげる臨床研究が十分にできていないといえます。それにはいろいろな理由・問題点があるのですが、その大きなものに「規制の未整備」ということが挙げられます。一言でいうと、新しいことをやるのに行政が後手になり、時間とコストがかかるようになってしまっているのです。例えば、医薬品を開発する場合、「治験」の承認審査時間を各国で比較すると、承認の審査に必要な期間が米国の倍かかります。 その結果、日本では500社を超えるバイオベンチャーがあるにもかかわらず実用化まで到達している企業は非常に少ない(上場企業16社)という事態になっています。
そこで、イーソリューションズは、脳梗塞を治すバイオベンチャー、NCメディカルリサーチを支援しました。 ここでも、1社では解決できない課題に対峙するために、戦略パートナーとして多くの株主に参画いただきました。研究開発、知財マネジメント、細胞培養、ITシステムなどそれぞれの企業に役割、責任を持っていただいて応援団となっていただきました。
さらには、より開発のスピードを上げるため、将来は日本に戻ることを前提としつつアメリカで開発を進め、成果を上げています。
8. スマートシティプロジェクト
- 世界のスマートシティ市場規模は今後の20年間で、3100兆円の規模に達する。
- 日本は環境関連やエネルギーの技術は世界で見ても非常に高いレベルのものを持っている。(関連技術の特許出願数でも圧倒的シェア)
- その「技術」という宝をほかの国に持っていかれないよう、しっかりと日本で実用化していく必要がある。
- そのために、スマートシティプロジェクトを立ち上げた。
世界各国は、CO2削減を大義に、したたかで鮮烈な「グリーンニューディール戦略(戦い)」をスタートし始めています。たとえば、今現在、中東の産油国等は、将来起こるであろう原油資源の枯渇を想定し、その対策としてスマートシティの事業にかなりの力を入れています。 その戦略とは、莫大な資金と場所を提供し、プロジェクトの上位を抑え、先進国の技術を吸収し、自国企業中心の新しい産業として育み、世界に輸出していくというしたたかなものです。
これを馬鹿にしていてはいけません。これまでのDRAMや液晶パネル、DVDプレーヤーがそうだったように、環境・エネルギー分野においてもあっという間に日本は優位性を失ってしまうかもしれないのです。 従来型の(下請け的)アプローチは、部分最適なソリューションでしかなく、全体像を抑えている国や企業にノウハウを盗まれるだけですから、何とかしなくてはいけません。
方法論ですが、携帯電話の事例を見ながらその課題を見ていくと、①世界への事業展開力不足 ②事業化の困難さ(技術的検証中心で事業化や経済性の検討がされない) ③イニシアティブが取れない日本企業 ④部分最適による系統の悪影響 ⑤事業が進まないコンソーシアム というような問題が見えてきます。
そこで、その解決策を考えます。 ①世界企業の営業・マーケティングチャネル活用 (SAP社等の世界企業) ②シミュレーションによる地域最適化モデルの導入 ③実証実験計画と事業計画の同時進行 ④日本から「ショーケース」として世界に発信(柏の葉キャンパス) ⑤全体最適モデルの設計 ⑥(役割と責任を明確にした)FDC・東京大学・企業連合
こうした全体像を捉えた上でのアプローチで、全体最適化による「スマートシティ」を世界に展開できると考えています。 そこに今15社の企業が集まり、1社1社の素晴らしいソリューションを終結させ、世界に売り込んでいこうとしているのです。 こういうことを広く発信し、日本がその戦い方の価値に気づき、さらに広く展開していければと思い、書籍を出したり、日経新聞に広告を出したり、あるいはNHKスペシャルで取り上げていただいたりもしています。
オーケストラに例えるなら、決して指揮者だけでやっているわけではなく、15社の1社1社それぞれが主人公であり、素晴らしい奏者としてハーモニーを織り成し、良いものを作っていこうとしているのです。
8つの事例のご紹介はこれで終わりますが最後にもう一度。
皆さんの周りには、これからもいろいろな複雑な問題が出てくると思います。その際に重要なのは、多くの現象を全体像としてどうなっているのかきちんととらえ、その現象は全体のどの部分なのか理解し、その現象の原因が何なのかを探ることです。課題の全体像を眺め、問題のメカニズムがどうなっているのか理解するのです。
例えば、手に発疹ができたとしましょう。高熱もあります。その時に発疹だけ見て「クリームを塗りなさい」、あるいは「熱を下げるために解熱剤を飲みなさい」というだけの医者はやぶ医者ですね。症状の真の原因は麻疹(はしか)だったりするわけです。そうなると、当然処置が違ってきます。
皆さんの周りで起きているいろいろな現象や課題についても同様で、どんなメカニズムになっていて全体がどうなっているのかをとらえて対処していけば、問題は解決できます。本来、日本人は能力も教育レベルも高いのですから、そうしたことは得意なはずだと思いますし、やればできるはずです。あとは、「それ(解決策)をやるのが得意な人は誰かな」と考えて、その人たちとのネットワークを上手くつなげていけばいいのです。
本日はたった8つの事例の紹介となりましたが、実際にはもっとたくさんのケースを同様のやり方で解決してきました。本日いらしている皆さんには、「なんだ、そんなことであれば俺にもできるぞ」と気づいていただき、ソーシャル・イノベーションを起こすリーダーとなって今後の日本を引っ張っていただければ大変うれしいです。
長くなりましたが、最後まで本当に真剣に聞いていただきありがとうございました。
第二部 パネルディスカッション
イーソリューションズ/代表取締役社長 佐々木 経世氏
青山社中/筆頭代表 朝比奈 一郎氏
1. 朝比奈 一郎 氏 からの自己紹介
私は、昨年11月15日、坂本竜馬の誕生日であり命日であるこの日に(亀山社中をもじって)「青山社中」という会社を立ち上げました。それまでは約14年にわたっては経済産業省に勤務し、表の顔としてはエネルギーの獲得やスマートシティ等のインフラの輸出の司令塔のような部署にて仕事をしていました。その傍ら、霞が関がもっと有効な政策を作れるようにと思い、仲間と2年にわたり研究を進めた後に「霞が関構造改革・プロジェクトK」というチームを作り、具体的な提言にまとめて出版した。それがおかげさまで結構な反響を呼んで、小泉内閣以降、政権に対して公務員制度改革や政党のあり方について具体的な提言をしてきました。その7年にわたる活動もある程度は形となり、公務員改革も進められ、国家戦略室という器もでき、半分は成功したと言えると思います。ただ、まだ道半ばでこれからというところです。
そのタイミングで役所を飛び出したのですが、その理由は、①霞が関改革をこの先に進めるにも、霞が関だけでなく日本全体の活性化を視野に入れた活動を外からしていく必要があると思った ②山積する課題により直接的に取り組むことが必要と思った という二つです。その目的のために青山社中という会社を作りました。そして、5-10年後には政策と人材を兼ね備えた集団になっていたいと考えており、場合によっては、政党になっていることを目指しています。
最近の日本の混乱の大きな要因は、一つに政党が機能していないということだと思っています。日本の改革には、政策に対する深い理解と強い信念を持った人、役所でそれを実践できるマネジメント力を持った人、本来はこれが必要なのですが、今は政権を取るためだけの人が多くなってしまっているように思われます。 一言で言うと準備が足りていない。
だから多少時間をかけてでも、政権を取った後にすぐに実施できるような準備という意味で、日本の再生プランの作成と人材の育成をしていこうと思ったのです。つまり、政策作りと人づくりを通じて立派な政党になること、これが青山社中の目指すところです。
2. 事前に寄せられた質問への回答とディスカッション(抜粋と要約)
(渡邊) Q: ソーシャル・イノベーターなど社会のリーダーになるために、20代、30代でしておくべきことは?
(佐々木氏) A: 今私がイーソリューションズの中で若い社員に言っていることは、(ソーシャル・イノベーションには直接関係ないかもしれませんが)「人として誠実であれ」とか「人を大事にしろ」とか、道徳的な話です。 表現にはこだわっていませんが、「大義」とか「思いやり」とかそういういろいろな言葉に表れるようなことをしっかりと思いながら仕事をやって行くことが大事なのだと思います。お金儲けだけ考えて行くようなことがあっては、決してうまくいかないと思います。特に「友達を大事にしながら生きて行く」ということは大事だと思っています。私がいろいろなことを考えられるのも、友人からの刺激やインプットがあってのことです。さらには友達が友達を紹介してくれるなど、その広がりは大変ありがたいものであり、大事です。
(渡邊) Q:プロフィットセクターも政治やNPOなどの社会のイノベーターも、リーダーに求められるものは同じなのでしょうか?
(佐々木氏) A:まったく同じですね。人が人を尊敬するとか、人が人を好きになるとか、そう言ったことが大事なのだと思います。
(朝比奈氏) A:リーダーシップの理論はいろいろありますが、私はハインフェッツ教授(ハーバード大学ケネディ・スクール)の”get on the balcony” (バルコニーへあがれ!)という考えが好きです。リーダーは、佐々木さんもおっしゃるように全体像を見なくてはいけないのですが、同じことを言っています。ダンスフロアでみんなと踊るだけでなく、バルコニーに上がってダンスフロアを眺めて全体像をつかみ、またダンスフロアに戻って行く。その行ったり来たりがリーダーには重要なのだという話です。
もうひとつ、「バルコニーに上る」というのは目立つ所に出ることになるわけですから、実は狙撃されるなどリスクが高い行為になります。このリスクをどう取れるかというのが重要なポイントです。撃たれるかもしれないし、バルコニーから落ちるかもしれない。そのリスクをどう乗り越えるかということを考えるのが、20代に必要なことの一つだと思います。
どうやったらリスクを取れるようになるのかという問いには「これさえあれば」というような答えがあるわけではないのですが、私は3つの意識が大切だと思っています。
- 後世の意識:歴史がどう流れていて、自分がどういう位置づけにいるのかという意識
- 自分への意識:自分というのはどんなタイプでどんな人を目指したいのかについての意識
- 死への意識:死を意識することで逆に生まれる、「必死」という必ず(死ぬ気で)やり遂げるという意識
この3つの意識でリスクを取れるというか、不確実性に向かってつき進めるようになると考えています。
(渡邊) Q:日本では、皆リスクを避けたいと思って行動することが多いようにも思うのですが、朝比奈さんはリスクを取って青山社中を始められましたね。それには大きな決断があったのでしょうか?
(朝比奈氏) A:そうですね。霞が関改革を中からやって行こうと思い活動してきたこととの矛盾というところでとても悩みましたが、本当に大事なことを成し遂げるために、という思いで決断しました。
(渡邊) Q:日本では、仕事ややりたいことについて考える時、多くの人が「どのような業界に行こうか」とか「どの会社がいいか」というような観点で「どこかに所属する」ことを前提とした仕事選び・会社選びになってしまうことが多く、「やりたいことをするために起業する」というようなリスクをとる方がどうしても少ないように思います。そのような中で佐々木さんはご自分でリスクを取って起業されスタートをきったわけですが、これから起業しようかと考えている人に「スタートする前に知っておいた方が良いこと、決断するにあたって考えておいた方が良いこと」について、エールを送る意味でも一言いただけますか?
(佐々木氏) A:方法論ではないのですが、考え方を少し変えてみたら面白いのではないかと思います。「やるリスク」ではなく、「やらないリスク」を考えるのです。これを今やらなかったらどうなるのか? 企業でもよくある話ですが、すごく成長のポテンシャルがあるのに、石橋をたたいて渡るように慎重な事業計画を立ててしまい、もたもたしているうちに他の企業に市場をさらわれるのです。決断できないのですね。「やらないリスクの方が大きいということがある」ということも知っておいて欲しいと思います。
(朝比奈氏) A:佐々木さんのお話には大変感銘することがあります。(創業を)決心するにあたってはいろいろな企業家の方の本も読みました。その中で三木谷さんの言葉だったと思うのですが、「人生を後悔するという最大のリスクを避けようと思った」という表現が深く胸に刺さっています。「今これをやらないと一生後悔するな」という思いです。 確かに家族を見たり同僚を見たりすると大きなリスクに感じるかもしれませんが、一方で歴史を見れば、自分のリスクなどたいしたことないなと思えます。役所を辞めるにあたっては「脱藩だ」という人もいたのですが、私は、それは本当に「脱藩」した人に失礼な話だと思うので「脱藩」とは言わないようにしています。ご存知の通りあの時代の脱藩は、家族にも会えなくなるし、下手したら家族が殺されてしまうかもしれない、ほんとうに厳しいものでした。 それに比べれば自分のリスクなどなんてことはないな、と。
(佐々木氏) A:自分が成長した時ってどんな時だったかなと振り返ると、失敗してそこから学んだということも実に多かったように思います。だから、命にかかわるとか致命的なリスクがあるとかでなければ、(失敗を恐れず)思い切ってやってみるとよいと思います。
(渡邊) Q: 次の質問です。学生の時にやっておくべきことは?一生の中でもとても貴重な「学生」という身分で、本当に豊かな時間を持っている今の内にやっておいた方が良いと思うことがあれば教えてください。
(佐々木氏) A:食事と一緒で、バランス良く学生という立場でできることをやったらいいと思います。勉強、友達、恋愛、趣味といろいろあるかもしれませんが、どれも人生にプラスになると思います。趣味を一生懸命やったからと言って能力が下がることはありません。例えば、私がいろいろなことをやれているのは、一つに「好奇心」が強いからだと思っています。(こんなことしていて良いのかというような)心配もあるかもしれませんが、やってみたいなと思うことを思い切ってやってみる。違うなと思ったらまたほかのことを思い切ってやってみる。「思い切って」というのがポイントかもしれません。思い切ってやっていないのがたくさんあると大変かなと思いますが、思い切ってやることがたくさんあるのは良いことだと思います。
若い時だからこそ、目をキラキラさせて、わくわくドキドキするようなことをいっぱいやるのが良いと思います。
(朝比奈氏) A:私自身はそれほど実践できなかったのですが、かっこつけて言うと、「万巻の書を読み、千里の道を旅して、百の人と議論する」ことかと思います。何も知らないところに知識をインプットするのに、書物から得られるところは多いと思いますし、そして、それを自分で見てみるために旅をすると自然と意識は内に向いていき、自分が何をしたいのかなど考がまとまってきます。そしてそれを利害関係のない友人と議論することでさらに自分の考え方を磨いていけるだろうと思います。
会場からの質問への回答
(会場の参加者から) Q: 今のご自分の仕事をするにいたったきっかけのきっかけ、「原体験」のようなものがあれば教えてください。
(佐々木氏) A:中学生の時、富山県にいたのですが、「小さな親切運動をしよう」という行事が学校でありました。その時「うちの学校だけでやったのでは面白くないな」と思い、富山県中の学校に声をかけたところかなりの学校に参加してくださったのです。さらに、精神論でなく具体的な活動にしようよという活動をし、成功した経験があります。それがすごく影響していると思います。 もうひとつは、ソフトバンクでの経験です。事業の拡大のしかたとかお金のこととか多くを学び、自分としても貢献できたと思います。
そして、自分の価値観の中で、「そこで学んだことを世の中でどうやって使える(還元できる)かな」と考えてイーソリューションズを起こし、いろいろ戸惑いながらも10年くらいやってきて、ようやく形になってきたのだと思います。
(渡邊) 補足ですが、佐々木さんとは長いお付き合いながら、当時はとても珍しいMBA留学への私費留学をする時も、そしてソフトバンクに飛び込む時も、周囲は反対したり訝ったりする中、ご自分が正しいと思われることを信じて飛び込んで行かれています。そのころからすでに今の片鱗が合ったように思います。
(朝比奈氏) A:私はもともと埼玉の田舎出身なのですが、当時自分の父親の事業の跡継ぎかなと思いながら過ごしていました。ただあるとき、自分の幸せを考えた時に、いろいろな関わりの中で、自分は家族、恋人、郷土、国といったどの単位とつきあって行くのがしっくりくるのかなと思うと、それは「国」だと漠然と思うようになりました。そこで、国のために働こうと思い、一年浪人して東大に入り、役所に入りました。
当時は何も知らなかったので、「きっと大蔵省の奥の方に日本のエリートが集まって、(人知れず)『20年後の日本のために』というような秘密の会議を行っているのに違いない!」などと思って期待して入ったのですが……。大蔵省の主計局に配属になった私の盟友に「大蔵省では何やってるんだ?秘密の会議は?」と聞くと、帰ってきた回答は「国会の質問への回答作ったり、他の省へ(回答作るのを)押しつけ合ったりして一日終わっている。各省のエリートが秘密の会議をやっている気配はまるでない。」というものでした。と、「日本の全体像とか今後について真剣に考えている人はほとんどいないのでは?」という気がしてきて、霞が関としてもっと有効な政策を作れるようにしなくてはと思い、友人を集めて構造改革の提言に乗り出し、今に至っています。
(渡邊) 最後に佐々木さんから朝比奈さんにひとことエールをいただけますか?
(佐々木氏) (朝比奈さんは)東大を出て、経済産業省にいて、成果をきちっと出していて、さらにはどうしていこうかということで役所を飛び出し、ある意味では経験のないビジネスの世界に飛び込んだ。一般企業の経験があればわかることも、国にいたからわからないということもおそらくあるんじゃないかと思うのですが、それでもやってみようと言って飛び込んだ朝比奈さんの勇気、それに本当に感動しました。こういう人が活躍する場を僕らが作って行かなくてはいけないんだなと感じ、会った瞬間に「応援させてください」とお願いしました。
今日は、朝比奈さんがある意味ここにいらしている皆さんの代表であって、皆さんが自分の人生の中でそれぞれ勇気を持って何かをやって行く、そんなスタートの場面であるのかなと思っています。 皆さん、頑張ってください。
参加者の声
フォーラム終了後、ご参加いただきました皆様からいただきましたご感想、ご意見の一部をご紹介いたします。アンケートにご協力をいただきました皆様、誠にありがとうございました。
- 佐々木さんのお話に大変感銘を受けました。こうした会社の構想を20代の頃から考えていたというのが驚きです。ビジネスのお話もそうですが、パネルディスカッションを通して、佐々木さん及び朝比奈さんの人間性やこれまでのバックグラウンド、考え方などを知ることができたのも大変良かったです。
- とてもポジティブなフォーラムで気持ちが良かったです。佐々木さんの具体的な事例はその課題発見→ソリューションまであり、とても勉強になりました。また同時にこういう考え方、手法で自分も色々な課題に対して考えていきたいと思いました。日本をよくするということを情熱をもって考えられている方、その空気に会えてよかったです。ありがとうございました。 全体像と個別の問題との関連性を意識する大切さを学びました。
- ソーシャルイノベーションの実情を初めて知ることができ、とても有意義な時間でした。この分野に興味があったもののアプローチ法がわからなくいたので、本日の講演でイメージを具体的に持つことができました。
- 自身の研究テーマである「日本の観光産業の振興」の話題が、ソーシャル・イノベーションの課題に加えられており、やはり日本の成長産業であるところを再認識した。
- 日本でソーシャルイノベーションを実践するには、官庁との密接な連携が必須であることがよく理解できました。
- 講演者の組み合わせが良かった。講演内容自体も、中身が濃く、大変参考になりました。
- 非常に刺激的で勇気づけられました。
- 両氏ともに大変情熱的でとても良い刺激をいただきました。実際に国の将来に影響を与えられている方の話を直に聞くことが出来たことは、素晴らしい経験でした。
- イーソリューションズの事業と意義を理解できた事により、全体をみることでフレームワークを作り、価値を生み出す形態に共鳴できた。次のキャリアを考えるための勇気を頂いた気がします。
- 佐々木氏の取り組み姿勢や具体的な取り組み方法はとても参考になりました。このような具体例のあるお話は非常にイメージがしやすく、今後もこのようなセミナーを継続して頂きたいと思います。
- 社会変革(ソーシャルイノベーション)は、一聴すると非常に難しそう(実現)だが、いろんな企業とピースを組み合わせて全体像(パズル)を完成させること、というのがわかった。そのためには、まず自分の中でパズルを頭の中で組み立ててみること、その完成図が皆(企業、社会)にとって素晴らしい(キレイに見える)ものである必要があると思った。勉強になりました。
- 基調講演に関してはさまざまな観点での取り組みが見えて勉強になりました。パネルディスカッションではリーダーを目指すにあたっての心構えや考え方を知ることが出来て有意義でした。
- 大変楽しみにしていた期待以上の質の高い時間を過ごすことができました。佐々木様の「全体像を把握し、メカニズムを…」の考え方には改めて感銘を受けました。ありがとうございました。
- 佐々木氏や朝比奈氏から直接お話しを聞くことができて良かった。今後のキャリアを考える上で参考になった。
- 本当に素晴らしいセミナーでした。たくさんの学びと、刺激を頂きました。(そして大量の参考になるスライドの情報も)今日伺って本当に良かったです。ありがとうございました!
- とても考えさせられました。どうせ働くなら、世の中のため、日本のためになることをしたいと思いました。貴重なお話が聞けて良かったです。いい刺激になりました!
- グローバルな視点を持つ企業説明を拝聴し、転職を考える上で大変参考になりました。
- 大変勉強になるフォーラムでした。ありがとうございました。福岡から参加させていただきましたが、全体最適の考え方を現場でどう生かし、人を活かす方法に結びつけるかという視点で参考になることが多く、勉強になりました。現在その分野で福岡の国際戦略を共に描いて事業に落としこむプロセスを共にできる仲間を探しているので具体的に良い考えも浮かびました。ありがとうございました。
- 案件を生み出していく・考えていくために非常に重要な視点をいただきました。‘次の一歩’を踏み出すことを早く進めていこうと思います。
- 佐々木氏のお話に度肝を抜かれました。自分が学生時代に抱いていた志をもう一度引っ張り出してみようと思いました。出来ないこと、今無いことを当然と思ってあきらめてはいけないですね。「全体」を見ることを忘れないようにしたいと思います。 腹がくくれそうな気がしています。
- 佐々木さんのお話にとても感銘を受けました。自分が全体のどの部分にいてどんなふうに変えてゆかなければならないか考えるきっかけになりました。
- 基調講演で扱ったテーマはいずれも興味深く、勉強になった。一つ一つをもっと深く知りたいと思った。「ソーシャルイノベーション」という言葉に対して興味はあるものの、何をどうすればよいのか、どうすれば実現できるのかわからずにいたが、本日の講演からその解決策が見えたように感じる。
- 色々な実績を残された方からのお話を聞く機会は積極的に作って頂きたいです。
- 大学生・院生についてコメントをして下さってありがとうございました。自分の意見では大学生は今、とても焦っていて、安易な方法論に飛びついてしまう傾向があると思います。しかし佐々木さんは方法論ではなく、生き方、姿勢について、長い目で自分の体を使ってやっていく大切さについて言っておられたので、感激しました。
- ただの学歴としての知識ではなく、行動と情熱をともなった内容となっており、おもしろかった。おもしろいで終わらせる事なく、自分の行動へとつなげていきたいと思う。
- 第一部佐々木氏の講演が非常に刺激的な内容で本日来てよかったです。全体をみながらという話がありましたが、やはり部分最適化のみに走ってしまわないよう、多くの人で全体をみながら進めていく手法は、今後の仕事でも活かしていけるものでよかったです。物事の捉え方が広がって良かったです。
- 基調講演に関してはさまざまなケーススタディを用いて具体的な内容だったのでイメージがつかみやすかった。もっと深掘りした話が聞いてみたかった。
- 今回のフォーラムに参加させていただきまして、まさかここまで感動して心を動かされるなんて、会場に足を運ぶ前まで思いもしませんでした。当日会場に足を運ぶまでは、MBAで学ぶようなビジネス理論をベースとして、今後のビジネスリーダーにはこういったスキル、経験が必要になってきます…みたいな少し硬めの内容を予測していました。ところが、いざ佐々木さん、朝比奈さんのお話を伺ってみましたところ、その内容は、この日本という国家を将来どうしていくべきかという壮大な国家ビジョンが語られた事にとても感動してしまいました。自らの会社の為だけではなくもっと広く社会、そして国家、地球のために何ができるか、それを考えるのがリーダーの使命である、と私なりに学ばせて頂きました。
- 佐々木さんの講演はパワーをビンビン感じ、短時間に伝えたいことを何度も具体的に述べて下さり、とても有意義な時間となりました。必ずここで聞かせて頂いた事を活かしていかねばと感じさせられる内容でした。
- 限られた時間でしたが熱い想いを感じました。自分は何ができるのかと考えるきっかけになりそうです。
- 今後の活動を考える上で、とても勉強になりました。見落としている部分はないかの批判的考察の重要性を痛感させていただきました。
- 第一部も第二部もとても興味深いものでした。特に第一部ご講演の中で紹介された具体的なプロジェクト事例はもっと聞きたいと思えるものばかりでした。朝比奈さんも是非プレゼンしていただけたら、と時間の制限もあったかと思いますが、次回是非にと思いました。
- 大きく考えないとソーシャルイノベーションは起こせないということを、多くの事例を通して再認識した。第二部でのビジョナリ―な人の思考も垣間見えて良かった。
- 長いようで短いこの2時間(少しオーバーしましたが)、もう少し会場からの質疑応答の時間が頂戴できれば幸いでした。素晴らしい講演会だっただけに、双方向でのコミュニケートができれば最高でした。
- ‘ソーシャル’や‘次世代のリーダー創出’というような言葉がさまざまなところで飛び交っております。継続的にこのような場を開催していただけますと非常にうれしいです。
開催概要
講演者/パネリスト 略歴
イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長
1989年 MIT Sloan School of Management/Master of Science in Management 卒業
日本鋼管(株)、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(株)を経て、ソフトバンク(株)事業企画室長(社長室兼務)に就任。1999年1月、イーソリューションズ(株)を設立し、代表取締役社長に就任。その他、社団法人フューチャーデザインセンターFDCセンター長、NCメディカルリサーチ(株)代表取締役社長など兼任。また、慶應義塾大学医学部月が瀬リハビリテーションセンター非常勤講師、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授も務める。
青山社中株式会社 筆頭代表(CEO)
- 青山社中株式会社
- 青山社中 リーダー塾「国や社会のことを考え、変革に向けた行動を起こすことができる人材を育成する」ことを目的として設立。青山社中筆頭代表の朝比奈一郎氏が塾頭をつとめる。
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